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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第1章 ダンジョン現る
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第7話 帰還するダンジョンマスター

「急いでダンジョンに連れて行ってくれ。俺がコアを止める」


「任せろ、既に戦闘機を用意している」


 外交ナンバーを付けた黒塗りのバンは大急ぎで空軍基地へと向かった、外交ナンバーを付けているので、信号も交通ルールもガン無視だが、日本の警察にはアメリカ国旗を揚げた車を止めることは出来なかった。 基地に入ると俺は、ハンガーから出されてタキシングしているアメリカ空軍のF-35B複座型に乗せられた。と言っても、戦闘機に乗るには色々な装備が必要な様で、車から降りた途端にヘルメットとGスーツを2名の係員に着せられて、コクピットに押し込まれて各種装置を装着してもらいヘルメットを叩かれ準備完了の合図をしてもらった、着替え時間僅か3分、素早いクルー達の動きだった。


「35Bに複座が有ったのか始めて知った」


「秘密だったからね、今回初投入だよ。それじゃ、又、向こうで会おう!」


 非常事態になったら軍って奴は秘密兵器がドッサリ出てくる事は知っていたが、まさか自分が体験するとは思わなかった。まあ日本の自衛隊は金も無いし、規則で雁字搦めなので秘匿兵器すら持って無いだろうが。アメリカは世界最強の軍なので表に出ない兵器を山程持っているのは常識で、本番になったら何処からともなく出てきて相手を叩き潰すのだ、本当に怖い兵器は表には出てこない兵器なのだな。思えば湾岸戦争の時のトマホークによる攻撃やステルス爆撃機の投入には驚いたもんだ、それにA-10の活躍ときたら・・・・・・いかんいかん何を言ってるんだ俺は、Aー10を語りだすと長くなるから止めておかなくちゃな。


 そしてFー35Bが離陸する、戦闘機の離陸速度は旅客機とは大違いで、物凄いGが掛かっている。今回の離陸は直ぐに機首を上に向けない戦闘離陸で、地上スレスレで速度を上げて急激に機首を引き上げる本気モードの離陸だったので尚更Gが凄かった。そしてアットいう間に高度1万mに到達してスーパークルーズに移行する、これなら1時間ちょっとで九州に着きそうだ。そして音速を突破して機内が静かになってから、前席のパイロットから状況説明を受けた。


「ヘイ! 聞こえるか?」


「聞こえる」


「今の状況を説明する、お前さんは閉じ込められてて知らないだろうからな。よく聞け」


 今から2日前、突如として封鎖部隊からの連絡が途絶えた。日本政府に問い合せたが、日本の自衛隊も連絡を絶っていると言う事だった。そこで事態を重く見たアメリカ軍はグローバルホークを飛ばして周囲を偵察してみたが封鎖部隊は一人も発見出来なかった、その後グローバルホークは正体不明の攻撃を受けて撃墜されたのだそうだ。

 そして昨日になって、封鎖部隊の隊長マッケンジー大尉から連絡が入り、封鎖部隊の隊員全員がダンジョンに拘束されている、ダンジョンマスターを返さないと全員殺されると言う連絡を受けたのだそうだ。


「早く人質を助けないと危ないから、君の政府に状況説明を求めたんだが、まるで要領を得ないんだよ。それで今回強引に誘拐したって訳さ」


「成程ね~、どうせ遺憾に思ったり、前向きに対処してるって返答だったんだろ?」


「良く分かってるじゃ無いか、知ってたのか?」


「いや、聞いてないけど。あいつ等は同じ事しか言わないからな。皆が忘れるのを待ってるんだ」


「忘れるわけ無いだろ」


「ハハハハ、それが日本人は忘れるから不思議なんだよ。何度でも騙されるんだ」


 俺には政府の混乱が見える様だった、内部で責任の押し付け合いが始まって誰が生贄になるかでもめていたのだろう、隊員の身柄より自分の天下り先や財布の中身にしか興味が無い連中ばかりだからな。まあ俺が疲れてるから妄想を見たんだろうな、うん、絶対そうに違いない。


 そして九州上空で徐々に高度を落としながら目的地点へと近づいてゆく。俺がパラだったら輸送機から降下って手段も有ったのかもしれないが、そんな高等技術は持ってないしタンデム降下なんかしても風で何処に流されるか分からないから、この35Bによる輸送って奴は最高の方法だった、そして此れはアメリカにしか出来ない芸当なのだな、地上最強は伊達では無いって事だ、羨ましい。


「降りるぞ、降りたら直ぐにコクピットを開ける」


「了解した」


 ダンジョンの直ぐ傍にあるヘリパットに向けて35Bが降下してゆく。エンジンからのジェット気流で周りに有ったものが全て吹き飛ばされている、人間が立っていたら一瞬で吹き飛ばされる気流なのだ。


「着いたぜ、料金はつけとくからな! 死ぬなよ」


「OK,今度ステーキとバーボン奢るよ!」


 気の良いパイロットに挨拶してコクピットから飛び降りた俺はダンジョン目掛けて走り出した。35Bは俺を下ろすと直ぐに上昇を開始した、こんな所には一瞬だって居たくないのだろう。


 そして走り込んだダンジョン入口にはコア子と見慣れた奴が立って居た。身長2m50cm黒いマントを羽織った金色のスケルトン、このダンジョンの最強の戦力ノーライフキング、通称キング頼りになる相棒だ。


「マスター、お帰りなさいませ」

「邪王様、良くぞご無事で、吾輩心配しましたぞ」


「おう、今帰った。苦労を掛けたな、助かったよ。それで外にいた連中はどうした?」


「外で殺っちゃうとポイントが入りませんので、中に入れております」

「ふふふ、大丈夫ですぞ邪王様、邪王様の獲物は全て生かしております。吾輩、邪王様の獲物を横取りしたりはしませぬ故」


「ふへ~、良かった。生きてるんだな?」


「勿論です」


 どうやら封鎖部隊の虐殺は行われていないらしい、そもそも現場の兵士は全然悪くないのだ。上から命令されて忠実に給料分働いているだけだからな。悪いのは俺を監禁して、俺の私物を盗んだ連中なのだ。


「どうやって全員捕まえたんだ?」


「吾輩の睡眠魔法で全員を眠らせて、スケルトン達に運びこませました。連中の中に魔道師が居なかった様で造作も無かったですな」


「そりゃあアメリカ軍でも魔道士は持っていないと思うぞ、そもそもこの世界には魔法って無いしな」


「何と! 魔法が無いとは、変わった世界ですな。どうやって生きているのですかな?」


「まあ何とか細々と生きてるよ」


 そう言えばキングは魔法の使い手だった、アメリカ軍がいくら頑張っても魔法は感知出来ない、感知出来ないから抵抗すら出来ずに魔法に掛かるって訳だな。この世界に魔道士や勇者でも居ればキングと戦えるだろうが、聞いた事が無いから多分居ないのだろう。この世界では魔法はチート能力って奴だ。さて、防衛部隊に会いに行こうか、早く安心させてやらなくてはな。


「コア、捕まえてる兵士達の所に案内してくれ、話をしないとな」


「分かりましたマスター、もしかして開放するのですか? 300人程居ますから結構なポイントに成って美味しいのですが」


「開放するけど、その前にする事が有るんだ」


「ふふふふ、邪王様の薄ら笑いはゾクゾクしますな。吾輩楽しみに成って来ましたぞ」


 

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