↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王教習所【毎日1話投稿、全24話完結済】  作者: 隣之 芝生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/24

第七話 どうすんの、これ

『路上教習3コマ目は緊急時対応です』


 邪神が何か言っているのだけど、ニイの頭にはさっぱり入ってこなかった。

 這うようにしてドブ川の岸辺に帰って来て、寝転がって、もう息をするのもメンドクサイ。


『発煙筒を焚いて、三角板を表示するのです』


 汚物とヘドロに塗れて、少し気力が回復したニイは変だなと思った。

 今まで悪質運転の課題ばかりだったのに、高速道路で故障した時の適切な対応が課題だなんて。

 それに、この世界に高速道路なんて有るのか?


『魔王だから平常運転でやるのです』


 目の前に発煙筒と三角表示板が現れた。

 迷惑な話だと思った。

 でも、これぐらいなら寝転がったまま出来そうだ。

 発煙筒なんて使ったことがないし、ちょっと興味が出て来た。


『発煙筒のラベルに使い方が書いてありますよ』


 ニイは感心した。

 ボタンみたいなものが付いていて、押したら煙が出るものなのだろうと思っていたのだけれど、筒から中身を引っ張り出して、マッチみたいに擦って火を点けるらしい。

 赤色の火が噴き出して、煙がモクモク出て来た。


 三角表示板を盾みたいに構えて、発煙筒を剣みたいに振ったら、ちょっとカコイイかも。

 元気が出て来たニイは立ち上がって、発煙筒を強く握ってみた。

 赤色の火が強く噴き出して、ビームサーベルみたいになるんじゃないかと期待したのだけれど、煙がモクモク出るだけだった。


『発煙筒ですからね』


 がっかりしたニイは、三角表示板を置いて寝転がった。

 発煙筒の煙は空に昇っていかず、周囲に立ち込めて、見通しが悪くなった。

 危ない。

 迷惑。


『魔王城を覆い隠す霧のようなものです。攻め寄せて来る者の方位感覚を狂わせ、背筋の凍るような恐怖を与えます』


 やっぱり、カッコイイかも。

 ニイは起き上がった。


『仮免許の魔王ですから、夏場にはヒンヤリして気持ちいいぐらいの霧ですけど』


 ニイは寝転がった。

 もう、起きないぞと思った。


『おやおや、魔王城の霧にまかれて迷い込んだ子どもが居るようですよ』


 これも緊急時対応の課題なのかな。

 嫌だなあとニイは思った。

 子ども相手でも負ける自信がある。

 どうすんの、これ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。