第103話 今回の王はおばちゃん
ソウヤがリングから降りると、ヴィルナたちが笑顔で迎えてくれた。先程までの悲しさもどこかに吹き飛んでしまったようだ。未だにガルは眠っている。
ちょっと前にもあったような展開のために割愛しちゃうけどね、ソウヤが優勝したんだわさ。ほんでな、ソウヤに与えられた豪華報酬というのはな王と話せる権利だった。いらない。とか言っちゃだめだよ。
「ソウヤは何を話す予定なんだ?」
ずっと寝ていたため相手の不戦勝になってしまったガルが聞いてくる。
「そうだな、なにも考えてないな。」
ソウヤはボーと外を見ていた。
「なんじゃ、疲れておるのか主人?」
「確かにね~どうしたの~」
リアンとベルメスがソウヤに聞いてくる。ソウヤは涙を流しながらみんなのほうを向いた。
「お前らがあの女の大群に囲まれているとき俺のこと彫って宿に戻ったからだろう!!!」
時は遡ること数時間前。ソウヤが優勝した後ソウヤの周りに女性の群れが押し寄せた。
「あなたが本物のソウヤ様なんですね!」
「サインください!」
「ぜひこの後お茶してくれませんか!?」
「結婚して~!!」
などなど、ソウヤが本物だと知ったとたんさっきの対応とは180度変わってソウヤを求める声が多くなっている。
「え、あの、とりあえず、退いてもらえます?お、おい!ヴィルナちゃん!リアン!エルン!ベルメス!ガル!」
皆を呼んだが、ヴィルナたちはというと。
「じゃ皆戻ろうか、ソウヤなら大丈夫だよ。」
「そうですね、戻りましょうか。」
そういって、ソウヤを置いて宿に戻って行ってしまった。ちなみに、ソウヤが抜けられたのは置いてかれてから、二時間後だったそうだ。
ソウヤは女性の怖さを知ってしまった。あとヴィルナたちの怖さも。
「とりあえず、この国の王都話ができるんだよ。カルシテナ王みたいにお知り合いとかじゃないの?」
ヴィルナがソウヤに聞いてきた。
「いや、あの人以外は話していない気がするよ。」
「そっか、で、話に行くのは明日なんでしょ?」
「あぁ、使いが朝に来るらしい。」
ソウヤは明日何を話すか考えこんでいたらいつの間にか眠っていた。
「クロイソウヤ殿を迎えに来た、ジャニス王の使いです。」
「わざわざありがとうございます。じゃぁ、いってくるな。」
「無礼のないようにね~」
ソウヤはヴィルナたちに一言言ってから使いとともに王城に向かった。
「こちらです。」
ソウヤは、王の間に通された。この王城もなかなか綺麗でところどころにイェータの銅像や絵画が飾っていたのが目についた。考え事をしていたらジャニス王の前についていた。
「君がクロイソウヤ君かな?私はジャニス=クリストリアンだ。ちなみに私がこの国の一代目だ。よろしくな。」
「クロイソウヤです。こちらこそよろしくお願いします。」
どうやらジャニス王はエルフ族の女性みたいだ。王というから男性かと思っていた。あとこの人が一代目ということは、エルフ族はだいたい500年生きるから、この国ができて450年くらいかな?
「そうだ、ソウヤ君。君の話をよくカルシテアナに聞いてたんだ、どうか旅の話をしてくれんかな?」
「分かりました。ではですね…」
ソウヤは数時間かけてすべて話した。
「ありがとうな。ちょっと君に頼みたいことがあってな。」
「良いですよ」
ジャニス王が少し真剣な目つきになりソウヤに話をしてきた。
「最近王都周辺で魔王軍が確認されたのだ。そこで君は、魔王軍とよく戦っていると聞いた。私の軍の協力をしてくれないだろうか?」
「分かりました、自分の仲間にも伝えときます。」
ソウヤの答えを聞いてジェニス王は嬉しそうに笑った。
「では、柄あたしの息子と娘である、近衛兵隊長と副隊長に伝えておきます。出発は一週間後です。どうぞよろしくお願いします。」
ソウヤが宿に戻るころには日が落ち切ってあたりは暗くなっていた。
「おかえりソウヤ。どうだった?」
「また、厄介ごとに巻き込まれた。魔王軍だ。」
そういうとガルがこぶしを作り殺気を出し始めた。
「やっと、魔足を閉じ込めたくそ野郎どもを殺すことができる。」
「ほらほら、さっき漏れてるから落ち着いて。」
「すまん。」
ヒートアップしたガルをエルンが抑えた。
「とりあえず、あと一週間後に出発らしいそれに合わせて俺たちも次の場所に行くからな。」
「それまでに~用意したないとな~」
ガルが言いたいことを言ってくれた。
「ほんで、明日は近衛兵の場所に行ってみようと思う。」
「了解じゃ。さて、今日はもう遅いしそろそろ眠ろう。」
そうして、次の目的ができた。




