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禍津鰐《メガロドン》──深層の目覚め  作者: 麦野ライト
第3章 深層の覚醒

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第7話 政府会議⑥──鬼毒

政府で作戦を詰めた時についた作戦名は“シンベン キドクシュ作戦”。

漢字だと、“神便鬼毒酒”です。

議長:「これより、シンベン キドクシュ作戦を開始する」


海保:「無人艇、移動しながらノイズと音と振動による誘引を開始しろ」


無人艇操縦者:『了解しました。

移動を再開し、ノイズ発生装置を起動します』


議長:「承知した。

輸送機はどうだ」


輸送機:『こちら C-2輸送機一番機。

浜松基地滑走路上にて待機中。

エンジン始動──


各計器、異常なし。

指示入り次第、即時離陸可能』


議長:「承知した。

禍津鰐は推定経路よりも、理想に近い進路を辿っている。

いつでも離陸出来るようにしてくれ」


輸送機:『C2了解。

離陸指示を待つ』


議長:「ドローンはどうだ」


碧:「3機のドローン映像を衛星へ統合しました」


山崎:「統合済み3機を残し、警察への情報提供を完了しました。

警察へ、対処を急いでもらえるよう連絡をお願いします」


議長:「承知した」


議長は男性秘書に合図を出し、男性秘書はお辞儀をして退出した。


安積:「共有して頂きいた情報から、各サイト運営へ通報し、データ統合済み3機を除く配信者への勧告を依頼しました」


海自:「禍津鰐、無人艇方向へ進路を修正。

囮にかかりました。

位置は誘引開始位置、許容範囲内」


碧:「無人艇の推奨速度・推定到着時間・輸送機の離陸時刻を画面へ表示します」


輸送機:『C2了解。

14分後に離陸する』


海保:「操縦者のモニターへ、進路を表示出来ますか?」


山崎:「まずは全体のMAPに航路を表示します。

無人艇のカメラ映像へはおってナビゲーションと推奨速度、現在速度を追加します」


海保:「頼む」





山崎:「MAPへ航路・推奨速度・現在速度を表示しました」


海保:「確認した。

続いてカメラ画像へのナビゲーションも頼む」




山崎:「無人艇カメラへのナビゲーション・推奨速度・現在速度を追加しました」


海保:「了解した。

無人艇、カメラのナビゲーションに従い、運航しろ」


無人艇操縦者:『了解。

速度、方角、ナビゲーション通りです』


海自:「禍津鰐の想定速度に誤差あり。

輸送機、到着時間を50秒遅らせろ」


輸送機:『C2、50秒の遅延了解。

到着時刻を調整する』




無人艇操縦者:『作戦海域到着。

禍津鰐との距離、適正範囲内。

ノイズ発生装置──起動。


後方カメラより、禍津鰐の群れの散開を確認した』


モニターに映し出された、無人艇後方カメラの映像とドローンの空撮映像に大きな白波と、暴れ狂う複数の禍津鰐の映像に、会議室から感嘆の声が漏れる。


輸送機:『こちらC2。

これから鬼達に酒を振る舞う。

参型投下』


禍津鰐の数を超える25基の“桃”参型【祓】が、ドローンよりもさらに上空から拡散投下される。


その途中── 1機のドローンの映像が、激しい衝撃とともに途絶えた。


残り2機の映像から、“桃”の投下完了と、ドローン1機の墜落が確認された。


輸送機:『C2、これより帰投する』


無人艇操縦者:『無人艇もこのまま由比港へ入港する』


議長:「承知した。

ここから先はこちらで確認する」



投下から約1分後、1基の“桃”参型【祓】の正常な動作が確認され、そこから連鎖するように次々とスパイクの動作信号が緑色で点き、正常に動作したことを表示していく。



最初の動作信号から約3分後、バルーン展開の信号か点灯し始め、まばらに連鎖していく。


碧:「“桃”参型【祓】作動率88%。

……22基しか作動していません」


議長:「やはり、やつがいるのか」


稲垣:「ノイズ発生装置を学習した個体──“黒影”だろうな」

シンベンキドクシュ作戦の由来は、鬼の頭領である酒呑童子討伐のために八幡大菩薩から与えられた"神便鬼毒酒"という毒酒を鬼達に振る舞い、弱らせて首を落としたという伝説に由来します。

眠らせて封印という作戦と少しズレますが、複数の鬼に飲ませたという構造が作戦と重なるため、この名を採用しました。

※酒呑童子だけに飲ませたとする伝承もあります。

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