表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禍津鰐《メガロドン》──深層の目覚め  作者: 麦野ライト
第1章 深層の目覚め

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/39

第19.5話 稲垣(SIDE-I)

SIDE-I = 稲垣視点です。

フェリーから海へ飛び込んで、泳いで小型艇にしがみ付く所からです。


普段主人公を俯瞰する視点(TPS視点)をイメージしている為心理描写を極力避けていますが、今回はFPS視点で、稲垣の心理も入れていきます。

教授が意図を察してくれたんだろう。

飛び込んですぐに小型艇が近くに寄って来た。

それに片腕をかけていると、フェリーから叫んでいる声が微かに聞こえる。


「稲垣さん、乗り込みました!」


(はえ)ーよ。)


両手でしがみつきながら一人、苦笑いをする。

よじ登ろうとしていると、小型艇の無線から教授の声が流れる。


『こちらフェリーだ。山崎くん無事か?』


『大丈夫です。今、“黒影”が何かに反応して、上へ逸れました』


『そうか。稲垣くんが飛び込んだ音に反応したのかもしれないな。今、周囲に黒影は見えるかい』


(危ねーのは俺じゃねーか)


元々急いではいたが、慌ててよじ登る。

小型艇の上は“黒影”を麻痺させた時に浴びた波と水飛沫で水が溜まり、木片やゴミが浮いている。


(これが原因か)


電磁ノイズ発生装置の操作BOXに駆け寄ろうとすると、再び無線から山崎の声が聞こえる。


『こちらの視界には見えません。

教授、上の2隻の駆動とノイズを切る事は出来ますか?』


ソナーをチラリと見ると巨大な反応が下の方から(のぼ)って来ながら、少しずつ真上に角度を変えているのが見える。

一度潜水艇を襲った後、遠回りして向きを変えて来て、今はここか電磁ノイズを目指しているんだろう。

一瞬躊躇(ちゅうちょ)するが、無線のマイクを手に取る。


「こちら小型艇だ。お前の合図でいつでも切るぞ』


『…フェリーだ。こちらも…いつでも可能だ』


議長が少し躊躇(ためら)いを見せながらも応答している。


(竹鶴のオッサンも、さすがに躊躇(ためら)うか。まあでも、狙われてる俺が了解したんじゃ、却下もしにくいか)


ソナーに映る“黒影”は、電磁ノイズ発生装置か小型艇か、そのどちらかを狙っているのは明らかだ。

エンジンはともかく、電磁ノイズを切ってしまえば防御を失う事になる。


『ソナーで”黒影“は見えますか?』


『…電磁ノイズ発生装置の直下に来ている』


『ノイズと動力を切って下さい。ドローンはノイズ最大で行きます』


「了解だ」


『承知した』


お守り程度のつもりで、電磁ノイズよりも先に小型艇のエンジンを切る。

続いて電磁ノイズも切ろうとすると、電磁ノイズの信号が消える。


(…喰われたな)


「切ったぞ!」


『フェリーも完了した』


『…“IZANAMI”、行きます』


(ガンダムのつもりかよ。確かにあのペンギンをセットしてた所、前に2本出ててホワイトベースのカタパルトに見えなくもないな)


苦笑いをしながら、積み込ませていた睡眠薬のセットされた水中銃を手に取る。


ソナーでは、一度電磁ノイズ発生装置のあった辺りで旋回していたが、再び上向きに移行する”黒影“の反応が映っている。


やけに色々な物が目に入る。


少しだけ歪んだスイッチボットのステー。

”黒影“を麻痺させた時の波で、地震後に防波堤付近に集まっていた木片が当たったんだろう。

最大ノイズにした直後は下げられたから、その後の波が木片を当てたんだろう。

逃げてる時の微調整ぐらいは出来ても、さっき最大まで一気に上げようとして滑ったか?


静かに目を閉じる。


(あいつ、ここで俺が死んだら(ののし)るか?それとも素直に泣いてくれんのか?…ツンデレだからな。とりあえず、竹鶴のオッサンには理詰めで文句言うんだろうな)


少し微笑みながら、目を開けてソナーを確認し、ボートのヘリに腰をかけ、水面に水中銃を向ける。

視線はソナーに向け、タイミングを計る。

水中銃を持つ手に力が入る。

竹鶴とは、議長の事です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