表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の記憶  作者: 夜霧
PR
16/19

過去 2

 


 いつもの様に図書館で会って、ふさちゃんと一緒に本を読んでいた。


 読んでいたのは遊びについて書かれた本だ。けん玉、ベーゴマ、メンコ、チャンバラ、缶蹴り、おはじきなど、昔の遊びも載っていた。


「作ってみたいなぁ」


 冬の遊びで雪だるまや雪うさぎなどが書かれているページを見たふさちゃんがポツリと言った。


「それじゃあ作りに行く?」


 一瞬顔を輝かせるが、すぐに沈んだ顔になった。


「行きたいけど、外で遊んだりしたらダメなの」


「何で?」


「えっと、私、体が弱いから、外で遊んだら風邪ひいちゃうかもしれないの」


 この当時、体が弱いという事がどうゆう意味なのかよく理解してなかったけど、良くない事だという事は分かった。


 でも、ふさちゃんの沈んだ顔を見て何とかしたいなと思って、つい言ってしまったんだ。


「行こうよ、作りに。ちょっとだけなら大丈夫だよ」


 手を差し出す。


「行こ」


 ふさちゃんは少し迷った後、笑って手を握ってくれた。


「うん! 行く!」


 そのまま外に行こうとして、雪うさぎや雪だるまを作る材料がない事に気付いた。なので後日、準備して図書館に集まった。


「準備出来た?」


「うん。出来たよ!」


「思い出にと思ってカメラ持ってきたんだ。一枚撮ろう」


「わかった!」


 カメラの扱いは親から教えてもらっているので、タイマーにセットして一枚撮った。


 その後、ふさちゃんを連れて行った場所があの辺り一面の雪景色だった。


 雪だるまや雪うさぎを作って帰るつもりだった。けど、作っていくうちにもっと遊びたいと思ってしまい、小さなかまくらを作ったり雪合戦をしたりした。


 ひとしきり遊んだ後、疲れたので二人で仰向けになって寝転んだ。


「ねぇ。私、夢が出来たの」


「夢? どんな夢?」


「私、大きくなったらこの雪景色がみえる所に住みたい。この雪景色を見てると、何だか全てを真っ白にしてくれそうだから」


「いい夢だね!」


「そうでしょ!」




 ふと気が付くとちょっとどころか、結構な時間遊んでいた。


「そろそろ帰ろっか」


「そうだね」


 帰ろうとして立とうとして頬に柔らかいものが触れた。


「え?」


 触れた方を向くとふさちゃんが、笑顔で顔を真っ赤に染めていた。


「えへへ、キスしちゃった」


「え! キ、キス!」


 頬にキスしたと言われ僕も顔が赤く染まった。いきなりの事に動揺してどうしていいか分からず戸惑っているとふさちゃんが手を差し出した。


「か、帰ろ」


「え、あ、うん」


 差し出された手を握り立ち上がる。頬にキスされた事に、まだ動揺していたけどこれ以上長居したらふさちゃんが風邪をひくかもしれないと思い、手を握ったまま帰り道を歩いた。


「今日はありがとう。楽しかった!」


「僕も楽しかったよ!」


「また明日、図書館でね」


「うん。図書館でね」


 でも次の日、ふさちゃんは図書館に来なかった。その次の日もその次もふさちゃんは図書館に来なかった。

感想などあればお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