表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

6th TARGET

【朽ちぬ亡霊】




俺が構えると同時に、やつの姿はそこにはなかった。

俺が身を引こうとした時には、既にやつは俺との距離を人1人分もない間合いへと詰め、そのまま腹部へと両拳で攻撃をされ森の方へと飛ぶ。

バキッ!ボキッ!ズシィン!

大きな音をたてながら、かなりの距離を飛ばされる。

「強い……。」

過去に戦った相手なんて比にならない強さがそこにはあった。

さらに、まるで意思がない。

対象を殺すための動きを正確に無駄なくこなしている。

今の衝撃は普通の人間ならまず死んでいただろう。

だが俺は殺せない、ファントム……お前の行動は早く的確に殺すための行動だ。

意思なき攻撃はよみやすい。

確かに強いがそれはあくまで強いだけだ。

俺は倒せない、殺せない。

「シュシュ……シュ、シュゴゴ、ゴゴゴ。」

俺はやつに向かって、両腕を刃にして伸ばす。

何度か切り裂いた時にふと気がつく。

こいつ、軽い……。

驚く程に軽いのだ。

まるでそこに実体がない(・・・・・・・・)ようだった。

さらに言えば傷の再生速度もかなりはやい。

傷を入れると同時に傷が治る、そんな再生速度だ。

出血の様子もなし……か。

なら、全身に攻撃を仕掛けるのみだ。

「終わった……はずだ。」

俺は全身に刺した腕の刃を抜き、確認をする。

「シュゴゴ、シュ……シュシュ、シュゴゴゴゴ。」

「っ!?なぜだ。なぜ死なない……。」

答えるはずもない……か。

だがこのままでは埒が明かない。

何か、何かやつを倒す策がないのか。

「どうしたんだ?ローニ!……と、はじめましてが2人……いや、1人、か。」

いつから背後にいたんだ、こいつ。

それに角が生えているが、こいつも獣人なのか?

「これがファントムか……初めて見た。ちょっとそこの人、下がってて。それは……俺が片付ける!」

そいつはファントムの腕を掴み森へと投げ込む。

それから両手に武器を短剣を生成し、両腕を切り落とす。

無駄だ、そいつの再生速度を知らないんだな。

そこで起きたのは例外の事態、なんと再生しないのだ。

あれだけ攻撃をしても再生した体が再生しない、どういうことだ。

「そこのあんた、さっきまで戦ってたんだよな。こいつと……ファントムとさ。」

「あぁ、そうだが。」

「そりゃ相性が悪い。……いいや、むしろこいつを殺せるのは俺だけだよ(・・・・・)。これは強さじゃなく相性だ。」

目を離すと同時に動きが大きく変わった。

これは……不規則な動きだ。

やつは自分で考えて動くようになったのか。

これは流石にまずい、いくら相性がいいとはいっても相手の方が一枚上手だ。

だが、おかしな光景とは連続するようだ。

俺の前に現れた角の生えた男は、畏怖どころか喜んでいるような笑顔だ。

だが、あまり好き勝手されるのは好きではない。

「俺も参加させてもらうぞ。」

「おっ、助かる!」

「何がそんなに嬉しい。」

こいつは明らかに嬉しがっている、この悪夢のような状況を。

「そんなん、チャナカドゥともう一度戦える。それで俺がどれだけパワーアップ出来てるかもわかる。これは……楽しくなるぜ。」

もう一度……だと?

チャナカドゥとは元英雄でそれを倒したのは今の英雄ただ1人。

「お前……名前は?」

「え?俺か?」

こいつは間違いなく……そう、間違いなく。


「俺はシズキ……いいや、雫鬼(シズキ)だ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