言えない
つばさの自白から間もなく、また次のターゲットが。
今回の内容は人によって不快に感じる可能性があります。
苦手な方はご注意ください。
???「一名の自白を受理しました。」
その言葉のあと、
何も変わらなかった。
扉も、開かない。
空気も、軽くならない。
つばさは、その場に立ったまま動かない。
視線は下を向いたまま。
もう、誰とも目を合わせない。
めいも、同じだった。
ただ違うのは――
その目に、何も残っていないこと。
ゆうや「終わりじゃねぇのかよ」
苛立ち混じりの声。
スピーカーに向けて吐き捨てる。
ゆうや「自白したら解放なんだろ」
沈黙。
一瞬の、間。
???「“全員の自白”が条件です。」
淡々とした返答。
ゆうや「、、は?」
分かっていたはずのルール。
でも、現実として突きつけられると重い。
つばさが小さく笑った。
つばさ「、、意味ねぇじゃん」
力のない声。
つばさ「俺だけ言っても」
誰も返さない。
返せるはずがない。
ピロン。
また、音が鳴る。
今度は――
めい。
めい「、、っ」
肩が跳ねる。
ゆっくりと、画面を見る。
その瞬間。
手が止まった。
明らかに、固まる。
ゆうやが、それを見逃さなかった。
ゆうや「、、なんだよ」
低く、問いかける。
めいは答えない。
ただ、画面を見たまま。
ゆうや「見せろよ」
一歩、近づく。
めいが、後ずさる。
めい「、、、やめて」
か細い声。
でも、その拒絶が全てだった。
ゆうや「は?」
空気が、ピリつく。
ゆうや「なんでだよ」
めい「、、、無理」
首を振る。
明らかに様子がおかしい。
りんが、不安そうに呟く。
りん「ねぇ、もしかして」
言いかけて、止まる。
でも、全員が同じことを考えていた。
――次は、めいだ。
???「ヒントを送信しました。」
スピーカーが追い打ちをかける。
ピロン。
今度は――
全員のスマホ。
嫌な予感しかしない。
画面を見る。
そこに表示されたのは――
プロフィール画面。
加工された写真。
源氏名。
そして、投稿一覧。
「、、、これ」
誰かが呟く。
そのアカウントに書かれていた肩書き。
“在籍”
そして――
店の名前。
めい「、、、やめて」
震える声。
でも、止まらない。
画面はスクロールされる。
写真。
客とのメッセージ。
予約履歴。
全部、晒されていく。
???「記録は、消えません。」
無機質な声。
めい「違う、、、」
否定。
でも、弱い。
めい「これは、、」
言葉が続かない。
ゆうやが、ゆっくりと口を開く。
ゆうや「、、そういうことかよ」
低い声。
理解してしまった声。
めい「、、違う」
首を振る。
でも、目は泳いでいる。
ゆうや「風俗、か」
その一言で、
空気が完全に変わった。
りんが息を呑む。
つばさは、何も言わない。
ただ、目を逸らしている。
めい「、、、やめて」
小さな声。
崩れそうな声。
めい「言わないで、、、」
でも、もう遅い。
全員が知ってしまった。
ゆうや「なんで言わなかった」
責めるような声。
でも、その裏にあるのは――
別の感情。
めい「、、、言えるわけないでしょ」
絞り出すような声。
正論だった。
でも、それでも。
ゆうやは何も言い返せない。
ピロン。
また、音。
めいのスマホ。
最後の一押しみたいに。
「“正しい自白”を推奨します。」
逃げ道は、ない。
めいの肩が、震える。
ずっと、震えている。
誰も助けない。
助けられない。
めい「、、っ」
唇を噛む。
そして――
ゆっくり、口を開いた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回めいの秘密が明かされました。
ですが、このゲームの条件は全員の自白です。
つまり、まだ終わりません。




