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ゲームが下手すぎてうどんを捏ねていたら、ダンジョンが出来上がりました。〜うどん作るのも、下手〜  作者: エリーゼ


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11/20

011 勝負!!

『チクワ、アッ!?』

『ちくわんこ、撃破。ボーナス150UMP』


 今日ホームセンターで買い直してきた、ハンドアックス投擲2連撃。ちくわんこ如き、ボーナス込みでもこれで仕留められる。問題は……こいつだ。


『モォ……』


 強敵との対峙、これに関しては今まで対戦ゲームでしか知識がない情報だ。

 まず、一度出した技は相手に覚えられたと思ったほうが良い。通用したからと何度も擦れば、いずれは相手に対応されて負けにつながる。だから、幅広い手札を用意する必要がある。

 こいつの強みと弱点はなんだ? まずフルアーマーの甲冑、デカいシールド。これは圧倒的な強みに他ならない。逆に弱みは……推定でしかないが、その鈍重そうな見た目だ。ルシカの魔法攻撃は確実にヒットするだろう。そして、兜のバイザーからこちらを見ているということは、視覚情報に頼っている敵だ。


「ブラインド!!」

『モッ!?』


 まず挨拶代わりにブラインド。相手の視覚情報を潰す!!


『モォン!!』

『重騎士サー・ロイン、簡単な状態異常を打ち払う【克己】スキルを所持しているようです』


 簡単な状態異常は効きませんよ、と。本来ならこれで『じゃあ使うのはやめよう』と思うだろうが、俺の考えは逆だ。打ち払うためのスキルということは、何度も使えばどちらかがMP切れに陥る。それに、暗闇対策に克己を使わねばならないということは、ルシカへの対応が出来ないということだ。

 よし、こいつの攻略方法は……決まりだ!!


「ブラインド!! ルシカ、こいつが暗闇に対応している間は完全フリーだ! やりたい放題やってやれ!!」

「わかったわ!! ファイアスパイク!!」

『ブモォオオオ!!』

 

 効いてる……効いてるぞ!! だが、今までのモンスターとは違って一撃とはいかないらしい。

 攻略法がわかったなら、次はボーナスについて考えなければならない。今までのモンスターは、大体が名前にまつわる部位を破壊すればボーナスが貰えた。ちくわんこならちくわの部位、長ネギンバトなら長ネギを、うどんぶりスライムならどんぶりを。サー・ロインは……確か、腰よりも上の部位だったか?


「俺が後ろから回り込む!」

『ブモッ!!』

『サー・ロイン、【克己】を発動しました』

「ブラインド!!」

『ブモオオオオオオオオオ!!』

「イルジオン!!」


 相手の対策が後手後手に回っている。ブラインドをかけられるのが相当に嫌なようだな! まあ俺だって、視界を潰されて解除が出来るならそうするだろうが、こう何度もやられてはイライラするだろう。

 はぁ~ん、なるほど。こいつ、前面はガッチリと防御を固めているようだが、背中側はコルセットみたいに紐で鎧を留めているだけなんじゃないか!! つまり、この紐をぶった切れば……見せかけのフルアーマーは崩れ落ちるってわけだ!! その背中、貰った!!


「卑怯だとは言うまいな!!」

『ブモ、ォオオオオオ!!』

「くそっ!?」


 こいつ、攻撃された方向に当てずっぽうで攻撃してきやがった!! 避けるのが遅れていたら、あのメイスで頭を粉砕されてただろうな!! だが、お前の防御は既にその大盾だけだぜ?


「ダブルファイアボール!!」

『ブモォオオ、ォオオオオオオオォオ!!』

「ええ!?」


 嘘ぉ!? イルジオンを起点に魔法が使えるだけじゃなくて、本体と同時に魔法が使えたのか!! しかし、火だるまになった今がチャンス!! 両手に持った麺切り包丁、俺もこいつで同時攻撃といくぜ!!


