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残月の彼方――愛は欠けた月を満たす光  作者: 月原 悠
第二章 想い

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第17話 不穏な影

倉沢と名乗る方のおかげで、僕らは自由に交際することになった。

由香里さんの父親も、僕に対する態度を一変させ、許可を出した。

それでも、僕の胸の奥には、

小さな不安が消えずに残った。


交際が再び始まって約半年が過ぎた。

不安を抱えながらも、僕らは愛を育んでいた。


ある日、由香里さんの表情が曇っていた。


「どうしたの、元気がないじゃないか?」

「拓真さん……気のせいかもしれないのですが、

誰かがいつも、私の後をつけているような気がするのです。

私の思い過ごしだといいのですが……」


結局、その理由はわからないまま時が過ぎた。


僕は土木作業を辞めて、待遇の良さで会社員になった。

そして、経理をまかせられていた。


ある日のことだった。

僕の上司の声が鋭く響いた。


「拓真君、この数字がおかしいんだ」

「そんなはずはありません」

「いや……これは君しか扱えない口座だ。まさか……」

「いえ、昨日までは計算は合っていました」

「まさか、君は……」

「いえ、違います」

「残念だよ。私は君を信頼していただけに……」



拘留所の窓から、細い光が差していた。


僕は由香里さんのことを想っていた。

僕は何もできない。

無力だ。無力なんだ。

由香里さんを守ることすらできない。


そんな思いが、静かに僕の胸に沈んでいった。


拘留期間中のことだった。

面会を告げられた。


「拓真さん……」

「由香里さん、僕は無実だ」

「どうして……」

「それがわからないんだ」

「私は信じています、信じています……拓真さんのことを」

「由香里さん……」


面会時間は僅かだった。

僕は自分自身がわからなくなった。


裁判は長く続いた。

僕は無実を主張し続けた。


ある日だった。

由香里さんの面会の時のこと。


「拓真さん、私、このままだと……」

「どうしたんだ?」

「それは言えません……」

「言ってくれ」

「いやです。拓真さんと別れたくありません」

「どうして……」


由香里さんの涙が、いつまでも僕の胸に刺さった。


しばらくして、弁護人から告げられた。


「どうやら、君の無罪が確定したよ」

「本当ですか? でも、どうして、急に」

「それは、言えない……言えないんだ」


僕は釈放された。

しかし、由香里さんと連絡が取れなかった。

そして……

僕の元にある人物が現れた。


「拓真君、よかったじゃないか」

「倉沢さん……」


僕の失った代償はあまりに大きかった。


ここからストーリーは大きく動きます。

次章まで、少しお時間をいただくかもしれません。

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