第4話 ダンジョン突入
沢山の応援誠に有難うございます、お陰さまで奇跡の日間6位でございます。
ダメ男君を先頭に穴の中に入った俺達突入部隊20名は、狭い洞窟の中でぎゅうぎゅう詰めになっていた。兎に角狭い、むさくるしいフル装備の男がギリギリ入れる広さしかないのだ。そして俺達3人は丸腰だったが、他の連中はフル装備なので小銃や装備品が当たって地味に痛い、そしてガチャガチャと五月蠅いのだ、陸自の連中は長らく実戦から離れているので、装備にテープを巻いて無音で行動する事等忘れてしまっていた様だった。そして俺も武装したかったのだが、素人に武器を持たせると危険だと言うことで持たせて貰えなかったのだ。まあ、ダメ男に武器を持たせるの危険だが、秋山君や俺は持っても良いと思うのだが、現場の指揮官がダメと言うなら仕方無い。精々俺達を守って貰う事にしよう。
このままでは気分が悪くなりそうなので、何もない洞窟から先に進む事になった。すぐ奥に有る階段を下りると地下2階、アメリカのデルタ中隊が全滅した場所だ。
そして階段を半分ほど下った時点で、外の部隊との通信が途絶してしまった。外部と連絡を取る為に大型無線機と市販のトランシーバーを持ち込んでいたのだが、全ての装置が外部と繋がらなくなったのだ。
「おい、どうなってるんだ?」
「駄目です、繋がりません」
「トランシーバーも駄目です」
「スマホも駄目です」
何だろう? 周りの皆が大騒ぎしている。昔の携帯電話は地下の飲み屋に行くと電波が届かなくなって使え無く成るのが普通だったので、俺には周りが大騒ぎしている理由が分からなかった。
「なあ秋山君、何で皆騒いでんの?」
「無線が使え無く成ったからですよ、先輩」
「地下だから、そりゃあ使え無くなるだろ」
「スマホやトランシーバーはそうでしょうが、大型無線機は出力が大きいから電波が届くはずなんですよ。妨害電波が出てる様子でも無いですし、おかしいです」
「ふ~ん」
無線が使え無く成ったのだが、こちらに被害が有った訳でもないし、敵の姿も見えないのでそのまま階段を下ってゆくと広い空間に出た。俺達3人は隊員たちに囲まれているので暑い、そして臭い、周りが全く見えないので非常に気分が悪かった。
「何だアレは!」
先頭に居た隊員が大型のLED照明を向けた先には巨大な建造物が建っている。高さは10m以上、幅は投光器の光が届かない程の大きさだった。
「記録班、全て記録しろ」
偵察隊の中にいた隊員2名がビデオ撮影を始め、写真班がデジカメで撮影を開始する。地下2階は外からは想像も出来ないほど広い、天井に光が届かない高さなのだ。ハッキリ言えばこれは異常だ、階段を10m程下っただけなのに、何故こんなに高い天井と空間が有るのだ?
「「!!!」」
先頭に居た隊員たちが急にざわめきだした、隊員全員に緊張が走る。全員小銃を構えて前方に向けた、ただし流石は自衛隊、安全装置は掛けたままであった。
「聖なる都に無粋な奴、死ぬ覚悟はよろしいか?」
「な! メイド!」
「うお! スゲ~美人!」
「うほ~! デカイ!」
先頭の自衛官が向けた投光器の白い光の中に、メイド姿の若い女性が突然現れたのだ。銃を向けた自衛官達は若い女性に弱いので、直ぐに銃を下げた。
「見、見えん!」
俺は自衛官に囲まれているので、問題のメイドが全然見えなかった。男達に囲まれて狭苦しい中で背伸びしてみたが、それでも見えない。
「ホホホホ、中々正直で宜しい。楽に殺して差し上げましょう」
メイド姿の美少女は高笑いを上げた後、ゆっくりと宙に浮かんだ。高さは5メートル位だろうか、スカートの中がギリギリ見えないくらいの高さだった。隊員の中には姿勢を限界まで下げて中を覗こうとしている奴が居たが、状況を考えて欲しいと思った。今はそんな場合じゃ無いだろうが!
