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帰国、そして海外初戦の反響

日本へ帰国する日。

朝6時30分に目覚める。


二人は既に起きており、俺は外出着に着替えてから朝食を摂る。


さすがに今日は時間がない為、朝食を食べ終えたのは7時30分。

俺達は必要最低限の行動で、宿泊した部屋を出て、チェックアウトをした。


ここからは空港まで行き、俺達は自動翻訳機セットを外してから、各手続きを行って飛行機へと乗る。


やがて、午前11時55分の便で日本へと飛び立った。


到着時間は日本時間で翌日の午後3時となる為、離陸してすぐ寝るように言われたので、ひたすら目を閉じていた。


いつの間にか寝ていたようだ。

アナウンスが流れたので、川名さんが降りる準備を促し、日本へと到着した。


時刻を確認すると、午後3時2分。若干遅れたらしい。


俺達は速やかに飛行機を降り、川名さんがひたすら各手続きをこなして、ようやく日本の空港の外へと出る事が出来た。


俺は川名さんに渡されていたチップを全て返却し、待機していた社用車でTrulyOwnsの左隣にある駐車場まで行った。


時間の感覚が分からないまま、目的地へ着き、2人が荷物を下ろす。


「私達はこれから、色々やらないといけないから先に部屋に戻っておいてね。今日は練習しないでゆっくりする事。いい?」

川名さんに念押しされてしまったので、俺は大人しく言う事を聞いた。


俺は先に2階の住居に戻り、荷物を置いてから風呂に入る。


疲れていたのだろう。

風呂から出ると30分ほど経っていた。


時刻は午後5時45分。

練習をするなら1セット分しか出来ない時間である。


今日はナッツ類と1階コンビニで売られているサラダチキン、オレンジジュースと言う料理する必要の無いシンプルな食事を摂って、残りの時間はリビングのソファーでゆっくりする事にした。


午後9時に川名さんが戻ってきて、遅れて食事を摂るのだが、

「明日からまた一日練習だから、私と2人で食事しようね」

飛行機で寝て起きてからの2食目を摂るように言われた。


(1日3食で過ごさないといけなかったから、食事管理どころじゃなかったな)

