十一話
少し短いです
11・調査④
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二人は必死になって駆け出していたが、ラボックが「止まれ!」と叫ぶとサーシェも止まり辺りを警戒する。
そして前方を見ると、何故ラボックが止まれて言ったのかが理解出来た。
そこには巨躯のゴブリンが仁王立ちして待ち構えていたのだ。
「フン、貴様ラ。ニンゲンノ考エル事ナドオ見通シヨ」と言い腰の剣を引き抜く。
ラボックが斧で斬りかかるが軽やかなステップで躱して巨躯のゴブリンが剣を振るうとラボックの首と胴が切り離された。
首のあった場所からは噴水の様に血が噴き出し胴体がゆらりと揺れて前に倒れた。
サーシェは直感に従ってしゃがむと、その上を剣が通過していき髪が数本切り裂かれた。
だが反応出来たのは其処までだった、振り抜いた剣をこれまた人外の速度で戻して返す剣でサーシェを切り裂いた。
こうして侵入して来た、ギルドから派遣された全ての調査員は全滅した。
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あの後イニティウムは、ダンジョンの外で侵入して来た者達の帰りを待つ者達にも刺客を放ち始末した後、当初の予定通りに境界線と言われている境目の先に居る魔物を一体力付くで捉えてこの森に離した。
あの街の人間は新たなダンジョンが誕生したのでは無く境界線の向こうからやって来た、魔物が今回の騒ぎの原因だと勘違いする様に所々に細工も施した。
後は討伐隊が来てその魔物がやられた後、暫くは大人しくしておくだけだ。
そう画策し後は結果を待つだけだ。
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-ニアサイド・ギルド-
ギルドは騒然としていた、何時も騒がしいが今回は種類が違う、何せノービスの森の異変の調査に赴いたニアサイド屈指の冒険者とギルド職員が期限の5日を切り、それから2日経った現在も誰一人帰って来ず消息不明なのだから。
ギルド長はすぐ様に近隣の町のギルドにこの事を報せた。
報せを受けた各街のギルドはCランク以上の冒険者に指名依頼を出した。
内容はノービスの森の原因究明及び生き残りの調査員の救出だ。
更にこの異変の原因が境界線の向こう側の魔物が原因の場合これの速やかなる駆除と追記されていた。
事態は一刻も争うと思われ通常よりも報酬は高く設定されたお陰か続々と冒険者達は名乗りを上げてニアサイドに向かった。
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一週間後ニアサイドの街には各地から集まったCランク以上の冒険者達で賑わっていた。
そしてこの日は計43名にも及ぶ冒険者が依頼を受けてノービスの森へと向かった。
…………
そして冒険者達が旅立ってから数日後彼らは帰還した。
今回の騒ぎの元凶はフィアースコングと呼ばれる土気色をした凶暴な魔獣であると判明した。
フィアースコングはランクにして23とBランクの魔獣だ。
フィアースコングを倒したのは集まった冒険者の中でも最も実力があり、近々Aランクパーティーに昇格するのでは? と噂のBランクパーティーだ。
これによりこの街を覆っていた辛気臭かった空気も払拭された。
だが念の為にノービスの森は3日ほど立入禁止にする事が決定したがこれには誰も不満を述べなかった。
魔獣と魔物は基本的に違いはないが、魔獣は普通の獣から魔素を大量に摂取する事で、突然変異を起こして変異した種だ。
魔物は魔素が濃く寄り集まった魔力溜まりで生まれる存在で現在でも何故生まれるのかは解明されていない。
ダンジョンも似た様な物で魔力溜まりが一定量に達すると自然と誕生するとしか、判明していない。
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イニティウムはそんな街の様子をモニターから見ていた。
このモニターは普段はダンジョン内しか映さないが特別なモンスターを召喚する事でそれが可能となった。
それはインビシブルアイと言うモンスターで戦闘能力は低く隠密に特化したモンスターで、その目に映す様子をこのモニターに反映させる事が出来る貴重な偵察用のモンスターである。
この他にも数種類こう言った系統のモンスターが一覧に載っていたが現在は他に数体だけ、召喚している。
ダンジョンも成長し、新たなモンスターや罠に環境などを追加し、階層も現在は10階層まで成長した。
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そして3日が経ちニアサイドに集まったCランク以上の冒険者が自身が拠点にしている街へと戻ったのを確認してからイニティウムは次の行動に移す事にした。
玉座の間に集まった配下の前でそれぞれに役割を課した。
隠密に特化した個体には各地に出向きどんな些細な事でも集める様にと、つまり諜報活動だ。
彼らには優先目標を設けて、一番の目的はイニティウムと同じ存在、つまり転生者や転移者の捜索を第一とした。
スクレットには自身の軍団を率いて境界線の向こう側で鍛えてくる様にと言付ける。
他の配下にも細々とした指示を出していく。
そして肝心のイニティウムはニアサイドに人化を使い人間種に化け潜入すると言った。
これには反対意見も出たがやはり自身で行く方が何かあった時の咄嗟の対処がしやすいからだ。
供回りは見た目が人に近い種族を選抜して選んだ。
服や装備類はダンジョンに侵入して来た冒険者達の物から質が良いのを選んだ。
初めはDPで召喚しようかと思ったが、それだとなんか味気ないな、とただそれだけの理由で冒険者達の装備品から選ぶ事にした。
中にはパーティーの紋章が刻んであったりしたのはそれを消して新品同然に変えた。
さて、人化するにしてもどんな容姿になるかはやって見ないとわからない。
早速試してみると黒髪赤眼で平均より上程度の容姿に平均より高い身長だが一目でわかるほどに筋肉が鍛えられており、侮られる事はないだろう程のいや、どちらかと言うと威圧感が漂う偉丈夫だ。
それに身長も平均より高いだけあり、威圧感がある。
だが、まだ侵入者の中で黒髪は見た事が無かった為に念の為に、フードを被る。
用意が出来ると、他の付いてくる二人をみるとそちらも用意が整った様だ。
付いてくる二人の容姿は男と女の姿だ。
男の方は茶髪に青眼の厳つい顔に筋肉隆々の大男といった風貌だ。
女の方は銀髪赤眼の見目麗しいがその眼光は鋭く他者を寄せ付けない雰囲気を纏っている。
そんな二人をつき従えてイニティウムはニアサイドの街を目指して歩き出す。
To be continued......




