9、エピローグ。人生、知らないでいい事ってあるよね
いつも読みに来て下さってありがとうございますですv
…こんな莫迦話に、最後までお付き合いくださるアナタは神ですか?
「それで。リリィディア。これは、お前がやったのか?」
その声を掛けた相手にくるりと身体を向けて、カーテシーを取る。
「さすがですわ、おとうさま。勿論、わたくしです。えぇ、わたくしですとも。わたくし以外の誰にこのようなことができましょうか」
敬愛するおとうさまへ極上の笑顔でわたくしはそう告げる。
そんなわたくしに、おとうさまは困ったような顔で笑って言った。
「無茶をする。それほどまでに、あんな男が気に入ったのか?」
「気に入るとか気に入らないとかではありません。わたくしが、あれのものなのです」
あの日。あれの身体から流れ出た、まだ温かな赤い血が、わたくしの顔を身体を魂を染め、まったくの別物へと作り変えた。
命を失いつつあり乍らも、最後の最後まで、わたくしを守ろうと、一つのことしかできない虫けらの様に、地べたに這いつくばるように無様な姿を晒し、必死になってその腕の中に囲い込もうと盾になって死んでいった、あれ。
まぁ、その甲斐もなく、わたくしも一緒に殺されてしまうのですが。
その役立たずっぷりも、報われない不憫さすらも、愛おしい。
時を費やし、世界を超え、次元を超え。ようやくあれの思いが一番残るこの世界であの魂を見つけたと思ったら、この世界のわたくしとは相容れない立場にいたのだ。
「それでも、どれだけわたくしが望もうとも、あれがあの国の王子のままであったら、ここへ連れてくる訳には参りませんでしょう? ですからわたくし、これでも懸命に考えたのですよ? でも、上手くいってなによりでした」
前世を取り戻したことで楔を掛けられていないわたくしが浮かび上がったあの日から。
懸命に、考えたのだ。
どんなにわたくしが番にと望もうとも、おかあさまとおとうさまをあのような目に合わせた国の王太子との婚姻など認められる筈がない。
そう考えたわたくしがとった行動。
それがあの幻術魔法の裏側で、ユリオとわたくしの魂を半分入れ替えることだった。
なにより、全部交換してしまう訳にはいかなかった。
それではユリオのすべてを把握することが出来なくなる。
離れていても、そのすべてがわたくしの掌の上にあるように。
わたくしの掌の上で転がり、笑って、泣いて、後悔して、悔しがる姿を余すところなく堪能するためにはどうしても必要な事だった。
「でも、あれが望むからおとうさまはおかあさまを取り戻せたのです。感謝してあげてくださいましね?」
わたくしが告げた言葉に、おとうさまは「なんと冷たい娘か」とひとしきり苦笑した後、「わかった」と、そう頷いてくれた。
これにて(一応)本編は完結ですv
お付き合いありがとうございました♪
おまけの続きをお楽しみください(単なる新婚さん話w




