表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の記憶  作者: 夜霧
PR
17/19

過去 3

過去編書くの難しいかったです。

 

 もう何日も来てない。


 もしかして風邪をひいたのかもしれないと思ったけど、来なくなった日数を考えるともう治ってもおかしくない。


 心配になってふさちゃんの家に行こうとしたけど、家がどこにあるのかわからない。どうやったら会いに行けるか考え、受付けのお婆さんなら知ってるかもしれないと思い、聞いてみた。


「ふさちゃん? はて、そんな名前の子いたかねぇ」


「僕と同い年位の子だよ」


「ああ! それなら冬木さんところの一人娘の桜ちゃんだね」


 冬木桜って名前だったんだ。何でふさって名前を名乗ったのか気になったけど、ふさちゃんの事が心配でそれどころじゃなかった。


「そういえば桜ちゃん最近来てないね。あの子、体が弱いから風邪でもひいてなきゃいいけど」


「ねぇ、体が弱いってどうゆう事なの?」


「おや、知らないのかい。簡単に説明すると病気になると治りにくくなるって事だよ」


 治りにくい。


 まだ風邪をひいたと決まった訳じゃないけど、もし風邪をひいてたら僕のせいだ。そう思うと居ても立っても居られなかった。


「お婆さん。ふさ、冬木さんの家知ってる?」


「ああ知ってるよ。行って顔を見せておやり」


「わかった!」


 お婆さんから教えてもらった住所に向けて行く。


 ふさちゃんに会ったら、体が弱いという事を知らずに外に連れ出した事を謝ろう。


 もし風邪をひいてたらお見舞いをしよう。今は何も持ってないけど、次お見舞いに行く時にふさちゃんが好きそうな本を持って行こう。


 ふさちゃん家に着く。チャイムを鳴らすけど誰も出てこない。


 どこか出かけてるのかな?


「そこ君、そこで何してるの?」


 振り向くと、犬を連れた散歩中の女性が不思議そうに見てる。


「あの、ふ、桜ちゃんに会いに来たんです」


「あぁ、桜ちゃんね・・・」


 ふさちゃんの名前を聞くと、女性が悲しそうな顔になる。


 その顔を見て、ふさちゃんに何かよくない事が起こったのだと分かった。


「あの、何、かあったん、ですか?」


 聞くのが少し怖い。でも、聞かずにはいられなかった。


「・・・桜ちゃんね、亡くなっちゃったの」





「え・・・」






 何を言われたのか分からなかった。いや、分かりたくなかった。


 亡くなった?


 ふさちゃん、死んじゃったの?


 嘘だよね・・・


「桜ちゃん、もともと体が丈夫じゃないのにいつも行ってる図書館に行かずに、一人で外に遊びに行っちゃったらしいのよ。そのせいで風邪をひいてこじらせちゃって・・・」


 僕のせいだ。僕が連れ出したから、体が弱い意味を知らなかったから、そもそも僕がふさちゃんに話しかけなかったら・・・


 後悔ばかりがつのる。でも、後悔をしてもふさちゃんはもういない。


「もしご両親に会いたいなら、また明日来なさい。明日なら葬式から帰ってきてる筈だから」


 頭に何も入ってこない。


 ただ僕のせいで、ふさちゃんが死んだ。それしか頭の中になかった。






 ここから先の事はほとんど覚えない。


 ただ気がつけば、ふさちゃんの事を忘れてた。




 僕がふさちゃんの事を忘れていた理由。それは、罪の意識が僕の記憶を封じ込めていたのかもしれない。


「誠? どうした」


「安住くん?」


 悲愴な面持ちをした僕に気付いた西村と高橋さんが声をかけるが、何も答える事が出来なかった。






 全てを思い出した今、役目を終えたとばかりに、その日からあの夢を見なくなった。

感想などあればお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