予定とはいつも崩れる物です
数日後、スーパーミドル級の世界チャンピオンに向けた試合スケジュールが決まった。
今後はアメリカでやる事がなった。
しかし、普段はここに居る事になり、遠征時に日本を離れると言った流れになる。
当然、パスポートも必要になる為、近くのパスポートセンターに行って、申請し、11営業日経過、つまりは2週間強を目安に受け取りが完了する。
他にもJBOに海外申請書類を提出しないといけないが、これもほとんどが周囲が処理してくれていた。
必要書類全般は費用とともに、周囲でほとんど用意されていて、俺は音羽の社用車に乗り、パスポートセンターを行き来するだけの簡易な行動で取得する事が出来た。
スマホやカードなどでオンライン申請をする方法もある。
しかし万が一、手続き上の事故が起こる可能性を考えると、窓口に行って申請したほうが確実である。
練習は相変わらず大変。何が大変かと言うと、ミット打ちからスパーリングまでの練習で、展数さんにほとんどの機会で打撃などをくらっているからだ。
夜に帰る頃になると、見た目には目立ってないが毎日、川名さんが蓄積されたダメージを労ってくれている。本当にありがたい同居人である。
音羽はと言うと、多忙を極めて俺のところに来れないが、これは俺の海外遠征の件についても、動いてくれていると言うのを川名さんから聞いた。
本当に何から何までやってくれて、申し訳ないとも思うが、今の俺に出来る事は何もない為、練習をひたすらやるしかない。
さらに1ヶ月後、海外の開催会場側から試合スケジュールが発表された。
場所はアメリカのテキサス。
会場はドーム型だが、少し四角に近いような形状である。
収容人数は最大10万人となるが、実際は運営や医療班などの席を確保する為、6万5千人を観客を入れる事になる。
(どう考えても、赤字にしかならないのだが)
これに関してはからくりがあり、どうやら少しでも試合交渉を有利に進める為に、俺がBランク、つまりはデビューから3戦目の段階で話を進めていたとの事。
具体的には、TrulyOwnsの持ち株の一つに電子製造機器の会社があり、同時翻訳機能付きのイヤホンと会話可能な機器を作らせる。
商品の宣伝も兼ねて、次戦の開催会場向けの機器及び技術提供をする代わり、日本人選手が出場できるように手配してほしいとの取引をして、どうにか世界ランキングにも早い段階で入るようにする為にもやった事らしい。
これ自体には同時通訳の会話が出来ると言う機器がある事を多方面に宣伝出来る為、結局は総合的な利益は莫大になると言う物だ。
ただ、この作戦はTrulyOwnsのような国を取り込めるレベルに資金が無いと話にならないが、俺は本当に運が良かった。
こうして、海外遠征初戦の2日前までは朝から晩までひたすら練習に打ち込む毎日だった。ここまでで音羽は1回だけ帰って来たが、この日も一日リビングで一緒に過ごし、唯一の休養日となったのである。




