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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第1章 ダンジョン現る
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第5話 復活のダンジョンマスター

 ダンジョンに帰ってきた俺はテンションがマックスだった。ここならば何の遠慮も要らないのだ、なにせここに居る人間は俺一人なのだ。


「ワハハハ~!!! 帰ってきたど~!!」


「マスター、興奮しすぎです。血圧が上がりますよ」


「それもそうだな」


 一瞬で普通に戻る、俺の気分はとても変わりやすいのだ。帰って来たのは良いのだが、以前とは色々と変わった点がある。それも非常に気になる点が・・・・・・


「なあコア、地下2階が真っ暗だったけど何でだ? あんなに沢山いた人間達も居ないし」


「節約の為に照明無しです、人間達は向こうに置いてきました」


「節約は良い事だな、うん。でも人間達を向こうに置いてきたって?」


 それから俺は向こう側でのコアの頑張りを聞く事になった。俺が創造神によってこちら側に返された後、コアは何とか俺を取り戻そうとしたが駄目だったそうだ。だからコアは俺を向こうの世界に呼ぶのでは無く、自分がこちら側に来る事にしたのだそうだ。

 そして3年程ポイントを貯め続け、1000億ポイントを使って俺の居るこの世界へダンジョン毎転移して来たのだそうだ。


「ほえ~!! スゲ~な、頑張ったんだなコア」


「頑張りました! でも中の人間や獣人達はポイントが足らないので置いてきました」


「まあ、その方が良いだろう、いきなり知らない世界に来るのは大変だからな。ここもそんなに良い世界って訳じゃ無いからな」


「でもそのせいで、ダンジョンポイントがすっからかんです。マスター」


「それで節約してたのか・・・・・・任せろ、俺がポイント稼いでやるよ」


「ふふふ、殺っちゃいますか?」


「いや、殺らないからな、平和的に行くからな! 勝手にヤルなよ」


 コア子は恐ろしい、元々ダンジョンコアなのでダンジョンに入って来た生き物は全てコアの獲物なのだ。生まれついての捕食者、それがコアなのだ。


「キングとバル子も居ないけど、置いてきたのか?」


「キングはマスターが居ないので拗ねて冬眠に入りました、アバズレはご飯を食べ過ぎるので封印しました」


「おいおい、バル子が可哀想だろ。アイツは食うのが楽しみで生きてるんだから」


「アイツはご飯食べ過ぎです、毎日1万ポイント位食べるんですよ! お陰でポイントが貯まりません」


「世知辛いな~、飯は何とかするから封印解いてやってくれ」


「仕方ないですね、ポイントが貯まったら解いて上げます」


 どうやら封印を解くにもポイントが居る様だ、これは益々ポイントを稼ぐ方法を考えなくてはなるまい。俺はダンジョンに入って来た生き物を殺してポイントに替える趣味は無いので、ダンジョンにお客さんを呼ぶ方法を考える事にした。


 向こうの世界ではこっちの世界のカレーとか香辛料とかを出して人間と取引をして儲けた、でもこの世界でレトルトカレーを出しても見向きもされないだろう。だからこの世界の人間達が珍しくて欲しがる物が必要だ、それを武器にここのダンジョンに人を呼ぶのだ。場所が少し辺鄙だが、それを考慮してもここでだけ手に入る魅力的なもの、そして何よりポイントが少ししか掛からない物が良いな。


 さて考えるか・・・・・・ポク・ポク・ポク・ポク・ち~ん!


「コア、ポーションと毒消し頂戴、1本づつ」


「何するんですか? こんなもの」


「売ってくる」


「大した物じゃ無いですよ、1本3000ポイントですから」


「任せておけい! 凄く高く売ってやる!」


「マスター、そんなに悪い顔をすると人間達が逃げますよ」


 不思議アイテム・ポーション、体の傷が一瞬で治る不思議アイテム。それに毒消し、これまた飲んだだけで体に回った毒が無くなる不思議なアイテムなのだ。これはこの世界では見た事も聞いた事もない万能薬だった、実は欠損を回復する上級ポーション等も持っているが、こういう時は少しずつ手の内を晒して値段を釣り上げるのがセオリーなのだ。折角マスターに復帰したのだから、これから俺はダンジョンの発展の為に生きて行くつもりだ、ふふふ、人間を辞めてダンジョンマスターとして頑張るのだ。


「じゃあ行ってくる、期待して待っておけい!」


「いってらっしゃいませ、マスター」


「フハハハハ~!!! 転移!」


 高笑いをして無理やりテンションを上げた俺は転移で地下2階層へと向かった。そしてトボトボ階段を上りながらおっかなビックリ入口を見る。入口にはアメリカ軍と自衛隊の銃口が向いているから怖いのだ。何かの間違いで誰かが引き金を引くと、こういう場合は周りが釣られて撃ち出す事を俺は知っているのだよ。


「お~い! 誰か居るか~!!」


「誰だ!」


「オレオレ! でもオレオレ詐欺じゃ無いよ」


「候補生か! 無事か!」


「無事だから撃たないでくれよ~!」


 両手を上げてゆっくりと入口から見える場所に行く。物凄く怖い、魔王や邪神の前に立つよりオッカナイのだ。50口径の重機関銃や7ミリの軽機関銃に狙われている中を歩くのは普通の神経では耐えられそうに無いな。バル子やコア子なら多分銃器の銃弾も跳ね返すか躱すだろうが、俺には無理だからな。


 そして封鎖部隊全員が見守る中に俺が出て行くと、隊長が走ってきて捕まえられて本部テントへと連行された。まあ撃たれなかっただけ儲けものだな、俺はダンジョンマスターだしな。


「良かった~! 無事だったか。心配したぞ」

「すまん! 逃げてしまった」

「先輩~! 良くぞ無事に帰ってきました!」


 皆中々良いやつで、偵察部隊の連中は俺を見捨てて逃げた事を謝っていた。まあ、俺が逃げなかっただけで、俺もここが自分のダンジョンじゃなかったら直ぐに逃げたと思うので気にしては居なかった。それに確かにコア子は兎も角、スケルトンは見た目が怖いからね。


 そしてダンジョン2階層で起こったことの事情徴収、これにはアメリカ軍の隊長も立ち会った。そして忙しく記録を取るもの、何処かへ電話を掛ける者、1時間位隊長達に色々と聞かれてしまった。そして俺はそれから超絶忙しくなるのだった。


「君は明日の朝一番で本部へ移動する。これは上層部の決定事項である」


「はあ・・・・・・また、東京ですか」


 そして何故か一人で隔離された俺は次の日の朝一番でヘリに乗せられ、東京へと連れて行かれた。


「失敗したかも・・・・・・俺が出てくるより、誰か代表を呼んだほうが良かったかも」


 ちょっぴり後悔したダンジョンマスター、だが既に後の祭りであった。

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