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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第3章 ダンジョンの咆哮
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第27話 ダンジョン侵攻作戦

 今回の国連軍は本気を出した様で、ダンジョンに侵攻してきた兵力は30万人を少し超えていた。これをバックアップする兵士や軍属を入れると軽く100万人を超える戦力を集めた様だった。そして前回と違うのは工兵が多数入った編成をしている事だった。工兵って言うと土木作業部隊とか言われる事が多いのだが、実際には戦場に橋を架けたり、道路の補修、障害物の撤去等を行う非常に大事な部隊なのだ。


「ふむふむ、あれが新型の電動バイクか、世の中進んでるね~」


「静かな乗り物ですね」


 今回の国連軍は装備品も最新型の物を大量に送り込んでいた。採用したばかりの電動バイクとか小型の土木用機材、電動の小型車両、それに各種の偵察用ドローン等など、偵察用ドローン等は小さくても1千万円位するのだが、各部隊には標準装備されていた。世界中のインフラをぶっ壊してやったから国連軍もついに本気を出した様だった。


「ありゃま、アレは高機動車じゃん。ついに日本も参戦したんだな」


 ダンジョンに続々と入ってくる小型の車両を見ていたら、陸自に配備されている高機動車が混じっていた。ついに日本もダンジョン攻撃に加わった様だ。まあ本当は参加したく無いのだろうが、国内にダンジョンが存在している以上何かしなければ世界中から非難されるから世界の世論に押されて参加したのだろうと思う。ここで自分の考えで行動出来るなら1流の国なのだが、残念ながら日本は経済以外は2流の国なのだ。


 そして十分な装備を持った国連軍は徐々にダンジョンを降りてくる、今回も落とし穴に落ちたりする人間達も居たのだが、落とし穴は工兵が橋を架けるので前回の様に大きく迂回する必要が無くなり順調に侵攻していた。まあその代わり、橋を架ける物資等を運び込まなければ成らないので、時間と金は膨大な量掛かっていた。多分この侵攻作戦の為にまた国民の税金が上がるだろうな、消費税が40%位になるのかな? まあ、どっちにしろ苦しむのは平民だけ、上級国民はその分給料を上げて乗り切るだけだろうな。


 そして俺はと言うと、何時も通り国連軍が入ってくるのをボケ~っと見ていた。彼らがダンジョンに入れば入る程儲かるし、彼等は俺のダンジョンの脅威には成らないからだ。それに今回は俺も見たことが無い色々な兵器や、人間が持ち運べる対戦車用兵器、対空兵器などがドッサリ有るので全部頂こうと思っていたのだ。そして頂いた兵器はスケルトン達に装備させれば、最新型のスケルトン部隊が出来上がり、益々ダンジョンは強くなるのだな、まあ人間達から見れば悪循環、俺から見れば自業自得って奴だ。


「マスター、また砂漠階層まで引き込んで叩きますか?」


「いや、今回はその先の海階層まで引き込もう。そうすれば新しい装備が手に入るからな」


「新しい装備?」


「海を渡るための装備だよ、船外機付きボートとか小型のホバーとか多分色々な奴を持ってくると思うぞ、全部頂いて乗って遊ぼうぜ」


「面白そうだな、今回はご飯を造る車なんかも来てるから大儲け間違い無しだ」


 今回の侵攻作戦は毎日TVで全世界に放送されていた。ご苦労な事に有線のケーブルを引き込んでリアルタイムで兵士の状態をデジカメで撮影したり、兵士のヘルメットに取り付けている小型カメラからの画像を中継してたりした。リアルタイムでダンジョンの中や、兵士の侵攻が見れるので、この放送は世界中に大いに受けた。最初の方は視聴率が100%近く有って、TV局の連中やスポンサーは大喜びしていたが、敵が出てくる訳でもなく兵士が黙々と進むだけの放送が続くので1週間後には視聴率が10%程まで落ちてしまった。

 民衆はダンジョンの事や兵士の事等全然気にして居なかったのだ、何処に有るかも分からない穴の中などどうでもよくて、自分達の日々の生活の方が忙しかったのだ。何故知っているのかだって?それは俺達が何時もの様に、ダンジョンの外の隠れ家で毎日TVを見て生活しているからだ。


「ハハハハ、マスター見てください。凄いですよ!」


「見たくね~!」


「そんな事言わないで見て下さい、私の努力の結晶ですよ! ブルン!」


「・・・・・・」


「見たくないって言っても、胸が揺れると絶対ガン見しますよね」


「当たり前だ、それの何が悪い」


 コアが俺に見せたがっているのはスクラップ帳、新聞や雑誌をコンビニから買ってきてダンジョンの情報が載っている所を切り抜いて集めているのだ。そして俺が見たくない理由は、集めている記事が全部俺の悪口の記事なのだ、読むとゲンナリする記事をコアは喜々として集めているのだな。もはや此れは俺に対するイジメみたいなものなんだが、コアはダンジョンの侵入者を殲滅出来ないストレスを俺にぶつけているのだった。


「おいおい、機嫌直してくれ。俺の胃が持たないじゃないか、俺は神経質な人間なんだぞ」


「嘘ですね」

「ハハハハ、わろす」

「グフフフ、邪王様のジョークは最高ですな」


 そう言えばこいつらに泣き落としは通用しないんだった、そんな甘い連中じゃ無いのだ。まあ俺にも泣き落としは通用しないけど。


「天気も良いしドライブにでも行こうじゃないか、美味しいものでも食べて温泉にでも入れば気分転換に良いぞ」


「まあ、そこまで言うのなら行っやっても良いんだからね!」

「お~、折角温泉県に居るのだから、温泉に入るのも良いな」

「吾輩も温泉は好きですぞ、骨に染み渡る様な気がします」


 何とか仲間の機嫌を取りながら、待ちの体制を崩さないようにする。指揮官は大変なのだ、部下が暴走しない様に何とかしながら作戦を進めなくては成らないからな。

 そしてこのまま時間を稼いで、国連軍の連中が海に来て、装備を運び込んだ時に襲いかかるのだ。そして国連軍の装備品も全部ぶんどってやるつもりだ。

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