依存
※この回には、キャラクターの過去や職業に関する描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。
言葉にした瞬間、
それは“事実”になる。
そして――
一度、外に出たものは、もう戻らない。
めいの唇が、震えている。
何か言おうとして、
でも、言葉にならない。
全員が見ている。
逃げ場は、どこにもない。
めい「、、、っ」
小さく息を吸う。
その音が、やけに大きく響いた。
めい「私、は」
途切れる。
視線が、床に落ちる。
でも――
???「“正しい自白”を推奨します。」
スピーカーの声が、逃がさない。
めいの肩が、大きく震えた。
めい「、、働いてる」
やっと出た言葉。
小さくて、弱い声。
めい「風俗で、、、働いてる」
沈黙。
誰も、すぐには反応できない。
分かっていたはずなのに、
“言葉”になると重さが違う。
ゆうやが、ゆっくりと顔を上げる。
ゆうや「、、なんで」
絞り出すような声。
めいは答えない。
答えられない。
ゆうや「なんで、言わなかった」
その問いに、
めいは一瞬だけ笑った。
自嘲みたいな、弱い笑い。
めい「、、言えるわけないでしょ」
同じ言葉。
でも、さっきよりも重い。
めい「普通に生きてる人に」
その一言で、
ゆうやの表情が固まる。
めい「言ったら、終わるじゃん」
震える声。
でも、止まらない。
めい「こうやって」
ゆっくり、顔を上げる。
全員を見る。
めい「こうやって、ゴミを見るように見るんでしょ」
誰も目を逸らせなかった。
つばさも、吉野も。
そして――ゆうやも。
めい「、、、ほらね」
小さく笑う。
壊れた笑い。
ゆうや「、、違ぇよ」
反射的に否定する。
でも、その言葉に力はない。
めい「何が違うの」
即座に返す。
鋭い声。
ゆうやは言葉を失う。
何も、返せない。
沈黙。
その空気を裂くように、
スピーカーが告げる。
???「確認しました。」
冷たい声。
???「自白を受理しました。」
めいの体から、力が抜ける。
その場に、座り込む。
終わった――
そう思った瞬間。
ピロン。
また、音。
めいのスマホ。
めい「、、、っ」
恐る恐る、画面を見る。
そこに表示されたのは――
別の“記録”。
メッセージ履歴。
相手の名前。
ゆうやだ。
めいの呼吸が止まる。
『今日もありがとう、助かった』
『お金、ほんとにごめん』
『また頼っていい?』
その下に――
送金履歴。
「、、え」
ゆうやの声が漏れる。
理解が追いつかない顔。
めい「、、、やめて」
震える声。
でも、止まらない。
???「理由を提示しました。」
スピーカーの声。
無慈悲に。
めい「違うよ、、」
首を振る。
でも、もう遅い。
ゆうやが、ゆっくりとめいを見る。
その目が、変わっていた。
さっきまでとは違う。
理解と、
疑い。
ゆうや「、、、これ」
低い声。
ゆうや「どういう意味だよ」
めいは答えない。
答えられない。
ただ、めいの涙が落ちる。
めい「、、、言いたくなかった」
小さな声。
震える声。
めい「絶対、こうなるから」
その一言で、
全てが繋がった。
ゆうやは、何も言えなかった。
言えるはずがなかった。
スピーカーが、静かに告げる。
???「記録は、消えません。」
その言葉が、
やけに重く響いた。
読んでいただきありがとうございます。
めいが働いている理由、頑なに拒んだ理由。
そして次のターゲットは誰なのか。
是非お待ちください。




