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表現の違い

【苦手なもの】

「私ね、実は片付けが苦手だったの」

茜さん、そんな感じには見えない。

鈴も首を傾げているから、たぶん今は違うみたい。

「ずっと一人暮らしには憧れていたのよ。

だけど、実際は大変。

ご飯を作るのも、片付けるのも、全部1人。

バイトを始めて、ご飯はなんとかなったけど。

勉強に、バイトにと忙しくしていたから余計」

私は一人暮らししたことない。

だから、大変さはわからない。

「晃って、あんな感じでしょう?

男女問わず友達は多くて、交友関係広かったのよ」

さっきの話とは結びつかないけど。

たぶん、大事なのはここから。

「ある日、とうとう、家に入ろうとしたら。

家に入れなくなっていたのよ」

どういうこと?

「私、ゴミすら捨て方がわからなくて。

捨ててなかったのよ。だから溜まりっぱなし」

茜さん、軽く言っているけど。

そこ、笑うところじゃないと思うよ?

「困って友達に連絡するけど。

誰も助けてくれなくて。

困り果てて最後に連絡したのが晃。

あの時は、軽い男くらいにしか思って無くて。

でも、世話焼きなのは知っていたからさ。

何かいい案あるかも?くらいの気持ちで」

で、どうしたんだろ?

「晃はすぐ来てくれたのよ。

ただ、その時直人くんと和馬くん連れてきてさ。

何考えてんのこの人とは思ったけど。

あの時、相当おかしかったのね。

上がれるもんならどうぞとご招待したのよ」

いや、入れないから呼んだんだよね。

よっぽどヤケになっていたんだろうな。

「玄関開けたら、3人で相談始めたの。

これは引かれたな。

帰るとか言われるんだろな。

これでダメなら親呼ぶしかないな。

なのに、晃ったら笑って言ったの。

ゴミは俺たちで引き受ける。

それぞれきちんと分けて。

ゴミを捨てればなんとかなる算段。

それまでは、晃の部屋に置くって

自転車で往復すれば持っていけるって」

大丈夫なのそれ?

「自分は、和馬の家に泊まる。

早くしないと終わらないから。

さっさとやろうって」

家に入れないほどのごみの量。

考えただけでも嫌になる。

「そこからはひたすら仕分けよ。

途中で、晃は警察に職務質問されるし」

よっぽど怪しい人に見えたんだろうなあ。

「終わった後、お礼にご飯を奢ったのよ。

その時、晃に次からゴミの日に連絡するよ。

そう言われたから、流石に返事しなかったら。

じゃあ、晃が取りに行くって和馬くん言い出すし。

お陰で嫌でもゴミは捨てるようになったわよ。

そうこうしているうちに。

自然と片付けも出来るようになっていたって訳」

そういう繋がり方ってあるんだね。

「お兄ちゃんからの連絡。嫌じゃ無かった?」

鈴は、妹として気になるらしい。

「最初はね、反発の方が強かったわよ。

で、そのうち困ったら頼るようになっていて。

気づいたら夫婦よ」

間、ずいぶん端折っていません?

でも、茜さんの表情を見ていると。

最初から嫌じゃ無かったみたい。


【愛情表現】

和馬さんに会いたい。

声だけでも聞きたいかも。

そう思って、和馬さんへの連絡は引き受ける。

家に戻って即連絡。

すぐに出てくれた。

茜さんからの頼まれごとを説明する。

「晃と相談してみる。

その話の内容から考えたら。

たぶん花音と2人でやることになると思う」

茜さん、そのつもりで私に話を振った?

「それより、大学時代の話聞いた」

鈴は直人さんのことがすぐわかった。

でも、私は理解出来ない話も多い。

それが、なんだか悔しい。

「何もないはずだけど」

聞いた話、結構衝撃的だったよ。

「源氏物語、翻訳って何」

まず、聞きやすい話から。

「あれは、なりゆきというか。

晃がやるならハーレム物とか言い出して。

直人も女の子にモテる秘訣を探すと」

たぶん、内容は間違っていない。

いや、合っているの?

というか、そんな動機で良いの?

「和馬さんは理由なかったの?」

和馬さん笑った?

こっちは真剣なんですけど。

「同じ日本語の好きでも。

英語だとloveとlikeがあるよね」

そのくらいは知っている。

愛情の深さの違い。

好きと愛しているみたいな。

「それと同じで表現の違いを知りたいと。

花音?」

あれ、好きはこっちが想うで。

愛しているは守りたい時に?

「好きと愛しているの違いって何?

いや、恋と愛の違い?」

考えごとに夢中で、返事間違えたかも。

「恋情と愛情の違い?」

ん?聞き慣れない言葉が出てきた。

「れんじょうって何?」

会話が噛み合ってない気がする。

「異性を恋慕う気持ちのこと」

というか、真面目にする話だっけ?

混乱してきた。

「要するに、僕が花音に向ける感情のこと」

だから、笑わないで。

「和馬さん。思い出した!

恋は燃えるもの、愛は守るもの。

恋愛はするもの、結婚は続けるもの」

悔しくて答え思い出したよ。

ついでに、召喚の儀式もきっと。

何かの違いを計算していたと理解できた。

「いいね、それ」

和馬さん、何の話?

「結婚のフレーズに使えるね」

結婚のフレーズ?

結婚のプロポーズ?

「結婚って誰の?」

言ってから思い出した。

「鈴の結婚式ね。使えるね」

だから、和馬さん笑わないで。

「他にも愛情表現の違いの話、する?」

いや、もうお腹いっぱいです。

「違わないからもういい」

切ってから気づいた。

やっぱり答え間違えた。

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