第十九話〜第二十一話
第十九話 教会
街を調べていると、大きな建物があった。
人がたくさん出入りしている。
壁には、見たことのない印がある。
スライムたちは近づいた。
教会。
中では、人間が何かを祈っている。
スライムたちは物陰から眺めた。
不思議だった。
祈る。
何に?
しばらく見ていると…
スライムたちの体に、
何かが流れ込んできた。
暖かい。
小さい。
けれど、確かに力がある。
何だ、これ?
スライムたちには分からない。
ただ、体にごくわずかな力が流れ込んでいる。
教会の中で、人間が祈るたびに。
少しずつ。
本当に少しずつ。
けれど、その理由は分からない。
当然だった。
スライムたちは知らない。
あの日、食べたものが何だったのか。
ただの白くて小さい欠片。
それが、
神の爪だったなど、
知る由もない。
第二十話 聖水
教会の中にタライがあった。
その中に水が入っている。
人間たちは、
その水を手に取り、
おでこにつけている。
それを見たスライムは、
人間がいなくなってから、
その水を飲んでみた。
何やら不思議な力が湧いてくる。
その水の正体は聖水。
本来、
魔物にとっては苦手なものだが、
神の爪の影響を受けたスライムたちは、
大好きになった。
第二十一話 街の外へ
スライムたちは、強くなった。
毒に適応した。
牛乳を食べて、生命力も増えた。
聖水を飲んで不思議な力もついた。
そして、たくさんの経験を共有している。
もう、昔のスライムたちとは違う。
スライムたちは街の外を見た。
知らない森。
知らない草原。
知らない山。
あそこにも食べ物がある。
そして、スライムもいるかもしれない。
スライムたちは少しずつ街の外へ出ていった。
森へ。
草原へ。
街道の先へ。
今までなら怖くて近づかなかった場所にも
進んでいく。
そして、見つけた情報を持ち帰る。
スライムたちは思った。
もっと遠くへ行ける。
この世界は…
思っていたより、ずっと広い。
つづく




