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S.A.K.U.R.A.~蒼の魂~  作者: 猫人間
【第弍章】武士櫻の闘い
39/70

その弍拾伍―S.A.K.U.R.A.―

【第弍章】武士櫻の闘い

最終話ですm(_ _)m

最後まで、お楽しみ下さい!!

 武家屋敷を後にした七人は、再び元来た道を戻って行く。


「くぅ……臣……お前って奴は……」

「な、急に、どうしたお前……」


 先程からずっと、鼻を啜り泣いている健二郎を、怪訝な顔で見る臣。


「うぅ……俺は嬉しいんや……あの笑顔……ようやく臣ちゃんが俺らのこと、仲間って認めてくれたっちゅうことやん……」


 感動と嬉しさのあまり、健二郎が袖で涙を拭った。


(臣"ちゃん"……?)


 色々とつっこみどころはあるものの、そこはあえて触れずにおくことにした臣。


「鬼の目にも涙ですね……」

「あっ? 誰が鬼やねん!」


 言うまでもなく、また失言した恭徳を、健二郎がすかさずギロリと睨んだ。


「うわぁ〜! だからその顔ですって!」

「おい! お前ぇ! もう一度言ってみいやぁ!」


 反射的に逃げ出す恭徳を、鬼のような形相で、健二郎が鞘に収めたままの愛刀、梔子を振り上げ追いかける――


「おっ、楽しそうだな〜、おーい! 健二郎! 俺も交ぜてくれよ〜」


 それを眺めていた英莉衣も、笑顔で手を振りながら月健(ふたり)の元へ駆け出していく。


「阿呆! 遊んでるちゃうぞ! 英莉衣!」


 そう言いながら、今度は英莉衣を標的にする健二郎。完全に、この二人に遊ばれているのだった。

 健二郎を鬼に、三人で繰り広げられている追いかけっこを、ただ眺めている後の四人。


(ふっ、あいつら餓鬼かよ……)


 臣は呆れたようにふっと笑みを浮かべ、歩き出そうとした――その時


「っ、うっ……!?」


 いきなり右肩への衝撃と共に、ぐいっと引き寄せられた。


 瞬時に嫌な予感を察知した臣が、恐る恐る横を振り向くと――

 その元兇が右肩に腕を回し、満面の笑みでこちらを見ているのだった。


「えへへへ」

「なっ、なんだよ、その顔は」


 その男――龍二が顔を覗き込んでくるのを、気味悪そうに若干身体を引き攣らせる臣。

 こういう時の龍二は――危険だ。


「だって、嬉しいんだもん。臣が初めて笑ってくれたから」


 そう言いながら、龍二の顔がどんどん近づいてくる。


「ねぇ、もう一度、笑ってみせてよ」

「はっ? ぜってぇ嫌だ。というか、お前だけには一生見せない」


 あまりの無茶振りに、臣は龍二の手を振りほどくと、後ずさりし始めた。


「そんなつれないこと言わないでよぉ〜」


 臣が一歩下がる度に、龍二が一歩近づく。


「だから、近づくなって!」


(寧ろ、敵よりも一番、怖えーよ――!!)


「あぁ〜! 待ってよぉ〜!」


 全速力で逃げ出す臣の後を、龍二も全速力で追う。

 こちらも臣龍(ふたり)の追いかけっこが始まったようだ――


 残された隊長二人は、そんな自由過ぎる五人(なかま)を見つめている。


「あいつら、緊張感が解けた途端にこれだよ……」


 もはやお手上げというように、両掌を上げる綾人。


 と、その掌の上にひらひらと、桜の花びらが舞い落ちてきた。


 ふと見上げると此処にも、何本もの桜並木があった。

 行きは緊張で目にも止めなかったが、今こうして見ると改めて綺麗だと思った。


 桜の森に武士櫻と、これまで幾つもの桜を目にしてきたが、やはり何度目にしても飽きることなく、桜は美しいと思うのだった。


 すると、左袖を風になびかせながら、直樹がそっと綾人の右肩に手を置いた。


「綾人。こんな俺だが、今後ともよろしくな」


 そう言った直樹の表情は真剣だったが、その瞳は優しい目をしていた。

 綾人も凛とした表情で、直樹を見据えて言った。


「こちらこそ、まだまだ未熟者の俺だけど、今後とも隊長としても相棒としても、よろしくな。直樹」


 その言葉に直樹が目尻を下げて、笑みを浮かべた。


「おう」


 直樹が拳を突き出す。綾人も同じく拳を突き出すと、拳と拳を突き合わせた。

 改めて隊長二人の絆が、より一層深まった気がした。


 いくら個々の力が凄くとも、一人の力では限界がある。

 一人より二人。二人より三人。多くの力が集まれば、無限大の力が発揮されるのだ。

 桜だってそうだ。

 どんなに美しくとも一輪だけではその美しさは映えることはない。無数に集まることによって美しく咲き誇る。


 俺達七人は、この一瞬の生命を燃やしくし、強く生きる。

 この桜のように。


 綾人は桜を見上げると、そう心に誓ったのであった。


 そして、再び皆の方を振り向いて言った。


「おーい! お前らも遊んでないで、早く帰るぞ〜」


 そう仲間達に声をかけて、春の風吹く桜吹雪の中を。

 己の信じたこの道を。

 ゆっくりと歩いて行った。

【第弍章】武士櫻の闘い

遂に完結致しました!!

長らくのご愛読、誠に

ありがとうございましたm(_ _)m

ですが、武士櫻の闘いが終わっても、

三代目侍の活躍はまだまだ終わりません!

次回より番外編を挟んだあと【第参章】

スタートです!!

ぜひ、お楽しみに!!(*ΦωΦ*)

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