表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/19

第17話 社交界への誘い

ある朝の事

それは朝食を取っていた時にハイサムから告げられた


「社交パーティ………ですか?」


アイリスはナイフを動かす手を止める

目を瞬かせながら尋ねると、ハイサムが頷く


「王都のブライトクロイツ公爵夫人主催のパーティに、招待されたのです。一緒に同行してくれますか?」

「はい。それは良いのですが………」

「どうしました?」


少し口籠ると、アイリスは申し訳無さそうに答えた


「私、こういった社交界に、一度も出たことが無いのです。ハイサム様に、恥をかかせてしまうかもしれません……」


下を向く彼女に、ハイサムが背中を押すように言葉をかける


「大丈夫ですよアイリス。恥ずべき事ではありません。知らないのなら、これから覚えていけば良いのです」


そう言ってハイサムは優しく微笑んでみせた


「私が付いています。自信を持って、堂々としていれば良いのです」


「………はい」


その言葉に、アイリスもはにかんだ笑顔で答えたのだった




ーーーーーーーーーーーーーー



その後、アイリスの自室にて

社交パーティの知らせを聞いたザフラーは、今から心躍らせてパーティの日を待ちわびていた


「社交パーティなんて初めてです!しかも王都に行くなんて!華やか何でしょうねぇきっと」

「ふふっ。まるでザフラーが出席するみたいだわ」


煌びやかな王都のパーティを想像し、うっとりと目を細めるザフラーに、アイリスは顔をほころばせる


「だってそれでもアイリス様と同行出来るのですもの!雰囲気だけでも楽しまなくては!」


ザフラーは浮かれながらドレスの手入れをし始めると、パーティで輝く主人を想像し始めた


「きっとアイリス様が着飾った姿は誰よりも美しいでしょうね。この美貌に全殿方が虜ですよ!……あ、でもそれは、ハイサム様がお許しになりませんね」


そう言うと、2人は顔を見合わせて笑い合う


当日はめかし込みますよー!!とザフラーは1人気合いを入れる


そんな彼女を他所に、アイリスは1つ気がかりな事があった


場所が王都、そして高位貴族主催という事は、ハルシュタイン家の面々も招待されている可能性もあったのだ


ーーーーーあの両親と妹に鉢合わせするかもしれない


微かな不安がアイリスの胸に影を落とすのだった



ーーーーーーーーーーーーーーーー



同じ頃

執務室ではハイサムとデビッドが話し込んでいた


いつもの定位置のソファに身を預けながら、デビッドは社交パーティの招待状を眺める


「王都の社交界、しかもその中心人物のブライトクロイツ公爵夫人主催かぁ。きっとお前を警戒しての事だろうな。要は辺境伯の器たる技量の人物なのか、品定めをしたいって訳だ」


デビッドの言葉に、重要書類を記入しながらハイサムが静かに答えた


「サーヴァル辺境領を制圧した時の話が、どうも歪曲して伝わっているらしいからな。必要とあらば、私を排除したいのかもしれない」


そう言って顔色を変えることなく、その書類に判を押す

するとデビッドが疑問に思っていた事を尋ねる


「だがいくら高位貴族主催のパーティとはいえ、よくお前が出席しようと思ったな。お前こういうの嫌いだろ?」

「ああ、嫌いさ」

「じゃあなんで?」

「アイリスの為さ」

「お嬢さんの?」


デビッドが身を起こし聞き返すと、ハイサムは小さく頷いた


「私はどう思われても構わないが、アイリスにあらぬ噂を立てられるのは耐え難くてね。それを黙らせる為さ」

「成る程ね。未来の奥様は我らの辺境伯様に愛されてますなぁ」


デビッドはニヤリと笑みを浮かべながら、茶化すように言ってみせる


それぞれの思いが交差する中、来たる社交パーティに向けて準備を始めるのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