「こいつで、とどめだ!!」

『ブモォ……オオ……』


 なんだ、今の手応え……? いつもの攻撃より、通りが良かった……? すんなりと首に吸い込まれて、サー・ロインの首を……刎ねた。


『…………』

『重騎士サー・ロイン、撃破。完全撃破ボーナス、3000UMP』

「倒し……さんぜ……!? ええ、3倍!?」

「やったわね、ケント! このモンスター、火の魔法に弱かったと思うわ。魔法の通りが異様に良かったもの」

「完全撃破ボーナスってのを始めて貰ったんだが、条件がイマイチわからないな……」

『スーパーレアモンスターの完全撃破ボーナスチェスト、通常のボーナスチェストが出現します』


 不可解なことが多すぎるが、それよりボーナスチェストだ! 金色のチェストに、銀色のチェスト!! こいつは期待が持てる……。開けるのが楽しみだ!


「ルシカ、どっちを開けたい?」

「じゃあ~……前はケントに豪華な方を開けてもらったから、今度は私が開けたい!!」

「よし、じゃあ俺が銀色を開けるか!!」


 それじゃあ、いざ……。ご開帳~!!


「「じゃじゃ~ん!!」」

『【マテリアル・お好きな調味料】を獲得しました』


 おお!? これはつまり、一味唐辛子でもコショウでもなんでもオッケーってことか!? ダンジョン産のマテリアル調味料をメニューに組み合わせれば、ドーピングの効果も恐らく上がるはず。これは嬉しいドロップだ。


「ケント~……こ、これ……」

「え? え……え!?」


 いやぁ~……。サー・ロインの完全撃破ボーナス、こ、これは~……。


『スーパーレアアイテム【牛柄下着】を獲得しました』

「…………と、とりあえずさ、性能だけでも見ようよ!」

「そうね……!! そ、そうしましょ!!」


 言えない。これを着用したルシカの姿を少しだけでも想像してしまったなんて、とてもじゃないが言えない。だが、問題なのは性能なんだ。こんなにアレな見た目の装備であっても、性能が良い可能性があるのが困りものなんだ……。


◆◆◆◆◆

【牛柄下着】

 スーパーレアアイテム。女性のみ着用可能。スキル【堅固要塞】が付与されている。

 ステータスの基礎VITが2倍になり、防御スキルの性能が格段に向上する。

 また、着用者の身体的不快感を格段に減少させ、常に清潔を保つ。この下着は、服装に合った形状に変化する。

◆◆◆◆◆


「はい」

「は、はい……!?」


 だってさ、女性のみ着用可能って書いてあるもん。ね、ルシカ!! 着てくれるよな!!


「……き、着たほうが、良いかしら」

「うん」

「…………えっち」

「うん!!」

「もうっ!!」


 そう言いながら、受け取ってくれるルシカの優しさよ……。そしてブラやらスポブラやらを買った意味、さようなら……。そしていらっしゃいませ、むふふな本でしか見たことのない下着!!


「一旦、戻ろっか!!」

「本当にもう!! も~っ!!」

「牛さんみたい」

「ファイアアロー!!」

「うわああああああああああああああ!?」


 当てる気がないってのはわかってるけど、本当に魔法を撃ってくる人がいますかぁ!? ごめん、ごめんって!! 謝るからって!! 本当に悪かったから!!



◆◆◆◆◆



「…………それで、どう?」

「どうしよう!! 想像以上に肌触りも良いし、気になるところが全く無いの!!」

『スーパーレア以上のアイテムには隠し効果もあります。是非、隠し効果についても探してみてください』

「隠し効果!! ルシカ、逆に何か問題があったら言ってくれよな」

「ええ、わかったわ!!」


 着るまではあんなに嫌々してたのに、着用した途端にこれですよ。ニコニコルシカちゃんですよ。本人曰く『揺れない、ズレない、気にならない』の3拍子揃って最高らしい。いや、こっちから見ると結構胸が揺れているように見えているんですが……?

 あれ、もしかしてなんだけど、本人は揺れてないと思ってるのに、他人から見たらゆっさゆっさしてるように見えるのが隠し効果? いやいや、まさかね~……?


