通り道
とおりみち
僕が生きた道は
正解だったと
無理にでも思いたかったんだ。
いろんな季節が過ぎた
いろんな風が通り抜けた
後悔を思い返せばきりがないくらいだ
僕が無駄にした一瞬は
君を強くしたじかんだった
僕が途方に暮れた瞬間は
君が汗を流した一時だった
なにもない
なにもない
僕だけの四角形の部屋
鋭い垂直のかどは
酸っぱい水の溜まった瞳を誘う
早くこぼれろ
あふれた後に、なにもない今を笑う
その瞬間が愛おしいかのように
僕の心臓は反応する
どくん
どくん…
そっと、そっと
音が小さく、消えてしまうんじゃないかって思うくらいに
静かになるんだ
そのまま消えちゃっても構わないのに
僕の居場所
僕にはここしかないって知っていたくせに
捨てちゃったんだ
そこに愛があったから?
それは欲をもったから?
夢は僕の居場所を示してた
そんなの崩してみなきゃわからない
僕が馬鹿なのか
僕の
胸の奥、ずっと奥の方にある感情を
侵食したのは
夢か、愛か
欲なのか。
痛イヨ
僕の居場所は針だらけ
差し伸ばされた君の手さえも
痛々しい程の赤に染まって
敵にさえみえた
それでも
暗闇に肥えた黒い眼にうつったものは
小さいけれど
僕を許す光
やっぱりそれは
憎たらしい程に優しい君の手
欲張りな僕の胸のずっと底
悲しくても君の手を握ってしまうんだ
君の光とはなんなんだろう
僕の生きた道に
正解なんてひとつもなかった
最善をさがす僕は
美しくも卑怯な沼に足を竦める
君がいた回り道は
遠回りだけど涙と同じくらいに
笑顔もこぼれた
正解じゃなくていいんだ
最善なんて、本当は誰も知らない
編集のきかない僕等のじかんは
削除したいデータばかりの記憶
それでも
出会ったり
話したり
愛したり
積み重ねたり、生きていく事で
方向転換はいくらでもきく
一本にみえてた僕の生きる道は
可能性の数だけ
十にも百にも、
無数にのびていた
僕の生きる道に
地図なんてなかった
だけど、君が光でいてくれるなら
これから先
なにが起こるかわからないこの迷路も
進んでいけるような
そんな気がしたんだ。




