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いざ本番

【結婚式】

受付で立っているのは。

鈴の職場の友人たちらしい。

今頃、鈴は挙式の最中の時間かな。

今日は和馬さんとは別行動。

姿を探すけど見えない。

そう言えば、当日しか会えない人もいるから。

直前でリハすると言っていたことを思い出す。

リハ見たいかもと思ったけど我慢。

私が行くと、友達も一緒に来そうだからやめておく。

テーブルには、高校時代の友人は私を含めて3人。

あと、何人かは二次会参加らしい。

あとは、受け付けに居た人たちが同じテーブル。

あ、戻ってきたということはそろそろ始まる。

鈴たち、最初は白無垢姿で登場。

直人さんの仕事場の人がスピーチをしている。

和馬さんは動画を撮っている。

隣の友達と競うように。

グループチャットに写真を投下。

既読は見ない。

それは後のお楽しみ。


【余興開始】

鈴がお色直しのために居なくなる。

ここが一番長い時間。

そして、余興と呼べる最初の時間でもある。

動画の何処を残すかで。

初めて和馬さんと言い合いになった。

直人さんを優先したい和馬さんと。

鈴を優先したい私。

解決するまでにノートは2冊目を使い切った。

だから、ドキドキする。

司会者からの合図。

直人さんが立ち上がる。

隣の友達が私を突く。

「聞いてないよ?」

それも当然。

演出までは、皆に伝えてない。

「鈴が欲しければ、試練を乗り越えてみせよ」

マイクから聞こえるのは、鈴のお父さんの声。

「いいでしょう」

マイクを持った直人さん、力強く言い切る。

流れ出す映像。

最初に映ったのは、鈴の幼稚園の頃の集合写真。

「うちの鈴が見つけられるか?」

お父さんの問い。

思った以上に、直人さんあっさり見つけた。

悔しそうな、嬉しそうなお父さん。

次は、小学校、中学校と続く。

中学校になると、隣の友達が自分を見つけている。

「仕方ない、次だ」

お父さん、お兄さんにバトンタッチ。

「まずは、鈴のことが本当に好きか。

検証動画を用意した」

私と和馬さんで作った、質問動画が流れる。

「皆に聞きたい」

普段のおちゃらけた感じとは違う真剣な声。

「鈴を託して良いと思う人は拍手をして欲しい」

言いながら、お兄さんが一番に拍手をしている。

そして。

「おいで、鈴」

マイク越しに直人さんが呼び掛ける。

すると、スポットライトが一つの扉へ。

ゆっくりと扉があき、お父さん一緒に鈴が現れる。

拍手とフラッシュの間をくぐりながら。

2人は直人さんの元へ。

そして、直人さん。鈴をお姫様抱っこした!?

隣にいる友達と、わーわーしか出てこない。

鈴が2人で筋トレしているとは聞いたけど。

このためだったのね。

鈴を危なげなく抱っこしたまま、席に戻る直人さん。

イタズラが成功した顔をする鈴。

だから、こっちもお返し。

「篠原さん、おめでとう」

最初は先生の声から始まる。

案の定、鈴が辺りを見回している。

それを待っていたように映像が始まる。

みんなの想いが鈴に届きますように。


【スピーチ】

動画の間に、鞄から手紙を取り出す。

次は私の番。

緊張する。

でも、いざとなったら和馬さんを見たらいい。

名前を呼ばれる。

友人代表なんて、本当は照れ臭い。

でも、鈴に頼まれたから。

会場を見回す。

私たちの席とは反対の端っこ。

和馬さんと目が合った。

改めて鈴たちを見る。

鈴、まだ混乱しているみたい。

そんなに泣いたら。

せっかくのお化粧取れちゃうよ?

軽く深呼吸。

今の私なら出来る。

「直人さん、鈴。今日はおめでとう。

そして、その二人を祝ってくれる皆さんも。

同じ気持ちのことと思います。

さて、今回二人が結婚すると言うので。

学生時代の皆に鈴のことを聞いてみました。

先程の動画の中にも答えは幾つか出てると思います」

手紙は開けない。

大丈夫、まだいける。

「その中で不思議な話もあったんです。縁結び…と」

友達を見る。

友達は大きく頷いた。

「私も不思議だったので、調べてみました。」

先程までとは打って変わって。

会場は静けさが漂う。

「鈴がきっかけで付き合うようになった子」

愚痴の多かったあの子のこと。

「その子は、今二人の子供のお母さんです」

そして、動画にも映っていない子の話。

きちんと確認したから間違いない。

「別の子は、鈴が背中を押してくれた事で。

「この前無事試験に合格し。

夢を掴みかけているそうです」

そして、外せない自分のこと。

「私も、鈴が居たから。

今幸せと胸を張って言えます」

まだ、泣いちゃダメ。

「そんな幸せを周りにもたらす鈴が選んだ人。

鈴にとって直人さんは、土砂降りの中で。

一緒に雨宿りしてくれる人、らしいですよ?」

ほんの少しの暴露。

和馬さんは、動画に残したかったみたいだけど。

話し合った結果、私が言うことにした。

「だから、二人ならどんな困難な事があっても。

二人で乗り越えて幸せになるって信じています」

言えた。なんとか言えた。

手紙を書いた内容はもっと長い。

でも、時間が押しているからと言い訳。

でも、精一杯気持ちは込めた。

ハンカチで目を押さえる。

お辞儀をして、席に戻る。

「花音、良かったよ!」

席に着くと、友達の声。

和馬さんの方を見る。

大きく頷いてくれた。

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