「それで、今度はどうする?」

「2階層でサー・ロインと戦ってみない!?」

「ああ、それはいい考えかも! 気になるよな、どのぐらい強くなるのか」

「ええ、気になるわ!!」


 それじゃあ今度は、2階層でサー・ロインと戦ってみるか。1階層のと基本的なことは変わらないだろうが、スキルが増えているパターンもあるからなあ。


『再配置完了、1階層は踏破済みですので、直接2階層へ転移可能です』

「じゃあ、いくぞ!」

「ええ!」


 気を引き締めていこう。1度勝った相手でも、レベルがあがったら強さが格段に上がっている場合だってあるんだ。俺がやっていたレジェンドオブレジェンドだって、そういうことが当然のようにあった。


『チクワンワンワン、ワッ……』

「出落ちご苦労」

『逆襲のちくわんこ、撃破。ボーナス150UMP獲得』


 いつものを片付けたら、問題のやつを……。居ない? 確かに2階層は広いが……。


「きゃああああああ!?」


 奇襲!? くそ、やられた! 奇襲はこっちの特権じゃないっていうのに、警戒はしていたつもりだったんだが!! だが、姿も見えないのにどこから……。


「どこから攻撃された!?」

『重騎士サー・ロインの【ブーメランメイス】【ブーメランシールド】による連続波状攻撃と推測されます。メリューシカは【うどんぶりシールド・スーパー】により、2回のシールド防御が発動しました』

「くぅ~……!! イルジオン!!」


 ブーメランの戻っていく方向……居た、あの曲がり角に隠れて攻撃してきたのか! 騎士の風上にも置けない攻撃方法だなぁ、おい!!


「ブラインド!!」

『ブモッ!?』


 少し顔を覗かせてれば、当てられないことはないんだぜ。既に克己で回復出来ることは知っているが、せめてもの時間稼ぎには使えるだろ? 今のうちに俺は、急いでやつに接近する!!


「このぉおお……!! ファイアアローレイン!!」

『ブンモォォオオォオォオオ!!』


 ファイアアローって連射出来るのねぇ~!? しかもイルジオンと協力しての連射だから、単純に手数が2倍になった面攻撃だ~!! かなり卑怯くさい攻撃だが、お前だって騎士の風上にも置けない卑怯な攻撃を仕掛けてきたんだ。文句は受け付けねえぞ!!


『ブモッ!!』

「ブラインド!!」

『ブモ!? ブモッ!!』

「ブラインドォオオオ!!」

『ブンモォオオオオオオオオ!!』


 ムキになってブラインドを解除しようとするのは、1階層に居たやつと変わらないんだな!! 待てよ? もしかして、強さ自体は下の階層になればなるほど上がるが、モンスター固有の性格は変わらないんじゃないか? だとしたら、背後から斬りつけたら間違いなく反撃をしてくる……。それも変わらないはずだ!


「っしゃぁああああ!!」

『ブ、モォオオオ!!』

「甘い!!」


 こいつ、1階層に居たサー・ロインより、鎧の面積がデカくなってやがる。背中の紐の部分が減ってるから、鎧を解除するのが難しくなってるじゃないか!! だが、ブラインドを解除した時に俺を見失っていて、尚且つ意識外の背後からの攻撃なら、止まっている的を斬りつけるのと同じだ!!


「――――ダブルファイアスパイク!!」

『モ、ォ……ッ!!』

『重騎士サー・ロイン、スキル【根性】の発動を確認。死の淵で留まりました』

「奇襲するような騎士が、根性見せてんじゃねえ!!」

『…………ッ』

 

 首を落とされちゃ、根性もクソもねえだろ!! だから、あえて言ってやるぜ!!


「やったか!!」

『はい、やっております。重騎士サー・ロイン、撃破。完全撃破ボーナス、6000UMP。スーパーレアモンスターの完全撃破ボーナスチェスト、通常のボーナスチェストが出現します』


 このセリフ、本来はやってないフラグなんだけど、逆にやったフラグになりつつあるな……。そうだ、ルシカ!! 攻撃されたんだよな!?


