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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第3章 ダンジョンの咆哮
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第28話 国連軍壊滅そして首都崩壊

 ひたすら部下サービスをして時間を稼いだ俺、胃に穴が開きそうな目に会いながらも何とか頑張り抜いた。と言っても毎日コアやバル子と温泉に入って美味しい物を食べてTVを見たりネットをしたり、はたまたトランプ等をして遊んでいただけなのでブッチャケ大した苦労では無かった、むしろコアやバル子と温泉に入るのは楽しいので毎日これで良いと思っていた位だった。だが楽しい毎日は長くは続かない、国連軍がついに地下16階層、海の階層に辿り着いたのだ。


「オ~! シット! ブルシット!!!」

「ファ○! ファ○! ファッ~○!!!!!!」

「ジーザス!」


 国連軍の先行偵察隊は地下16階層の一面の海を見て悪態をつきまくっていた、それはそれは汚い言葉でここには載せられない程であったのだ。そして彼等は海を渡るために本国に船の手配をするように要請した。


 日本中のゴムボートや小型の船舶が政府によって買われ、小型船舶業界はバブル景気に湧いた。そして集められた大量の小型船舶は、軍の輸送隊によって地下16階層にピストン輸送されて行った。この輸送でも工兵隊の造ったダンジョン内の道路や橋は大活躍で、工兵の力が無ければそもそも砂漠地帯を突破する事は出来なかった。しかし、工兵達の頑張りのお陰で大量の戦略物資がダンジョン内に運び込まれる事にもなった事はある意味皮肉な事でも有った。


「お~、いっぱい来たな、船。俺クルーザーとか欲しかったんだよ、操縦出来ないけど」


「あれで海の上を走ると気持ちよさそうですね、マスター」


「そうだな、ついでに海の中に美味しい魚でも飼って、魚釣りでもして食べるのも良いな。自給自足って奴だ、趣味と実益を兼ねて良いことだ」


「そんじゃ、そろそろぶっ殺すか!」


「ハイ、マスター」

「グフフフ、それでは私めが一発・・・・・・」

「私も何時でも行けるぞ」


「キングは死んだ兵士達をゾンビ化する為に魔力を温存しといてくれ、今回は俺とコアでやる。バルキリーは待機、お前が殺ると兵士がバラバラになるからゾンビに出来なくなるからな」


「出来るのか? マスターに」

「不敬な! 邪王様に不可能はない! 魔王や神ですら邪王様に勝てないのだ、虫けら共など蠅や蚊を叩き潰すのと同じである」


「フハハハハ~!! 流石キング、俺様の事を良く分かっているな。 では俺の真の力を見せてやる、刮目せよ! そして俺の無慈悲な強さに恐れおののけ世界よ!」 


「行くぞ! コア」


「はい! マスター」


「ダンジョン内の空気の成分を変更する、地下2階層から地下16階層までの酸素濃度を21%から0%、窒素濃度を78%から99%に変更せよ!」


「了解しました、成分変更します。5・4・3・2・1、成分変更完了しました」


「地下2階層にスケルトン部隊を配置、逃げ出す部隊を殲滅せよ」


「了解しました、スケルトン部隊を地下2階層に転移、逃走部隊の掃討を始めます」


 ダンジョンの中は全て俺の支配空間、兵士達はただ俺が好意で生かしておいただけなのだ。空気中の酸素がゼロになった兵士達は呼吸が全く出来なくなった、正確に言えば呼吸は出来る、ただ酸素が空気中にはいってないので肺に取り入れても意味が無いだけだ。 中には毒ガスと思ってガスマスクを素早く付けた兵士もいたが、残念ながら毒ガスでは無いので意味が無かった、生きたければ酸素マスクが必要なのだ

 人間の兵士達は1分位でドンドン倒れて気絶していった、中には3分程耐える者も居たが無意味だった、酸素があるダンジョンの外に出るには何日も掛かる、何日も息を止めて活動できる人間は残念ながら国連軍には居なかったのだ。

 そして地下2階層では異変に気がついて逃げようとした兵士が少数いたが、呼吸も睡眠も食事も必要のないスケルトン部隊によって簡単に殲滅されたのだった。30万人の国連軍が全滅するのに要した時間は1時間も掛からなかった、そしてダンジョンの被害はゼロだ。


