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残月の彼方――愛は欠けた月を満たす光  作者: 月原 悠
第三章 対峙

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第23話 仮面

僕はなすすべがなく、自宅へ帰った。

けれど、心は少しも帰ってこなかった。


あの部屋の中に残されていた香りと、

すみれの花と、ショパンの調べが、

いつまでも胸の奥に残っていた。


その夜はひどく長く感じた。


翌日、会社でのことだった。


同僚がテレビを見ていた。

そして、ぽつりと呟いた。


「日本の次期総理も決まったな。知性もあるし、

年は重ねているのに若々しいよな。落ち着いていて、穏やかな表情だし」


僕はすぐにテレビを消した。


「おい、何をするんだ、今、いいところじゃないか」


同僚はすぐにテレビをつけた。

倉沢の演説している姿が映し出され、その音声が耳に入った。


「今や日本には、国民の豊かな生活と福祉が何より大事です。

さらに、何より政治は優しさが求められているのです。

弱い立場にある人々を、私たちは決して見捨ててはなりません。

私は、清潔で開かれた政治を実現していきたいのです」


倉沢の声が僕の心に暗い影を落とした。

何より、強い憤りを感じた。


僕は何もできないのか。

由香里さんはどこにいるんだ。

今の彼女の苦しみが伝わってきた。


僕は何かできることがないか考え続けた。

由香里さんを守らなければいけない。

そう、強く思った。


そして、僕は決心した。

堂々と対決しようと。

この身に何が起きようとも、由香里さんを守る。


僕は会社を後にして、

気づくと倉沢がいる議員会館へと向かっていた。


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