↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男性向け恋愛ゲームのヒロインの姉に転生したので、妹もゲーム主人公も幸せにします  作者: 駒うさすず
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/54

15話 球技大会とオムライス

 今日は球技大会本選。各学年の上位3クラスで学年を超えて戦うのだ。


 昨日と同じように説明を聞いたあと、私はテニスコートに向かう。


 翔馬や千賀屋君、麻菜ちゃんもいる。

 私は最初のダブルスの試合で、麻菜ちゃんのいる一年三組と当たる。

 咲愛はサッカーの記録係だと言っていたので、ここにはいない。


「鈴白先輩だ」「部活の先輩を泣かせたって聞いたよ」「鈴白さんのお姉さんだよね? 怖い人なのかな」

「レン先輩はいい人だよ、泣かせたっていうのも、去年一年生で優勝したから、三年生が悔しがっただけって聞いたし」

 麻菜ちゃんがフォローしてくれている。


「麻菜ちゃん。おはよう」

「あ、レン先輩おはようございます! ……じゃない! 今日の先輩はライバルですよ! 対戦よろしくお願いします!」

 礼儀正しくライバル宣言。

「よろしくね」


「鈴白先輩。おはようございます。今日も美しいですね」

「おはよう千賀屋君。その言葉は、ジャージ姿じゃない時に言って欲しいかな」

「はい! 先輩が望むなら」

 今日も千賀屋君は通常運転だ。


 そしてそんな千賀屋君の後ろで、翔馬がラケットを憎らしそうにブンブン振り回している。

 あれは、素振りしているつもりなのかしら。

 学校の備品だから、もう少し丁寧に扱って欲しい。


 皆それぞれのコートに入って試合開始だ。

 昨日と同じペアなので、緊張することもない。

 麻菜ちゃんは慣れた様子でサーブする。テニスはやったことないと言っていたけれど、姿が堂に入っている。

 ペアの子が難なく打ち返す。さらに麻菜ちゃんが追いついて打ち返した。球の速度が結構速い。

 なんとか追いついて、相手のコート際を狙って打ち返す。

 麻菜ちゃんのペアの子の近くでボールが跳ねる。相手は追いつけない。

 よし、まず一ポイント先取!

 その後も何度か打ち合い、麻菜ちゃんも一ポイントを入れたものの、私たちが優勢なまま試合は終わった。


「ありがとうございました! ……レン先輩、強かったですー!」

「先輩だから、ちょっといいところ見せたいじゃない。麻菜ちゃんもすごく強かったわ」

「ちょっとどころじゃないですよ! あたしたちの分も勝ってくださいね!」

「三年生もいるから、難しいかもしれないけど、がんばるわね」


「や、やっぱり勝ち上がってきた……もうだめよ……」「バカ! 弱気になってどうするの!」

「去年の先輩の雪辱を私たちが果たすんだから!」「先輩、見ててください、私たち、やってみせます!」

 周りのクラスでは、強敵に立ち向かう戦士のような会話が繰り広げられている。


 離れたテニスコートから女子の歓声が聞こえた。

 見ると、やっぱり千賀屋君だ。予選で負けたクラスがあるからか、昨日より観客が増えている。

 翔馬は面白くなさそうだが、昨日より元気そうだ。

 あ、こっち見た。

 私の姿を見た翔馬は顔をしかめると「あっちいけ」というように手でしっしっと払ってくる。


 ……昨日サッカーは見なくていいと言っていたけど、絶対後で見に行ってやるんだから。


 翔馬たち一年一組の相手は三年生のクラスだったが、勝ったらしい。

 負けた三年生が慰め合っていた。


「男子には鈴白がいないからいけると思ったのに……!」

 男子の間にも私の噂、広がっているの……?


「でもあいつらチーム内仲悪そうだぞ」「そんなやつらに負けたほうが屈辱だろうが!」「確かにな……」

 またあの二人かな。


「鈴白さん、次シングルスの試合だよ!」

「わかった」

 私は慌ててシングルスのコートに向かって移動した。



 一年生との試合を終えた私は、翔馬のサッカーを見に、急いでグラウンドに向かっていた。

 サッカーの試合は、テニスとずれているはずだから、試合が終わる前に間に合うはず……!

 グラウンドで翔馬の姿を探す……いた!

 パスを回した翔馬は、一度下がり、クラスメイトと声を掛け合っている。

 原作ゲームだと二年生の翔馬はクラスメイトとうまく連携をとれない描写だったのに。

 回したパスが戻ってきて、シュートするが、外れる。

 それをうまくクラスメイトが取り、シュートを決めた。

 やった! すごいすごい!

 得点と同時に試合終了。得点のボードを見ると、翔馬たち一年一組の勝利だ。


 翔馬はクラスメイトと顔を合わせて拳を突き上げた。


「よっしゃあ!」

 普段家では見ない、満面の笑顔で叫ぶ翔馬。並んで礼をしたあと、クラスメイトとハイタッチをしながら戻ってくる。


「翔馬ー! おめでとうー!」

 手を大きく振りながら叫ぶと翔馬がこちらに気づいた。

 近くのクラスメイトたちが「おい雨坂あれって」「鈴白先輩だ!」と言っているのが聞こえる。

 翔馬は驚いた顔をしたあと、そっぽを向く。

 何で。


「ちょっと翔馬ー!」


 聞こえなかったのかともう一度呼ぶと、翔馬がこちらを向いて口だけ動かした。

 なになに。


 か・え・れ。


 ……ふうん。


「翔馬ー! 今日はお祝いに、オムライスに旗、立ててあげるねー!」

 すぐに踵を返す。


 後ろから「ばっ、そんなこと、したことないだろ!」という翔馬の声と「なに雨坂、オムライスに旗立てたりしてんの?」という来見君の声が聞こえた気がするけど。

 私は次の試合に出るから、急いで戻らないといけないのよね。

 いやー仕方ない仕方ない。


 その後も私は対戦相手の三年生たちから「最後の球技大会、負けられない!」「去年の二の舞にはならないわよ!」などと一方的に言われ、こちらが勝てば負けた甲子園球児並みのドラマを見せられ……。

 そして全ての競技が終わり、あとは閉会式を待つだけとなった。


 一位は全て三年生、二位以下には二年生もちらほらいる。

 私の二年一組は、女子のテニスシングルスで三位、女子ダブルスで二位。

 翔馬と千賀屋君、来見君の一年一組はテニスシングル男子とサッカーで三位。

 咲愛と麻菜ちゃんの一年三組は女子バレーで三位。

 一年生がかなり健闘したと思う。


 何より、

「やった……! 鈴白に勝った……!」「もう思い残すことはない……」「先輩、見てますか。私たち、やりましたよ……!」

 三年生の先輩たちにいい思い出が残ったので、良かったことにしておこう。


 帰り道、翔馬が「オムライスに旗なんか立ってたことないのに」とずっとぶつぶつ言っているのを、咲愛が不思議そうに見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。