「ふはははは~! 見たか愚か者共! 貴様らは俺の慈悲で生きていただけの存在なのだ」


「凄い・・・・・・マスターって実は強かったんですね」

「これは・・・・・・」

「ククククク、流石は邪王様、私めの暗黒魔法等遊びにしか過ぎませぬな」


「キング、全ての兵士をゾンビ化せよ! 攻撃されたのだから、お返しせねば失礼に当たるからな」


「ご命令のままに、邪王様」


 ダンジョンに入り込んできた兵士など何人居ても敵では無い、俺はダンジョンの中では無敵に近い。勇者も魔王も邪神でさえも俺には勝てなかったのだ、人間如きが俺に勝てる訳は無い。そして人間は俺が手を差し伸べてやったのに、手に噛み付いたのだ。馬鹿な犬にはお仕置きをせねばなるまいて、無闇矢鱈と周りを噛み付く狂犬になるからな。

 そしてダンジョンの外では、国連軍の兵士がバタバタと倒れてゆく現象を見て人々はパニック状態に陥った。だがダンジョンの外に送られていた画像も直ぐに途絶える事になった、スケルトン部隊が有線ケーブルを切断したのだ。これで又ダンジョンの情報はゼロになり、国連軍の司令部や各国の首脳たちも何をすれば良いのか分からなくなった、そして何時もの通り無能な人間達が無駄に多く集まり何時間も会議を続ける事態になったのだった。


 その1方、意思決定がダンジョンマスター1人が握っているダンジョンでは、直ぐに次の計画が始まっていた。30万人が死んだ次の日には早くも、全ての国連軍兵士達はゾンビ兵として再び蘇ったのだった、今度はダンジョンの敵ではなく、人類の敵として。


「邪王様、30万人のゾンビ化、全て終わりましてございます」


「ご苦労だった、キング。しばらく休んでおけ」


「さて、ではゾンビ君たちに頑張ってもらおうか、元の10倍位強くなってるから恨みを晴らすのに丁度良いだろうね」


「どうすれば良いのですかマスター」


「敵の首都にゾンビ兵を送り込む、ダンジョンの中だけで戦争をしようという甘い考えを叩き潰してやる。そして自らの愚かさの代償を払わせるのだ、自らの命でな!」


「ハイ、マスター。各首都にダンジョンからの回廊を伸ばします5・4・3・2・1、繋がりました」


「ゾンビ兵、全軍出撃!」


 俺は攻撃して来た国15カ国の首都に2万人ずつ均等にゾンビ兵を深夜に送り込んであげた。俺って平等主義だから差別をするのは良くないって思うのだ。それに首都って外部からの攻撃に物凄く弱いのだな、無駄に人が多いから食料や電力、その他諸々の流通が止まると中の人間は簡単に全滅するのだ。普通は少し位頭の良い人間がいて、危機管理として首都機能の分散とか考えそうなものなんだが、金に目がくらんだ馬鹿しか居ないから際限なく人間を増やすのだ。そして経済活動には効率的でもあらゆる災害に対して無力な街が出来上がるのだった。

 15ヵ国の首都で暴れまわるゾンビ兵達は強かった、最新の軍用兵器を持っているので、ゾンビ兵を止めようとした警官隊は一瞬で全滅し、携帯用の対戦車ミサイル、RPG等を街中で使われ首都は全域で火災、そして空を飛ぶものは携帯用対空兵器で撃ち落とされ首都から逃げ出せるのは外辺に住む者達だけだった。

 ゾンビ兵を向けられた15カ国の首都は僅か3日程でゾンビ達によって崩壊させられたのだった、そしてこれを知った世界はパニックに陥った。なにせ今でも続々とゾンビが増えているのだ、騒がない方がおかしいってものだ。


「アハハハ、すげ~困ってるな。アナウンサーが青い顔して喚いてるぞ」


「何を今更ってやつですね」

「あいつ等、もしかして自分たちは安全だと思ってたのか?」

「自分たちに関係無いときは知らぬ顔をしておいて、自分たちに被害が出ると泣き喚く。まるで餓鬼ですな、情けない」


 俺を攻撃して来た国は大変な事になったらしい、酷い所はGDPの半分位が吹っ飛んだ様だ。まあ。金なんて食えないし持っていても仕方無い時代になったのだから問題無いな。ゾンビ兵が首都に現れた瞬間に核攻撃をしていれば被害が最小限に済んだのだが、そんな決断出来る政治家は一人も居なかった、よって現在も進行形でゾンビが増え続けていた。

 そして俺は何時もの様にマンションの1室でTVを見て飯を食っていた。首都は壊滅したが、田舎では別段困った事は何も無かった、田舎って電力や食料を首都に売るほど余ってるし、それに首都から離れているからゾンビの被害も全く無かったのだ。今日も田舎は平常運転だった。




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