第二十一話 覇道爆走法制定
『四天王っぽい人材がそろったので、大魔王として演説をしてください』
いくら邪神でも無茶振りが過ぎると思う。
『アナタの自然体で構いません。言ってる事に意味なんかなくても、聞く方で勝手に解釈してくれます』
お天気の話とか、暑いねとか寒いねとか、当たり障りのない挨拶をしたらいいのかな。
『両の手を打ち合わせて、今鳴ったのは右の手か左の手か? なんて寝言を言えば良いんです。世の中すべて裸の王様ですよ。偉い人が「馬鹿には見えない服を着てる」って言えば、皆、素敵な御召し物ですねって言わないといけなくなるんです』
うーん、まあ、前から気になってたことでも話そうかな。
「ねえ、みんな、お尻は、どうして二つに割れてるんだと思う?」
リリちゃんも、クロちゃんも、キュウちゃんも、リュウちゃんも跪いて、頭を下げて、ピクリとも動かない。
反応を見て、話しを止めるか決めようと思ってたんだけど、続けるしかなさそうだ。
「ほら、オナラをする時、片方のお尻を持ち上げて出すと気分が良いでしょ。
僕の場合、いつも右側のお尻を持ち上げてするんだけど、この場合、利きケツってどっちなんだろう?
地面に接してる方のお尻が身体を支えてるわけだから、利きケツは左のお尻のような気がするんだけど、僕の利き腕は右で、利き足も右なんだよね。
利きケツだけ左っていうのは変だから、多分、持ち上げた方の右のお尻が利きケツじゃないかと思うんだ。
つまり、浮いている方の右ケツでオナラを打ってるというか、シュートしてるんだろうね。
みんなは、どう思う?」
しばらく、沈黙があったのだけど、筆頭格のリリちゃんが最初に口を開いた。
「すべての人間どもの尻を半分削ぎ落して、気分よくオナラもできないようにしてしまえという御達しでございますね」
次席格のクロちゃんが続けた。
「人間どもの勢力を二つに割って争わせ、永遠に血を流し続けさせろという思し召しでございますね」
キュウちゃんもリュウちゃんも何か言いかけてたんだけど、止めることにした。
リリちゃんとクロちゃんが「「ギギギ」」って歯ぎしりしながらにらみ合ってるから。
リュウちゃんが自分の鱗を一枚剥いで、キュウちゃんに渡したら、キュウちゃんがお薬を振りかけて、生き物が生まれた。
竜の鱗から生まれた堅そうなスライム。
スライムにはお尻みたいな出っ張りがあって、ちゃんと二つに割れてた。
僕の心臓を食べたせいで、みんなの頭が残念な代物になったのかなあ?
『大魔王国建国の理念を制定しました。検定印をあげます』




