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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第3章 ダンジョンの咆哮
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第26話 史上最大の作戦

「おォォ~!! 素晴らしい! なんて綺麗な編隊飛行なんだ!」


「また始まりましたか、マスターの病気が・・・・・・やれやれですわ」


 俺は今猛烈に感動していた。国連軍による輸送機500機による見事な編隊飛行を見ているのだ、綺麗な緊密編隊から次々に降下する兵士達、世界中の降下兵達が集合している様だ。ダンジョン上空には無数のパラが開いて空を埋め尽くしていた。


「はふ~カッコ良いな~。そう言えば同期でパラに行った奴はまだ生きてるかな?」


「叩き落とそうか? マスター」


「吹き飛ばしましょうか? 邪王様」


「駄目駄目! パラは降下中が一番弱いんだ、今攻撃したら全滅するじゃないか」


 そして空挺部隊の降下作戦が終了すると、次はオスプレイやチヌーク達ヘリ部隊による戦力の投射が行われた。各国のヘリがバラバラと爆音を響かせながらダンジョンの入口に近づいて来る、低空を高速で移動する戦闘輸送はカッコ良い、ヘリの援護にはコブラにアパッチ、それにホーカム等珍しい機体までいた。俺は空を埋め尽くすヘリの大部隊が見れてとても幸せな気分になった。


「うんうん、ここはやっぱりあの音楽を大音量で流しながらやって来る所ろだよな。朝日を背に現れるヘリ部隊って最高だぜ! テンションが上がるな~!」


「もう、うるさいですよ、、、」


「何喜んでるんだ? あれは敵だぞマスター」


「フハハハハ、あれはマスターにとっては唯の餌、敵が貢物にしか見えていない邪王様。流石は偉大なる御方、吾輩敬服いたしますぞ」


 そして興奮した俺は又々変な気を起こした、それはこう言う考えだ。人類の希望の星で有る彼等を簡単に殲滅しては面白くない、一度は殺られたフリとかをして場を盛り上げて落とすのがエンターテインメントって奴なのだ。考えてみれば俺は全然苦戦をしていない、これでは場が暖まらないではないか、苦戦して特訓して必殺技を覚えて勝つのが正しいヒーローってものなのだ。


「よし、ダンジョン最下層で特訓だ! 俺は必殺技を身につけるのだ」


「え~、メンドくさいです」

「マスターには無理だと思うぞ」

「邪王様は私に命令するだけで良いのです」


 ダンジョン地下30階層、ここは最深部の一つ手前に有る階層。主に俺がスケルトン部隊と野球をしたりバレーをしたり、戦闘訓練をする為に有る階層で、芝生が植えられ噴水が有ったりする快適な階層なのだ。因みに広さは10キロ四方程有るので、サイクリングコースなども作って体が鈍らない様にす為の場所なのだ。


「オホホホホ~! だらしないですわよ!」


「チョット、待て! 痛い! 痛いから」


 俺はコアによる容赦の無い特訓を受けていた、各種装備を付けてフルチューン状態なのだが、コアの攻撃から逃げ回るだけで精一杯なのだ。どうやら人間は元の状態が低スペックなので、各種アイテムを身に付けても大して強く成らない様だった。


「さて、次は私の特訓だな!」


「いや、もういい。辞めた・・・・・・痛いから」


「何だと! それでもダンジョンマスターなのか、情けない」


「いやいや、ダンジョンマスターってレベルが上がっても強く成らないじゃん、訓練するだけ無駄じゃん」


「「「えっ!?」」」


「あれ? 知らなかった」


「「「まさか、成長しないとは・・・・・・」」」


 3人から生暖かい目で見られた俺は少し傷ついた、だが成長しないものはしないのだ、仕方無い事は諦めて次に向かうのが正しい人生って奴だ。まあ、俺は戦闘向きじゃ無かって事だな、戦闘は部下が強いから良い事にしよう。特撮ヒーローの様に格好良く決めて見たかったが、不向きな事をすると酷い目に合いそうなので止めておこう、これも勇気ってもんだしな。それに強く成らないのは肉体的な事が強く成らないだけでダンジョンマスターとしての能力はレベルが上がるとチャント上がるのだ、例えば深い落とし穴を作れたり、より深い階層を作れたり、ダンジョンが勝手に広くなったり・・・・・・あれ? 何だか大した事無いような気がしてきたな・・・・・・まあ良い、考えても仕方無いしな。


「んじゃ、部屋に帰って飯でも造るか」


「今日は何ですか? マスター」

「暖かいものが食いたいぞ、マスター」

「吾輩は邪王様が作るものなら、何でも食べますぞ」


「寒くなったから、オデンでも作ろうかな。1杯やりながらTVでも見ようぜ」


 そして何時もの様にダンジョンの外に有る隠れ家、賃貸マンションの5階の1室へと移動する、ここは普通に人間達が住んでいるマンションで、5階の1室を偽名で借りている。1軒屋だったら周りの目が煩いのだが、田舎と言えどもマンションは隣に誰が住んでるか等住人は全く興味が無いので、俺が住んでいても全然怪しまれなかった。因みにこの部屋はダンジョンと繋がっている、部屋の押入れからダンジョン30階層に行き来出来る、これもレベルが上がったダンジョンマスターの隠れた能力なのだ。


「お~、船が集まってるじゃん! 揚陸艦にイージス艦、あれは空母か?」


「はいはい、飛行機だけじゃ無くて船を見ても興奮するんですね、マスター」

「デカイ船だな」

「人間共もやりますな、あれは凄い」


 俺の借りている賃貸マンションからは海が見える、それも港の傍なので船が良く見えるのだ。そして大体外国の戦闘艦って奴は港には停泊しない。安全な場所、港から離れた場所に停泊するのだ。だからマンションの部屋から海を眺めると多数の戦闘艦が停泊している姿が見えた。

 そして海に有るから大きくは見えないが、実物はイージス艦でも全長100mは軽く越す、つまり40階建てのビルが横たわってる様なものなのだ。空母に至っては300メートルを超し、100階建てのビルが移動しているのと変わらない、海軍って奴は陸軍と違って規模が大きいのが特徴なのだ。


「あいつ等がトマホークやヘリ部隊を運んで来たんだろうな。凄い規模だよな」


「沈めましょうか、マスター」


「やめろって、海が汚れるだろうが。あの船は燃料をドッサリ積んでるんだぞ」


「海が汚れると悪いのか?」


「海が汚れると魚が捕れなく成って、魚の値段が高くなるんだよ! 食費がかさむだろ」


「グフフ、人の命よりも食費を心配する邪王様に憧れます。ナチュラルに下衆ですな」


「・・・・・・」


 オデンを食べながら4人でTVを見ていたら、今回のダンジョン攻撃作戦をやっていた。なんでも投入される兵力は100万人を超えるのだそうだ、航空兵力による侵攻作戦としては史上最大の作戦なのだそうだ。何だか派手に成って来た様な気がする今日この頃だった。

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