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S.A.K.U.R.A.~蒼の魂~  作者: 猫人間
【第弍章】武士櫻の闘い
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その参―猛犬と烏―

 武士櫻の裏手、櫻門北広場――


(む、今度は……)


 恭徳が直感した途端に、突如――

 闇の幕が裂け、鋭い太刀風と大兵の男が、矮軀の恭徳を押し潰さんばかりに襲いかかった。

 ぱっと、恭徳の体が変わる。


 二の太刀を振りかぶった大男が、微かに呻き、打ち込みかねた様子だ。


 見るからに頼りなさげな容姿と見て、必殺の一撃を送りこんだのに、これを事もなげにかわした恭徳に大男は驚いたらしい。

 しかし驚いたが、もはや引込みもつかぬ。


「やあ!!」


 大声を発し、猛然として掬い切りに斬りつけて来た。

 さっと恭徳の矮軀が沈み、同時に相手の胴目掛けて、一刀を叩きつけた。

 大男は刀を落とし、恭徳を見つめたまま、がくりと膝をついた。


 糸のように細い目に邪悪な光を宿す男だった――


 そして、男の身体は勢いよく横転した。


 恭徳は刀を引いた。が、背後に忍び寄る殺気を感じたのは、その瞬間だ。

 恭徳は体をひねり、背後に迫るものを斬った。

 敵の一人がどさりと呻き声一つたてることなく倒れ伏した。


 しかし、間を置くことなく、次の敵が恭徳を襲う。


 この戦場の真っ只中、息をつく暇などなかった――


 ***


 櫻門屋根の上――


 龍二はすっと柄に手をかける。

 二人の覆面の男も龍二を見据えたまま身構えている。


 ――シュッ!!


 覆面の一人が隠し持っていた手裏剣を投げつける。

 龍二は素早く刀を抜き放ち刃先で弾くと、敵の胴を目掛けて振りかぶり薙ぎ払った。


 ――ドサッ!!


 敵が屋根から落ちていく。


 その直後――


「うぉおぉおぉ!!!!」


 もう一人の敵が勢いよく刀を抜いて龍二に猛然と迫る。


 ――ガキンッ!!


 金属音が響いた。

 龍二と覆面男はお互いに刃を交わし、押し合いながら均衡を保つ。

 触れ合う刃はカチカチと震え鳴く。

 しかし力は相手の方が上だった。

 龍二は徐々に押され始める。


「さぁて……」


 龍二の口元に笑みが浮かぶ。


 ――カキンッ!!


 龍二は男と交えた刃を弾き、がら空きになった腹部に狙いを定め切っ先を振るった。


 敵が倒れ視界から消える。

 素早さならば龍二の方が上だった。


 龍二は地を蹴り出し烏の如く宙を舞い、その下の黒い群衆の中へと身を投じた――

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