番外編3 クレバスは見えるが、見えたから安全ではない
クレバスの説明も読んだ。
場所は固定。
最初から見えているものもあれば、雪の下に隠れているものもある。
隠れているものは探索で発見可能。
つまり、クレバスもただの理不尽ではない。
見ればわかる。
探せばわかる。
わからず踏めば死ぬ。
このゲーム、すべての危険が同じ顔をしている。
ネルソンが三段跳びで越えたクレバスは、見えているタイプだったらしい。
見えているから安全、ではない。
見えているのに跳んだ。
やっぱりおかしい。
視認できる危険に対して、人間は普通、迂回する。ロープを使う。橋を探す。あるいは撤退する。
ネルソンは、見た上で跳んだ。
目がいいのに判断がおかしいのか、判断がおかしく見えるくらい身体能力が高いのか、もう区別がつかない。
難易度ハイキングでは、かなり救済されている。
落下一歩手前のぎりぎりで雪が崩れ、クレバスが先に見える。
そこで踏みとどまればセーフ。
つまり、危険の正体を見せてくれる。
「ここは落ちますよ」と、山が少しだけカーテンをめくってくれる。
落ちた場合は、確定即死のものと、ダメージ判定のみのものがある。
ダメージ判定のものでは、落下前の地点にリスポーンして登山ルートに復帰できる。
現実では絶対にありえない優しさだ。
クレバスに落ちて「さっきの場所に戻しておきますね」は、山ではなく神の仕事である。
ただし、難易度ネルソン以外なら、三段跳びのようなアクションに頼らずとも慎重に回避できるようになっている。
ハイキングでは三段跳び自体が未解禁。
正しい。
初心者にネルソンの真似をさせるな。
というか、上級者にもさせるな。
あれは攻略テクニックではなく、歴史上の異常値だ。




