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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第1章 ダンジョン現る
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第3話 ダンジョンマスター公募の秘密

ローファン日間一桁だと! 一体何があったんでしょう?

 航空機の中でこれからの説明を受けた。九州の基地に着陸後、へりに乗り換えて、そのままダンジョン封鎖基地まで行くのだそうだ。へりで約30分だと言っていたので九重にでも行くのかな?どちらにしろ九州にダンジョンが有るのなら九州で訓練をすれば良かったと思うのだが、これも機密保持の為なのかも知れないな。未だに政府はダンジョンの位置を秘密にしてたのだ。


 そしてマスコミや民間人達はあらゆる手段でダンジョンの位置を特定しようとしていたが、今のところ成功していなかった。これはアメリが一枚噛んでいるせいで情報統制がきつくなった為だ、アメリカ抜きなら日本政府の政治家や官僚がホイホイ機密を漏らしていたことだろう。

 そして見慣れた新田原基地へと飛行機は着陸した。これまた見慣れたF-2やFー15が並んでいる姿はカッコ良い、そう言えば基地の近くのうどん屋の天丼は不味かったな~等と余計な事ばかり思い出す。ここは航空祭の時にによく来ていたので見慣れた場所だった。


 そして連絡機から降りた俺達は、駆け足でチヌークの腹の中へと入ってゆく。マスコミが基地を見張っているので急ぐとの事だった。でもさ~走るとバレるのでは無いだろうか? 警察官の前から走って逃げると追いかけられるのと一緒でさ、ここは何事も無かった様に普通にしておくのが一番良いと思うんだよね。

 ヘリの中は暗くて狭くて煩かった、まあ快適に人を運ぶ為の物じゃないから仕方無い。それでも空を飛ぶのは偉大な事で、信号も渋滞も無いので目的地に早く着くのだ。特にチヌークなんかは機内に予備の燃料タンクを乗せると航続距離も凄い事になる優れた機体なのだな。


 そして30分ほどで目的地の山の中へと着いた様だ、周囲の木を切り倒し整地した場所に降下する。成程バレないはずだ、ここら辺は人が住んで居ない国有地なのだ、上空からも分からないように偽装のネットも貼っているので、偵察衛星から見てもプロの情報官にしか見破る事は出来ないだろう。大型のテントがズラリと並び、ブルドーザーやパワーショベル等施設科の重機も大量に並んでいたのだ。


「へ~、意外と整ってるな。山の中とは思えない位だ」


「先輩、あっちにはアメリカの部隊が野営してますよ」

「おい! お前ら早く行くぞ、腹が減った」


 飛行機の中やヘリの中では青い顔をしていた、まるで駄目なダンジョンマスター候補生、略してダメ男君が偉そうに俺達に命令している。ダメ男君は頭も性格も残念なので周りの人間も全て残念だと思っているのだ、多分親や兄弟も全て残念な一族なのだろうな。そして何故かダメ男君は周りを見下すのだ、まあ此奴はコネで入って来た奴らしいから周りからも常に浮いてるヤツなのだ。


「生意気な餓鬼ですね、チョット締めてきましょうか? 先輩」


「ここでは不味い、やるならバレない様にしないとね。秋山君」


 そして丁度昼飯の時間なので、他の隊員たちとお昼をすることになった。順番に並んでいたら、他の隊員に幹部はあっちのテントで食べるのだって教えて貰った。そう言えば来る時に3尉になっていたのだった、仕方なく大型テントの方へ向かう。テントの中よりも外で食べた方が美味しいのだがな~、特に陸自の豚汁は美味しいから好物なのだ。


 そしてテントの中にはダンジョン封鎖部隊の隊長、佐々木1尉とアメリカの封鎖部隊の隊長マッケンジー大尉が待っていた。他には現場の小隊指揮官達が20名程いた、ここは結構な大所帯のようだ。


