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その日、意外にも日本王者は少しだけ焦っていた

住坂雅玖の8回戦初戦が終わり、午後10時。

いつもと違うスレが立ち上がっていた。


スレタイトル『俺の見えてる丸い表示、住坂雅玖にバレた』


「タイトルどういう事?スレ立ち上げたの誰?」


グエッサー「私だ、今日は不覚をとった」


「え、お前の拳マジック、タネがバレたのか?」


グエッサー「自力で、色の意味を推理してきた」


「どうして、そんなヘマをやらかすことになったんだよ」


グエッサー「今日は私の直前に試合をやったから、時間不足で控室のモニターで試合を見てたらしい。そこで、攻撃の瞬間に色をつぶやいた事が分かったと言っていた。断じてヘマではない。」


「ヘマって言ったのは悪かったから、機嫌を直してくれよ」


「しょうもない事に引っかかってるの面白い」


「と言う事は、対策も万全と言う事か?」


グエッサー「色でダメージの度合いは分かったみたいだが、対策は出来てないと言う事だった。まあ、対策自体はお前たちがみんなで出し合ってくれ」


「どうして、俺らが対策係に任命されてるんですかねえ」


「対策の件はとりあえずは分かった。グエッサーに聞きたい。お前、住坂との試合で引退するつもりか?次の試合会場が変更されるのがそもそも変」


グエッサー「推測は合っている。今日の試合会場近辺にある大規模会場に変更したのは、派手にやってみようと言う事が理由だ。無論、対戦相手次第だがな」


「今の発言で分かったのは住坂以外のミドル級は全てザコって言ってる事だな」


グエッサー「その認識で別に問題ないぞ。大体、ランキング1位を優先的に対戦を拒否すると言うのはどう考えても異常」


「ヘビー級の元世界チャンピオンを平然と倒してるお前のほうがもっと異常。決まったな」


「決まったかどうかどうでもいい」


「ひどい……」


「涙拭けよ。いや、それよりも世界チャンピオンを超える何かがたかが日本のチャンピオンに居座ってる事が問題だと思うが?」


グエッサー「それについては否定しない。だがな、私自身は丸い表示が見えなければ、3勝4敗2引き分けのお飾りB級ライセンスの平凡な選手なんだよ」


「あーなるほど、つまりはあのゲームみたいな能力に目覚めてから以降、全てノーカウント扱いとしてずっとやってきたわけか」


グエッサー「本当は私が強ければ何も問題ないのだが、兄弟で一番強かったのは縁切りをした綾斗だったからな」


「あの、重犯罪予備軍の元弟か。まあ、ドンマイ」


グエッサー「だが、悪い事ばかりではない。この能力のおかげで人気ジムに出来たんだから、そこについては一切の後悔はない」


「潔いな。まあ、お前の事は分かった。で、対策なんだが、どうやればいいんだか」


グエッサー「それはお前ら全員で考えろ」


「まあ、しょうがないか。とりあえず、グエッサーは話す事終わったんだろ?じゃあ、もう退席して大丈夫、問題ない」


グエッサー「そうか、それならここからは適度に様子見ながら、お前らのやり取りを見守る事にするよ、じゃあな」


「おう、ありがとグエッサー」


「グッサ」


「だからグッサは略しすぎなのよ」


「とりあえず、別スレ立てるからこれ以降はそっちにコメントを入れてくれ」


このスレは一旦、放置と言う名の終了をして、別タイトルのスレが立ち上がる。


スレタイトル『グエッサー浜崎部門、対戦攻略課発足』


「ずいぶんと仰々しいスレが立ったな」


「まあ、グエッサーにあんな事言われたらな」


「グエッサー『出来れば負けて引退したい』」


「ミドル級の有象無象ども『日本王者を剥奪させて引退させたい』」


「住坂雅玖『日本王者になったら、返上して世界王者になりたい』」


「……結果、住坂の願いがささやかと言うオチ」


「なおかつヘビー級まで階級上げたい」


「マジック・ダンソンの時代なら出来ただろうけど、あ、今調べたんだけど」


「ダンソンのウェイトがどうした?」


「ICBOならクルーザー級の上はヘビー級になるらしい、ウェイトは最低90.72kg超え、つまりは200パウンドの上を行くのが最低条件になる」


「俺も世界の事は良く知らなかったから調べたら、WGBだったら、クルーザー級の上にブリッジャー級の新設階級があった。上限は101.60kgで、その上がヘビー級」


「今のWGBだったら、元力士がプロボクサーになったほうがヘビー級取れるんじゃない?」


「むしろWGBが元力士転身推進団体と言っても過言ではない」


「まあ、常に下限体重近くの住坂にとってはICBO一択だな。体重が無理ゲーだろ」


「なあ、今後はみんなで元力士をWGBプロボクサーに転身させる大規模な運動でもやらないか、作った団体もいい加減に焦るだろう」


「本当にあいつらと来たら、自分達の都合のいいようにしかルール変えないから、俺達が分からせないといけないよな?」


「それに対してだけは、完全同意だわ」


「まあ、先の話もグエッサーに勝てないようでは話にならないけどな」


「でもなあ、住坂以上に分析できるとも思えないんだよなあ」


「両者ともに隙らしい隙がないもんな」


「まずは、日本ランカーにならないと何もできないから、今日はこれで引きあげていんじゃない?」


「そうだな、後からパート2以降を立ち上げれば何も問題ない」


「月1で日本ランキングが発表されるから、まずはそれを待とう」


「それまでに何か考えとくわ」


「じゃあな、これで今日はさよなら」


「さよなら」


「誰かの人生がさよなら」


「毎回一人くらいが、とんでもない事言ってるオチ」


この後はコメントが一切つく事がなく、スレは終了する。


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