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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第3章 ダンジョンの咆哮
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第30話 ダンジョンマスターの苦悩

 俺の放ったゾンビ兵による推定死者は世界で1億人を超えたらしい。連日TVやネットで祭り状態になっていた。でもまあ人間は沢山いるから平気だと思う、確か10万人位いれば種族として生き残れるはずなので俺としては犠牲者の数はどうでも良い事だった。それよりも人間達の異常な脆さの方が問題だと思っていた、この程度でこの被害だったら俺が本気を出したら1年も立たずに全滅するのは確実だからだ。


「弱いな、生存競争を止めた弊害だな」


「確かにこの世界の人間は道具は良い物を持っていますが、ただそれだけですねマスター」


「まあな、大量生産、大量消費って言う変な宗教にかぶれたからな。どう見ても異常だと思うぞ、本人たちはそれが正常だと思ってるから重症なんだがな」


「あれか、盲目の世界では目が見える人間の方が異常者にされるって奴か?」


「そうだ、どこの世界にも有る諺なんだな。それだけ人間は愚かって事なのかな」


 真世界連合からは1週間に一度位の頻度で使者が来ていた。なかなか諦めない連中の様だったな、だが幾ら違う人間が来ても同じことしか言わなかった、俺と仲良くして平和にやろうって話だった。そして何か欲しいものが有るなら何でもくれるって話だった。俺がラノベの主人公だったら女とか金とか貴族にしてくれって言うかも知れないが、俺はそんなのに興味は無いのだな。女はコアやバルキリー、それにキュウちゃんが居る、人間の女より遥かに美人でスタイルが良い、そして彼女達は俺を裏切らない。そして金なんてそれこそ腐る程有る、肩書きだって世界を破滅させる程の力が有るの必要ない、この世界の連中には教えていないが勇者や魔王をぶっ殺したので、俺は大魔王って称号がついているのだ。


 最近は世界の敵意には慣れたのだが、不味いのが自分の破壊衝動だった、異常な力を持った事で自分が暴走しかけているのだ。特に人間は俺の財産を盗んで、オマケに地震で被害に有った人間まで助けてやったのに俺のダンジョンを盗もうと軍隊を30万人も送り込んできたゴロツキで到底信用出来る連中では無い。だから滅ぼしたいって思うのだ、それを踏みとどまっているのは友達の事と、俺が以前世話になった人間がいるから、それだけの理由で人間達は生き延びているだけだった。


「やべ~な、コア」


「どうしたんですか? マスター」


「何か人間達を皆殺しにしたくなって来たんだけど」


「良いんじゃないですか、何か問題でも有りますか?」


「いやいや、問題が有るだろう、種族の絶滅だぞ?」


「人間達って色々な種族を絶滅させましたよね? 意図的に殺った奴や、知らないで殺った奴とか。だから別に問題無いでしょう、生存する能力が無かっただけですから」


「何だかそう言われるとそんな気がするから不思議だな。まあ、人間が居なくなると喜ぶ動物達も居るかも知れないな・・・・・・」


 俺は一応元人間だから人類を絶滅させない理由を探しているのかも知れない、やろうと思えば今からでも始められるし、ABC兵器の内のBCはダンジョンで生成可能なので割と簡単に絶滅させられる事は知識として知っていた。ただ、何故そんな考えになるのか自分でも良く分からないから悩んで居るのだ。


 これで俺が世界征服とかハーレムとか言うものに興味がある人間だったら話は簡単だったんだがな、そんな物に全く興味が無いから返って人間達にとって悲惨な末路が有りそうなのだな。欲張りな人間の方がもしかしたら人間は安全なのかも知れない。


 人類を抹殺しようかどうしようかと一人で悩んで居るダンジョンマスター、そんな事を夢にも思わない世界の人達、知らないって言う事は幸せなのかも知れない。


「まああれだ、こんな時には気分転換が大事だな! 面白い事が有れば気分が違う方へ向くからな」


「何するんですか? マスター私は食事会が良いです」

「私も色々なものが食べたいぞ」

「ふむ、食べた事が無いものが食べたいですな」


「ではこれを食ってみるか、MRE! それもかの有名なアメリカ軍の奴だ!」


「この間手に入れた奴ですよね、山程有りますけど」

「お~あれか、あれが食えるなら沢山有るから助かるな!」

「どうやって食べるのですかな? 全部袋に入って居るので食べにくそうですが」


 某アニメで悪名が高く成ったアメリカ軍のMREを食べて見ることにする、某アニメでは悪評だが実際には食える奴も有るって話なのだ。それに最近の奴は温めて食える様に成っているらしいので興味が有った、食物は個人の好みが大きいので実際に食べてみないと本当の所は分からないからな、食事って文化だから住んでる場所で味覚も変わっちゃうのだ。


「マスター! 訳が分からん、どうやって食うんだ!?」


「俺に聞くな! 絵を見て想像するんだ、そうすれば何とかなる」


 クラッカーとかコーヒーとかは見たら分かるが、何が書いてあるか良く分からないので悪戦苦闘しながら食える様に頑張ってみる。でもまあアメリカ軍って親切なので英語が分からない人間にも分かるように絵が書いてあるのだ、食物だけじゃなくて武器にも書いてあるのが有ったりする所が多国籍の特徴だな。


「ヘイ! マスター、何してるんだ?」


「あれ? 将軍じゃん、何しに来たんだ?」


「牧場の肉持って来た、この間のお礼だ」


「マジか、今日はBBQだな」


「そんな物食ってるのか、チャレンジャーだな。もっと良いもの食えばいいのに」


 それから俺達は将軍にヒートパックの使い方や、中に入ってるマッチや紙なんかの説明を受けて無事にアメリカ軍のMREを食べる事が出来た。因みに将軍は職業柄非常に優秀でロシア軍のMRE等他の軍隊のMREの食べ方を全部知っていた。


「美味い! 美味いぞ、マスター」

「私もこれは好きかも知れんませんわ」


「吾輩はチョット・・・・・・」

「俺は・・・・・・半々かな? 美味い奴も有るが、甘すぎて糖尿病になりそうな気がする」


「俺は嫌いだ! 散々食ったからな」


 コアとバルキリーはアメリカのMREを気に入った様だ、原因は甘さだと思う、物凄く甘い食物が多いのだ。俺やキングは胸焼けがするので無理な食べ物だった。将軍は戦地で嫌になるほど食ったから拒否反応を示していた。


「で? 本当は何しに来たんだ将軍」


「いやな、最近国連の連中が煩くってな、ここに引っ越して来て良いか?」


「良いけど、ここで良いのか? 一応俺は人類の敵なんだぜ」


「俺の敵じゃ無いから気にしないぜ、兎に角俺は人に邪魔されるのが嫌なんだ。引退したんだから好きにしたいんだよ」


 何故か将軍が俺のダンジョンに住むことになった、テキサツの牧場に毎日真国連の人間がやって来て牧場どころじゃ無いのだそうだ。それに協力しないと非国民扱いされるのに頭に来ているらしい、人類を滅ぼすなら手伝うって話だった。このオッサンも物凄く短気なのだ。

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