日付変更線を過ぎても、お祭り騒ぎは終わらない
世紀のミドル級日本タイトルマッチが終了し、試合後のインタビューが終わる頃には午前0時を過ぎていた。
スレタイトル『グエッサー対住坂の対戦後のインタビューで、両者ともに荒れる』
「インタビューで何が荒れたんだ?」
「取材陣が荒れてたな」
「また、隠し撮り勢が紛れてたな」
「どうして分かった!?」
「いや、正確な情報流されたら、そりゃあバレるわ」
「話は変わるけど、今日のこれ。カウントダウンライブか何かかな?」
「まあ、異例中の異例な時間だよな。今日の対戦って」
「世界タイトルを差し置いてのラストだからな」
「まあ、周囲のホテル業者は助かってるんじゃないか?」
「金の惜しいやつほど、さっさと帰るから問題ない」
「で、何がどう荒れたんだ?」
「住坂側は、試合中は苦労ばかりだった。記者は俺の見た感じと全然違う」
「グエッサー側は、軽量級だと負けるはずのない相手に負けるから重量級のほうが楽。さらに俺に勝てるなら、ヘビー級の世界ぐらい取れるだろう」
「なお、二人ともヘビー級の件に触れての事なので、無関係とは言いづらい」
「そう言えば、名前を出さなかったけど、壱会必太の件を話してたな」
「もう荒れてるな、色んな意味で」
「グエッサーが今戦っても勝てないなんて言うから」
「ヘビー級の世界チャンピオンを取れる可能性がある奴がどうして、プロになれない人に負けるんですかねえ」
「ヒッターちゃんねるの動画のコメントに『住坂選手と今すぐ果し合いをしてこい』って言う感じのコメントであふれていたな」
「普通に考えれば、日本王者が勝つはずなんだけど、グエッサーの言う事って本当に当たるからなあ」
「これで本当にヒッターが勝ったら、ヘビー級世界チャンピオンになっても、世界第2位って言われるんだぜ、そんなん悪夢以外の何物でもないやん」
「まあ、あのチャンネルにグエッサーに罵声を浴びせた記者どもがやってる可能性もあるがな」
「取材陣の代表者が、大声出して黙らせてたから、ひょっとして、会見終わってすぐにクビにでもされたんじゃね?」
「そして腹いせに無意味な戦いをさせると」
「やっぱりマスゴミだわ、増すごみ」
「増すごみがダジャレに聞こえない時点で終わってる」
「で、住坂は何であんなに自信がなかったんだ?」
「いや、それは……半分俺らのせい」
「そう言えば、グエッサーに対策考えとけよ。って言われてたんだっけ」
「住坂ごめんよ。本当に役立たずぞろいで、俺含めて」
「で、最後のパンチが我らがオモチャの佐藤波木の得意技、ロシアンフック」
「あれがなかったら勝てなかったって、はっきり言ってたな」
「佐藤波木、世界最強の日本王者に一矢報いる」
「しかも試合には全く出てないのにな、ある意味ホラー」
「あ」
「あ」
「だから2人揃って、あ、じゃねえんだよ」
「お化け怖い日本王者の事はそっとしておいてやれ」
「そう言えば、住坂は日本王者を返上して、階級上げるって言ってたな」
「重量級になると、一発死の攻撃が待ってるぞ」
「そんなやべえ集まりの元世界チャンピオンに完勝したグエッサーは化け物」
「グエッサーこれからどうするんだろうな、会長と関係者とは話ついてるって言ってたが」
「関係者が誰か次第で、今後のやりたい事が分かるだろうな」
「数日中に発表するからそれまで待ってとも言ってたな」
「もう夜も遅いから寝る」
「俺は起きたままで朝から仕事行く」
「寝てないと死ぬぞ」
「直近24時間の睡眠時間、22時間」
「お前はもうちょっと起きて、健康な生活しろ」
「ここも別の意味で荒れてるな」
「それはいつもの事だろ」
「違いねえ」
「俺もそろそろ寝て、昼ごろ起きるわ」
「休みかうらやましい」
「いや、インフルで強制的に休みになった」
「ん?ひょっとしてさっきの睡眠時間が22時間のやつって」
「俺だな」
「すまん、もうちょっと起きろとか言って悪かった」
「とりあえず、本当に遅いからみんなは寝ような」
「それじゃ、俺はこれで失礼」
後はお互いに挨拶しているだけのコメントが延々と流れるのであった。




