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チートだよ…隼人くん

 意識がはっきりしてくると、粗い麻袋の山を崩すように、その身をつっこむように倒れているのに気が付いた。


(…………成功したのか…?…)


 ジョニーさんはどこだ?

 一緒に出発したジョニアスの姿を求め周囲を見渡すが、どうにも頭痛と激しい眩暈、薄暗く音もきこえない。どうにもまわりの状況が今一つ良くわからない。


 気を取り直して、まず自分自身の確認だ。

 体にのしかかる重い麻袋から、よろよろと這い出すようにしてたちあがる。


(怪我は?)


 左手から肘にかけてひどい擦り傷だ、額もちりちりと痛むので触ってみると少し血が付いた、あらためてけがを意識すると、あちらこちらとジンジンずきずきと酷い有様だ。

 擦り傷 打撲 頭痛はするが、骨折している所はないようだ。


(身に着けていたものは?)


 背負っていたリュックは、片方のハーネスが外れて近くに転がっている。


(被っていたヘルメットは一部壊れて一緒に落ちているが、これは使えそうにないな)


 腰のベルトに挿したサバイバルナイフ、肩から吊るし脇の下のハンドガンは無事と。 

 体の点検と装備の確認をしてみると、眩暈(めまい)も治まり気持ちの高ぶりも少しは落ち着いたような気がした。


 リュックを拾うと、改めて周囲を見渡してみる。

 薄暗い倉庫のようだ。穀物でも入っていそうな麻袋の山に、スライディングして頭から突っ込むようにして気絶していたみたいだな。

 塊ごとに、さまざまな野菜 果物らしきもの 袋のかたまり なんだかわからない物が只雑然と床においてある。


 薄暗さにも目が慣れてきてはいるが、なぜかその先の壁やおくゆきといったものが見えないでいる。柱さえ見えないやたらと広い倉庫に見える。


「!!………おおい! 隼人――いるのか————」


(ジョニーさんだ! 何かくぐもった声で近くに居る。どこだ?)



「ジョニーさん! 何処にいるんですか?————」


 隼人も、声を張り上げるが声はどうやら隼人が抜け出した麻袋の山の下から聞こえてくる。

 麻袋を一つ一つのかすとジョニアスの足が見えてきた。

 麻袋の山から、ジョニアスを引っ張り出した。


「ああっ 酷い所へ転移したもんだな。ガイアスさんの痕跡のあるところへと転移するはずだったはずだが此処はいったい何処だ?」


 隼人は、ライトを取り出そうとリュックに手を入れた。


「?」


(おかしい?リュックの中の物がつかめない。バッグの内側にさえ手を触れられない)


 慌てて中を覗き込むと,其処には只の暗闇が広がっていた。


「ピコン!」


 脳内に響く電子音。

 左目に収納している物品のリストが突然浮かび上がった。


「…ジ—— 構築.立体化するものにチェックを入れてください」


 無機質な電子音が響く


(どうゆうことだ。答えられるか?)


 隼人が、思考で問う。


「確定的ではありませんが、CPU(仮定)及び周辺に発達したデバイスが転移の過程で改良.急激な進化が加速度的に発達したものとの考えが情報の範囲内に入ります」


「ご主人の全細胞を回る電気信号の効率化が促進されAIとしての機能が追加されています。ご主人の疑問に蓄えられた知識.情報を音声とモニターで同時にお答えすることが出来ます。ご主人の行動を察して必要とする情報を先駆けてお届けします」


「なお、リュックの中は転移中の空間のまま、まだ立体の確率.構築がなされていません。空間だけの構築を残すことにより無限の収納として使うことが可能となります」


「リュック内の物を構築する場合、リストのチェックを入れることで外に取り出すことになります。又逆に収納するときには、左目に映る物品を赤い線で囲む様イメージしてください。リュック内の空間に繋がるAIの私が、リュック内と同じ状態にその品物を分解.収納します。ただし動き回るもの、生物等は現在では収納できません」


 隼人の口角が吊り上がっていく。


「オオオゥ すごい! 無限収納きたー!」


 隼人は、ファンタジー要素まんさいの便利チートに沸き立つ。

 早速、ライトを取り出す。


「ライトにチェック!」


 空中に、収納していたライトが出現する。


「ガチャン!」


 無情にも隼人の手の横をすり抜けて床に落ちてレンズが砕け散った。


「…………」


(ウオイ! 手の中に出してくれよ!)


「ピコン! 設定をお願いします。 []にチェックを入れる」


 隼人は、苦虫を噛み潰した顔で[]の欄にチェックを入れていく。


(なんか今一つ便利さがたりないな~)


 AIが一言こぼす。


「…成長に期待してください…」


 いちいち今一つの性能と返事に隼人は苦虫を噛み潰すように、ジョニアスにリュックに変化があったことを話した。


「ジョニーさんのバックに変化はありませんか」


「いや俺のバッグは変わりなない。多分隼人のその生態情報端末が異世界を超える時に進化を起こしたんだろう。隼人のバッグ、便利になったな」


 ジョニアスも、なにか今一つ理解が追い付かないのか只笑って、よかったとごまかした。


「よし、それは置いておいて一先ず此処の調査だ! 隼人。目標は、現地の人間にコンタクトだ! 行くぞ」


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