本来は1日6食で食事のスケジュールを組んでいる。

ここからは何日かけて元の食生活になるか不明だが、修正していくしかない。


俺達は食事を摂ってから、それぞれのベッドで眠りについた。


■■■ 海外試合の感想


住坂雅玖が海外遠征から帰国し、久々の日本で眠っていた頃、静かにスレが立ち上がっていた。


スレタイトル『ガク・スミサカ、海外遠征の最大の敵は時差ボケではなく、食事制限だった』


「また隠し撮り勢が不法侵入でもやったのか?」


「いや、アメリカの会場がそんなに甘い訳がない。バレたら射殺行き」


「さすがにそこまでバカじゃないか」


「で、タイトルとは違うが、試合はどうだったんだ?」


「1ラウンド25秒、TKO勝ち」


「は!?」

「は!?」


「さすがに同時に何とかのくだりは言うところじゃないな」


「内容としては相手が何となくパンチを打って、見事にカウンター。そこからは一発ももらう事なく、強打してからテクニカルKO」


「あー、日本人だから舐めてかかったんだな。そりゃあ当然だわ」


「なお、現地の取材陣どもは只者ではないと思った模様」


「どういう事だかさっぱり分からないんだが」


「住坂の相手の体がしょぼかった、いや、住坂が凄かったのか?」


「前日計量をパスした時にボディビルダーのような体つきに黙った感じだったな」


「どうして知ってるんだ?」


「いや、普通に有料のネットライブで見れるから、お前ら興味あるなら月額支払ってちゃんと見ようや」


「大体の俺達に海外事情を取り扱わせる事が愚策だって分かるだろ」


「全く自慢になってないが、そのとおりだな。悪かった」


「自分の試合が終わったら、スタッフパスを首に下げて、実況から少し後ろ辺りの席で観戦してたな」


「全く、関係ない話だが、気になったから知ってるやつは答えろ。あのイヤホンと顎サポーターは何だ?」


「ああ、あれね。イヤホンが自動通訳機で、顎サポーターが顎関節の動きで母国語から英語に自動変換できる通話機だぞ」


「普通にオーバーテクノロジーじゃね?」


「TrulyOwnsの持ち株会社の一つに作らせて、こないだ住坂が試合した会場側に技術を全面提供してるらしい」


「また、意味の分からない事を。あ、それじゃあ交渉の取引に使ったのって、もしかしてこれか?」


「ま、ボクシングなんて、金と権力と交渉力が無いと、何も出来ないからな」


「ああ、あの『か×ぼ×せ』と言うやつか」


「何そのかぼすっぽい名前の略語は」


「卑猥なワードだから、これが精いっぱいなんだよ、少しは察しろよ」


「それはすまん。で、何の話だったっけ?」


「あ、何の話だったか忘れた」


「ん-、何から話そうか。色々あったから困ってるんだよね、本当に」


「まずはスレタイトルになってる食事制限に問題のやつかな」


「弾丸スケジュールを実行したらしく、遠征して帰ってからの4日間は基本、1日3食になっていたらしい」


「機内で食事が自由に、とはならないね。時差ボケ考えると特に」


「日本からアメリカに行った時は眠らないように我慢。アメリカから日本に帰る時は変な時間に目覚めないように無理やり寝る」


「大変だな住坂も」


「知念社長の方針らしい」


「毎日のように海外渡航してる人にとっては当たり前なのか」


「なお、第一秘書が試合日からのスケジュールをミスって、試合観戦どころじゃなかった模様」


「秘書試験か何かかな?」


「まあ、行きと帰りを別々に座席確保しようとするとそうなる」


「試合スケジュールの関係上、しょうがない事ではある」


「本当に良かったな、知念社長が色々な意味でテキサスに金を落とすシステムを構築してくれて」


「場所によっては凶悪犯罪に巻き込まれるからな」


「試合会場周辺では治安はいいようだけど、こればかりは分からないな」


「次は、現地の関係者達の評価。川名とグエッサーの人気がすごい」


「なにそれ怖い」


「グエッサーは一応は日本王者でしかないから、お山の大将ぐらいにしか思われてないようだが」


「ダンソン経由で伝説の選手として、崇められてるらしい」


「つまり、現地に行った3人の中で最弱は住坂って事か」


「だから試合をする前までは舐めてかかられてたらしい」


「試合後、無事に評価が上がって手がつけられない状態に」


「とはならなく、2人におんぶに抱っこ状態な評価は解除できない模様」


「まあ、そもそも海外遠征でやってる事が富裕層のそれだから」


「あ、そう言えば翻訳機を介して話せるから、地元だった対戦相手と仲良くなったみたい」


「次は現地でとった食事で周囲の反応が」


「まだあるのか!?」


「これはもう分かった。野菜とオレンジジュースと鶏肉だけ食べて、周囲の視線が釘付けになったんだろう」


「正解。これくらいはスルーできる図太さがないと話にならないからな」


「これで川名は遠征スケジュールを学習したから、もう失敗しないだろうな」


「時差ボケの強引な修正で、食事回数は解決できなさそうだが」


「まあ、1週間以上滞在するリスクを考えるよりか適解だな」


「ひょっとしたら、数年のうちにテレビ放送されるんじゃね?」


「その前に日本のテレビと言う文化が滅んでる可能性があるが」


「まあ、それはどうでもいいか」


「今はほとんどがネットで見たい時に見れるからわざわざって感じだな」


「まあ、何か変わった事があったらスレ立ててコメントしてくれや」


「次はどんな情報になるか分からないが、今回はこれで終わりだな」


「ところで佐藤波木の食事スケジュールは?」


「別スレ立てて考えろや!」


ここからは無意味なコメントが増えていっただけで終わった。


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