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ゲームが下手すぎてうどんを捏ねていたら、ダンジョンが出来上がりました。〜うどん作るのも、下手〜  作者: エリーゼ


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020 上手くいったを当たり前に

 ただスキルを使って倒せば良いってわけじゃない。どんな状況で、どう使うのが有効なのか。スキル()使われているようじゃ駄目、スキル()使いこなさなければ。それを意識してレックス先生と戦うことにした。


『――REeeeeeeeeeeeeeeX!!』

「超集中、限界突破ッ!!」

「はぁああ……!! イルジオン、ファイアアロー!!」


 パターン1、対敵した瞬間に使い始め、トマホークの牽制からディサイシブスタブまでずっと使い続ける。

 これは俺が少しでも行動が遅れたり、ルシカとの連携に失敗してしまった場合、トドメを刺せるという場面でマナ欠乏症を起こして倒し損ねたという事件が発生した。

 最初から全力で戦うっていうのは、それだけの体力とマナと実力が伴っていなければリスクが高いってことなのだと理解することが出来た。


 1勝5敗。


『――REeeeeeeeeeeeeeeX!!』

「トマホークッ!!」

「イルジオン、ファイアアロー!!」


 パターン2、牽制では本気を出さない。出来るだけ全力で斧を投げるが、限界突破までは使用しない。これはレックス先生に有効だった。

 飛び道具を嫌がってハリケーンを繰り出そうとした時、ここで超集中と限界突破を使って行動阻止と致命攻撃を狙った。

 上手くいくと思っての行動だったが、スキルが発動する前にハリケーンがどうしても繰り出されてしまい、せっかくの超集中と限界突破がなんの役にも立たず、何も出来ないままマナ欠乏症に陥った。

 出しどころを考えたつもりだったが、相手が既に取っている行動を阻害する目的で使うには出すのが遅すぎる。


 2勝4敗。


「……さて、ここから2階層のレックス先生だ」

「レベルが上がるのよね……」


 段々とスキルに対する理解が上がってきたところで、難易度に変化が訪れる。ここから4階層までは全て同じ難易度で、強化型レックス先生のレベルも上昇し、UMPも1回の完全撃破につき1万と2千も溜まるようになる。

 つまり、それだけ過酷なボスってことだ。


『――REeeeeeeeeeeeeeeX!! HURRICANE SLASH!!』

「は!?」

「ええっ!?」


 パターン3、相手が予想外の攻撃をしてきた時に使う。

 現状の俺では対処不可だと判断した時、超集中と限界突破を発動する。これが出来るようになった時には、ルシカも『コンセントレーション』というパッシブスキルを身に着けていた。

 パッシブスキルというのは、常に発動している装備型スキルと同じようなものらしい。ルシカのコンセントレーションは、スキルの発生速度や精密性を向上させるスキルだった。集中力や専念という意味の言葉なので、そこからヒントを得て俺もコンセントレーションの獲得のため、発生速度に気を使って戦ってみることにした。


 なお、10回戦って9回は負けて1回はまぐれで勝てるようになった。2階層からのレックス先生は、行動をキャンセルして奇想天外な行動に出ることがあり、常にアドリブを要求される。まったく、どれだけ戦っても確立した攻略法が見えてこない。


『――REeeeeeeeeeeeeeeX!! HURRICANE SLASH!!』

 

 レックスハリケーンスラッシュ。俺が勝手に命名したレックス先生の必殺技なんだが、これがとにかく厄介なスキルだ。

 1階層ではダブルラリアットの回転で竜巻を起こすまでだったが、2階層からは手をチョップする形にして回転し、竜巻から斬撃を四方八方にばら撒くというスキルに進化していた。

 これが恐ろしく強く、どうやらある程度は狙いが付けられるようで、こちらを確実に殺すように追い込むパターンで斬撃を飛ばしてくるのだ。


「マルチウェポン、ファイアアローストーム!!」


 そして、俺の成長よりも早く、ルシカが新しいユニークスキルを閃いた。イルジオンの派生魔法、マルチウェポンである。

 両胸の幻影を犠牲に、自分の武器の幻影を3個投影する。そして、その幻影が発生している内は、ルシカの発動する魔法は4倍に増える。

 この魔法が4倍になるユニークスキルのおかげで、レックス先生の竜巻も貫いて破れるようになった。これが出来るようになった途端、レックス先生の厄介行動が潰れて俺が動きやすくなった。