「やあ、よく来た。飯でも喰いながら作戦の説明をしよう」


「最後の晩餐・・・・・・」


「・・・・・・」


 テントの中にいた誰かが小声でつぶやいたのだが、静かなテントの中では全員に聞こえた。テントに居た者達全員が気まずそうな顔をしていた。


「ははは、昼飯だから晩餐では無いですな!」


「そそそ、そうだね。確かにその通りだ」


 俺は空気を呼んで、場を和ませた。ハッキリ言えば空気なんてどうでも良い、早く話を終わらせて豚汁が食べたいのだ。

 そして昼飯の後で最後の秘密を隊長から教えられる事になった。


「さて、君たちには最後の秘密情報を教えておこう。ただ一人の生還者の事だ」


「ふむ、どの様な秘密が有るんですか? 隊長」


「彼はワザと敵から生かして返されたのだ、つまり彼はメッセンジャーなのだ。そしてこのメッセージによって君達は集められたのだよ」


 正体不明の穴に突入した偵察部隊は、地下2階で不気味な建造物を発見。建造物を調べに入って行った所ろで敵襲を受けて部隊は一人を除いて全て全滅、敵には銃弾が効かなかったのだそうだ。

 そして生き残った隊員の前に一人の謎の美少女が現れ、隊員に(ダンジョンマスターを連れてこい!)と言ったのだという。その一言により今回の全国的なダンジョンマスター募集計画が行われたのだそうだ。


「謎の少女?」


「物凄い美人だそうだ、特に胸が大きいらしい」


「早く行こう! 早く!」


 ダメ男君が大騒ぎしている、こいつもある意味勇者では無いだろうか。話を聞いていれば謎の美少女は部隊を全滅させた連中の仲間としか思えないのだが、ダメ男君は脳内で勝手に改変して、助けを待つ美少女とかに設定しているのかも知れない。


 一人で興奮している阿呆を先頭に、俺達は幹部連中とダンジョンの入口へと歩いて行った。ダンジョン入口はアメリカ軍と自衛隊が共同で守っていたのだが、戦力の差が凄まじかった。両軍とも土嚢の後ろに居て入口を見張って居るのだが、入口に向いている兵器の数が違うのだ。


 自衛隊   重機 1丁 軽機 2丁 対戦車ミサイル発射機 1器

       隊員数 20名 2名に1人赤外線暗視装置装備


 アメリカ軍 重機 2丁 軽機 2丁 40ミリグレネード 2丁

       対戦車ミサイル発射機 4器 ハンビー 3両

       隊員数 30名 全員赤外線暗視装置装備


「なんだかな~、アメリカと比べるとショボイよな」


「予算の額が桁違いですからね、それにこれだけ有れば何が来ても大丈夫ですよ」


「そうだと良いな」


 ダンジョン入口は高さ3m幅3mなので、この装備で十分なのだろう、足りない時はアパッチが直ぐに飛んでくるらしい、アパッチなら30ミリ機関砲とヘルファイアで戦車でも簡単に蹴散らしてくれるだろうな。まあどちらにしても幅が3mを超える10式戦車は中に入れないし、16式機動戦闘車もギリギリ過ぎて入れないのだから穴の中から出てくる奴が居ても、大した事は無いという考えの様だった。


「何グズグズしてるんだ、お前ら。早く行こうぜ!」


「随分やる気が有る様だな君は」


「当たり前だ、姫が待っているんだ。早く僕が行ってやらないと駄目なんだ!」


 突入部隊の隊長がダメ男君に皮肉を言ってみたが、彼は何も気がつかなかった。それどころか彼の脳内では正体不明の敵性の女が姫に変換されている様だった。そして俺達を守る隊員達は危険な任務なので、緊張していてぎこちない動きだった。


「先輩・・・・・・」


「俺に聞くな、あいつの考えなんて分かる訳無い。気にしたら負けだ、自分の身の安全だけを考えろ。良いな! でも俺が困ってたら助けてくれよな、俺は体が弱いんだ」


「流石は先輩、まだ冗談言える余裕が有るんですね」


「・・・・・・俺は精神は強いのだが、体は弱いのだよ」


 そして張り切っているダメ男君を先頭にして、俺達ダンジョン突入部隊20名はシズシズと穴の中に入って行った。先頭にいるダメ男君は部隊全員の暗黙の了解で、囮になって貰う事にしたのだった。



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