第九話 哀れで惨め
「その子を連れて、さっさと帰れ」
一軍女子を相手に、どうして強気でいられるのだろう。
ああ、怒っているからなんだなと思った。
「そんな下品な格好でウロウロするな。子どもの前で恥ずかしいと思え」
言ってしまってから違うと思った。
目の前の一軍女子は恵まれた立場を楽しんでいるだけだ。
発煙筒の燃焼時間は終わってしまったようで、辺りの霧は晴れていく。
「黙って帰れ。何か言ったら爆発するかもしれないぞ」
容姿に恵まれた人は、体型を維持する努力をしているのだろうから、それを誇示したいのなら、しても良いと思う。
あっちにはあっちの都合があって、こっちにはこっちの都合がある。
接点を持たなければ、平和な毎日を過ごせるというだけだ。
「その子を連れて帰れば、おつかいクエスト達成なんだろう。報酬を受け取って、美味いもの食って、寝ろよ」
死んだかと思った。
痴女がヤクザキックでニイの顔面を蹴り飛ばしてから子どもを連れて帰って行った。
蹴りの瞬間、ぼかしが入ってスカートの中は見えなかった。
あの女は巻き込んで爆発しても構わない奴だと憶えておくことにした。
『爆発せずに我慢できて偉かったですね。王女兼聖女を痴女扱いするのも良かったです。検定印をあげます』