「超集中、限界突破、超加速(アクセラレーション)


 アクセラレーション。発生速度を意識して発動していたつもりが、いつの間にか速度を向上させるスキルへと化けていた。思っていたのはそうじゃないんだが、まあこれはこれでということで使ってみたところ、思っていた以上の効果を発揮してくれた。

 体感的には、1秒を5秒に引き伸ばして動けるような感覚。本当に一瞬だが、約5倍速で相手の懐に近づける。この一瞬が、俺の勝率が一気に向上することとなった。


『REeeee!?』


 ディサイシブスタブ。直訳すれば、決定力のある刺突攻撃という意味だ。まさにその通りの攻撃で、発動すれば俺が思った通りの場所に強烈な刺突攻撃を放つことが出来る。たとえ、筋肉の鎧で守られている極太の首であったとしても、肉と筋を断ち切りながら牛刀が首をすり抜けるように突き刺さる。

 ただしこれは、相手の不意を突かなければならない。俺はこのスキルの成功条件が暫くわからず、正面からばかり使い続けていた。発動すれば勝てるスキルなんて、この世に存在していないのだ。最も有効に、かつ最大威力で発揮出来る場面でスキルを発動すること、これが大事なのだ。


『ディスターラッシュ!!』


 ディサイシブスタブから立て続けにスラッシュを発動し、刺突から切断までをひとつの工程として可能とした、スキルとスキルの合体。ディスターラッシュの発現後は、10回やって1回まぐれ勝ちだった戦闘が、10回やって10回勝てるようになっていた。


『――――おめでとうございます。連続16連勝、4階層まで全てのモンスターを討伐しました』

「ルシカ、どうする? 5階層と6階層を増やすか?」

「増やしましょう。またレックス先生のレベルが上がるのでしょう?」

「反復訓練も必要だし、よし……増やそう」

『5階層からは配置コストが10に増加します。ミッソースープレックスはコスト5であるため、強化型になりません』


 そして、問題に衝突する。5階層と6階層を増設しても、レックス先生は強化型として配置出来ないのだ。つまり、もう1体レックス先生を引き当てる必要があるということ。そしてそれは、強化型レックス先生のレベル3を、2体相手にしなければならない……ということ。


「じゃあ、5階層だけにして、雑魚モンスターで埋めよう。残りは食費とモンスターガチャに回して、引けたら明日やろう」

「それがいいわね! そうだわ、ケント! レベルはいくつに上がったの?」


 本日の成果は、ジュエルボックスが5回に、プラチナが3回。ゴールドは4回、他はゴミだった。ほとんどが換金アイテムか味噌関連のマテリアルだったが、興味深い装備アイテムも出た。だが、それはさすがに……後で確認しよう。


「…………ぶわぁ~!! いや、いやぁ、疲れたぁあああ……」

「体力的にはミニうどんで回復するけれど、精神的なものよねぇ~……」

「まだまだ精神が未熟ってことだな。いずれ、当たり前のように倒せるぐらいにならないと」

「そのためにも、まずは反復訓練ね! 私、イルジオンを同時に扱える数を増やせないか、やってみるわ!!」

「胸も寂しくなっちゃうしね」

「もうっ!!」


 とりあえず今は、5階層をサクッと処理して自宅フロアに帰りたい。何度も限界突破を使ったからか、肉体が覚えた疲労を精神が記憶してしまって、身体は軽いのに精神的に重いといういびつな状態だぜ!

 風呂入って、うどん食って、パパパっとおやすみして……今日はおしまいにしよう!! また明日ってやつだ!!



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― 新着の感想 ―
そうだ、両胸は幻影だった。 じゃあ幻影お乳から光魔法でチクビームとか出来るのでは。 わざわざお胸消さなくてもいいのでは…あ、服が邪魔か。 なんかすぐに強くならなければならないっていう強迫観念みたいな…
レックス先生序盤に引けて良かったくらい良い先生 そして何日修行してたのやら… もうイルジオンで隠さなくて良くない?誇れよ希少価値だぞ
レックス道場設立ヾ(´ω`)ノ 強敵は先生扱いされるさだめー(*´ω`*) チョップから斬撃飛ばしながらのハリケーンは無法すぎるwww 『両胸の幻影を犠牲に』確かに得難い代償ですね…… それで攻撃回…
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