背中から羽を生やし、宙に浮かぶ美少女。身長160センチ程で90・56・88のナイスボディ、右手には神槍ゲイボルクを持つ黒髪のメイド。何故俺がここまで相手の事が分かるかと言えば、顔見知りだからだ。
「おい! ノリノリだな、コア!」
「人間風情がなま・い・・・・・・きな?」
空中に浮かぶメイドに視線が集中している隙に俺は隊員達から離れて、メイドの前まで出てきていたのだ。そして顔見知りのメイドに声を掛けた。
「あっ~!!!! マスター!!!!」
「グハッ~!!」
いきなり飛び込んできたメイドさん、俺は受け止める事が出来ずに5m程吹き飛ばされ、隊員たちの足元へと転げていった。
「大丈夫ですか! 先輩」
「・・・・・・肋骨が2本程いったが、大丈夫だ。息すると痛いけどな」
「マスター!」
「いててて、コア、ポーションくれ、肋骨が折れたみたいだ」
コアに抱きしめられ、物凄く痛いのでポーションを出してもらう。昔ダンジョンマスターをしていた時に用心の為に大量にコア子に持たせていたのだ。肋骨骨折は普通にしてたら2ヶ月程完治まで掛かるがポーションなら一瞬で治る不思議アイテムなのだ。
「何だ彼奴、爆発しろ」
「死ねば良かったのに」
「クソ野郎が、一人だけ良い思いしやがって」
「撃とうか・・・・・・」
超絶美人メイドに世話をされている俺を見て、隊員達の不満が爆発しそうだ。何だか殺意を感じる、護衛に殺されると洒落にならないのだが。
「ああ~っと、君、そのメイドさんと知り合いなのかね?」
「ええ、まあ。知り合いです」
「私、超絶美人メイドのコア子と申します、宜しくお願いしますわ! ブルン」
「「「「オオオオォォォォォォ!!!!」」」」
隊長に声を掛けられたコア子は、立ち上がってスカートの端をつまんで挨拶をした。あざといコア子は挨拶のついでに大きな胸を揺らして見せたのだった。メイド服にしては胸が大きく開いている、あざとく腹黒のコア子のバトルスーツがメイド服なのだ。
「成程、詳しい話を聞きたい・・・・・・!!!!!」
「「「「!!!」」」」
その時地面に振動が、初めは弱い振動だったのだが少しづつ大きく成ってきている様だ。そして音のする方向を見ると薄暗い明かりがゆらゆらと近づいて来ていた。赤く弱々しい光が無数に見える。
ザッザッザッザッ
それは何者かが歩いて来ている音、いわゆる軍靴の音だった。大勢の兵士が行軍している時の音だ、周りは全員軍人なので音を聞いただけで脅威を直ぐに感じ取ることが出来た。
大型投光機の明かりの中に入って来たのは、剣と盾を持ったスケルトン。身長180センチ程で目の部分が赤く光っていた。それに続いて槍と盾を持ったスケルトン、それに続いて弓を持った者が大勢続いていた。そうアレは唯のスケルトンでは無い、スケルトンmarkⅡ達だった。そしてそれに続いてスケルトンmarkⅢやデスナイトまでこっちに歩いて来ていたのだ。
「わはははは~!! お~い!!」
俺が嬉しくなって手を振ったら、スケルトン達は剣や槍を振り回し答えてくれた。そしてこちらに向かって全速力で走り出した。
「退避~! 総員退避~!!」
「せ、先輩逃げましょう! あれはヤバイです!」
「はあ、何言ってんだ?」
全速力でこちらに走ってくるスケルトンの軍団、中には3m近い大型のスケルトンも居て中々の迫力だ。こいつらは全て俺が鍛え上げた自慢のスケルトン軍団なのだ。
「ワハハハ~!! 貴様ら中々早いではないか! わははは~!!」
「マスター、お仲間は全員逃げましたが? 良かったのですか」
俺が両手を広げて高笑いしている隙にダンジョン突入部隊は全員逃げ出した様だ、流石は精鋭、素晴らしい速さの撤退だった。
「まあまあ、逃がしてやれよ。あいつ等悪い奴じゃ無いしな」
「それより何が有ったんだ? 何で此処に居るんだよ」
「それはですね・・・・・・」
久しぶりに会ったコア子、そして久しぶりに会ったスケルトン軍団。俺は久しぶりに家に帰って来たのだ、安心した俺はコア子や仲間を連れてダンジョン最深部、自分の部屋へと転移した。




