表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の記憶  作者: 夜霧
PR
12/19

ヒント



 天井がぶつかる事に身構えていたが、いつまで経っても衝撃は来なかった。


「あれ?」


 周りを見渡すが暗かった為、携帯のライトで照らすと天井のドームの部分だけが残っていた。


『強度抜群』って、天井部分だけの事?


「あの、安住くん・・・」


「あ! ごめん冬木さん」


 慌てて冬木さんを離す。咄嗟の事とはいえ抱きしめてしまった。


「謝る事ないよ。私の事を守ろうとしてやったんでしょ。それに、私もいつもいきなり手を握ったりするからお互い様だよ」


 そう言って笑う冬木さん。でも、その笑顔を見てやっぱり見覚えがあると感じてしまう。心当たりといえば夢の中の女の子しか思い付かないのだが、身に覚えがないのだ。


「ねぇ、何か聞きたい事あるんじゃないの?」


「え? なんで」


「だってそうゆう顔してるよ」


 思わず自分の顔に触れる。そんなに分かりやすい顔してたのかな。けどこの際だ、聞いてみよう。


「冬木さん、昔どこかで会った事ある?」


「さぁ、どうでしょう」


「どうでしょうって、はぐらかさないでよ」


「謎めいた女の子なので秘密です」


 やっぱりダメか。てゆうかこのやり取り、前にもやったような気がする。


「でもヒントは色々出てる筈だよ。今のもそう」


「今のって、謎めいた女の子の事?」


「そう」


 謎めいた女の子。その他にもヒントは出てると言うが探検や祭りに出た事がないという事だろうか。


 けど、それらのヒントを元に考えても思い出す事は出来なかった。どうして思い出せないんだ? 何か理由があるのか?


 ガッ、ガッ。


 不意にそんな音が聞こえたので、鳴った方を見ると暗かったドームの一部が白くなって光が通っているのがわかった。どうやら救助活動のようだ。


 その時、頬に柔らかいものが触れた。



 え?



 頬に手をあて、冬木さんの方を見ると顔を赤くしていた。


「今のは最大のヒントだよ」


 という事はまさか、僕、頬にキスされた?


 一瞬で顔が赤くなる。


 え、ちょっと、さい、最大のヒントって、い、今のほ、ほほほ、頬にキ、キキ、キス?


 えっと、ヒ、ヒントって事だから、だから、その、・・・うわぁ!


 突然のキスに動揺して、うまく考える事が出来ない。


 ガラ


「おい誠!、大丈、夫・・・か」


 西村が必死こいて氷のドームに穴を開けて見たものは、顔を赤くして座り込む二人。


「・・・すまん、邪魔したな」


 穴を元に戻そうとする西村。


「ちょっと待って西村!」


 慌てて引き止めその後、なんとか出る事が出来た。


 かまくらが崩れた理由だけど、どうやら設計する時に雪の重みを入れ忘れたらしい。


 運営側に謝られつつその場を後にした。




「いや〜、安住くんとふさちゃんが無事でよかったよ」


「心配かけてごめんねたかちゃん」


「僕もごめん」


「で、誠。閉じ込められている間、冬木さんと何してたんだ?」


「ええっと〜その・・・」


 まさか頬にキスをされたと言えず、しどろもどろになる。


「え? ふさちゃん。何してたの」


「謎めいた女の子なので秘密です」


 それを聞いて僕は思う。やっぱり冬木さんは夢の中に出てくる女の子なのだろう。けど、なんで思い出せないんだろう。


「まいいや、とにかく他の所行こうぜ」


 その後、いくつかのコーナーを回り楽しんだ後は解散となった。




 夢に変化があった。相変わらず女の子の顔は見えなかったのだが、夢を見るたびに感じる懐かしさと同時に


 罪悪感を感じる様になった。

感想などあればお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