「おっしゃ~!! ルシカ、大丈夫だったか!?」

「ええ、平気よ。さっきの下着のスキルが、もう役に立ってくれたみたい」


 ほっ、良かった……。それにしても、うどんぶりシールド・スーパーか。2回の連続攻撃に耐えたってことは、防御回数が倍になったってことか?


◆◆◆◆◆

【うどんぶりスライムブローチ】

 レアアイテム。スキル【オートどんぶりシールド】が付与されている。【堅固要塞】の効果で能力が向上している。

 3分に1回分チャージされ、身につけた者に降りかかる攻撃をどんぶりシールドが自動で守る。

 3回分までチャージ可能である。

◆◆◆◆◆


「ルシカ! さっきの下着のおかげで、シールドが連続3回まで発生するみたいだ! 3分に1回チャージで、9分で3回分ってことらしい!」

「だから2回とも攻撃を弾いたのね! 凄い親和性だわ……」


 なるほどな。装備の組み合わせによっては、こうやって相乗効果も見込めるってことか……。これに関しては、さすがのスーパーレアと言ったところか。


「じゃあ……ボーナスチェストだな!」

「ええ、今回はどっちも金色よ!?」

「期待しちゃうよなぁ~!!」


 そして今回はどっちも金色のボーナスチェストだ!! これに期待するなって方が無理な話、さてさて? 中身はどうなってるんですか~い!!


「「じゃじゃ~ん!!」」

『スーパーレアアイテム【双剣:和牛刀・闘牛刀】を獲得しました』

『スーパーレアアイテム【長杖:魔牛の杖】を獲得しました』

「おお……。なんか俺、杖が出たぞ! 邪悪なシャーマンが持ってそうな、牛の頭蓋骨っぽいのに角が生えたやつ!」

「私は短剣が2本、対のデザインをしているわ! 綺麗な短剣ね~……短剣にしては長いけど」


 おお、これって牛刀ってやつじゃないか? 鞘も付いてるんだ。へえ~格好いいデザインだなぁ~……。どれ、どっちもアイテムボックスに入れて鑑定してみるか?


◆◆◆◆◆

【双剣:和牛刀・闘牛刀】

 スーパーレアアイテム。スキル【闘志】が付与されている。

 攻撃力が3割増になる。

◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆

【魔牛の杖】

 スーパーレアアイテム。スキル【闘志】が付与されている。

 攻撃力が3割増になる。

◆◆◆◆◆


「「強ぉい……」」


 いやいや、強いなこの武器……。戦闘用麺切り包丁なんて、頑丈であるぐらいしか書いてないのに。シンプルに強いことが書いてありますよ、これ。


「じゃあそっちは俺が……」

「こっちは私が……」


 そうですね、お互いに出したアイテムが逆でしたね。なんかお互いのプレゼントを引き当てたみたいで、ちょっと恥ずかしいな?


「……どうする? このまま、サー・ロインと連戦にする?」

「そうよ! ここまで装備は出たけど、お肉が出てないのよ!!」

「だよな! 肉が出てないんだよな!!」

「やりましょ! 1階層で5回、2階層で5回、3階層で5回! 最後に全部の階層にモンスターを配置して、オールリセットよね!」

「すっげーやる気だ……」

「だってだって、あの牛! 焼けると良い匂いがするんだもの~!!」


 だよなぁ、非常に申し訳ないんだが、サー・ロインは火魔法でダメージを受けると、凄く良い匂いがするんだよな。高級な焼肉用の牛肉を焼いた時みたいな?


「「……肉!!」」


 よし、ルシカと意気投合したところで……。サー・ロイン、肉が出るまでやめられない周回! 開始しまーす!!



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もはや敵を食材としてしか見てなくて草なのじゃ(*´ω`*) 犬人さん自分は卑怯とは言うまいな!ネタかましておいて 牛さんに卑怯とか騎士じゃねぇとか言っててじわるwww にくおとせーヾ(´ω`)ノ ル…
牛「ブライド強すぎナーフしろ」 腹ぺこバーサーカー×2「うるせぇはよ肉落とせ」 牛柄ビキニは少し味方への攻撃じゃない? ルシカちゃんが後衛で良かったね…
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