# 第59話 命の、誕生、と、千年の、決戦
***
結婚式の聖堂——
***
千年の契約のお円環の完成の、聖なる場所。
***
純白の寝台の上で——セレスティアは、穏やかに、陣痛の波と、対峙していた。
***
彼女の青の瞳に——千年の母の、絶対的な、決意の光が、宿っている。
***
陣痛は、穏やかに、しかし、確実に、強まっていく。
***
ヴォルフラム+ジークリンデ+ヴェレナ大司祭+ゲオルク+アネリーゼ+ハルトムート+腹心たちが、穏やかに、見守る。
***
帝都の高位の助産師+ヴェネシア聖印国の聖女たちが、穏やかに、医療の準備。
***
ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアの手を、握る。
***
「——セレスティア——」
***
セレスティアは、陣痛の波の中で、穏やかに、微笑む。
***
「——陛下——大丈夫、で、ござります」
***
「——わたくしは——千年の母として——お腹の中のお子様を、絶対に、お護り致します」
***
結婚式の聖堂の中央——
***
大聖女ヴェネシアの青の祈祷石が、穏やかに、置かれている。
***
第55話の祈祷の刻と、同じ祈祷石。
***
第57話のセレスティアの『母の魂の呼びかけ』の刻と、同じ聖堂。
***
四人の契約の——最後の発揮の準備が、整いつつ、あった。
***
結婚式の聖堂の外——
***
帝都の上空に、再び、『色の、無い、光』が、現れた。
***
絶対零度の、色の無い、声が、淡々と、響く。
***
「——分離の刻に、立ち会う、許可を、求めます」
***
ヴォルフラムは、聖堂の入り口の、外で——絶対零度の、最大限の決意の炎を、宿しながら——応えた。
***
「——立ち会うことは、許さぬ——!」
***
「——わたくしどもの、出産の刻に——『未知の文明』の介入は——絶対に、許さぬ——!」
***
帝都の上空+周辺——
***
帝国軍+影部隊+ヴェネシア聖印国の聖騎士団+エルディオ王国の軍+諸国の同盟軍が——穏やかに、しかし、絶対的な、防衛の体制で、配置されていた。
***
帝都を、結婚式の聖堂を、世界を——お護りする為の、本格的な、最終防衛線。
***
「——失敗確率四十九パーセント」
***
『色の、無い、光』の声は、続く。
***
「——失敗の刻に——わたくしどもは、強制的に、お子様を、回収、致します」
***
「——その刻には、わたくしどもの、提案は、既に、貴方たちに、有利な、形では、ござりません」
***
ヴォルフラムの『夜空の瞳』に、絶対零度の、最大限の決意の炎。
***
同じ刻——
***
北方の海上+辺境警備の最果ての要塞。
***
漆黒の船団=三十隻が、穏やかに、しかし、確実に、南へ、進んでいた。
***
要塞の最奥の、囚われの部屋——
***
ガルバート公爵が、穏やかに、無言で、その光景を、見つめている。
***
千年——彼が、安全圏で、計算だけを、続けてきた、その代償の刻が——今、目の前で、本格化していた。
***
彼の冷たい琥珀色の瞳に——もはや、計算の光は、無い。
***
ただ——千年の血の重みを、新たに、感じる、観察者の、刻。
***
救済では、無い。
***
罰の刻の、継続。
***
けれど——彼は、確かに、見ていた。
***
千年の獣の皇帝の血が——千年の闇から、新たな命を、お護りしようとする刻を。
***
千年——彼が、軽んじて参った——『計算+愛』の、本格的な、勝利の刻を。
***
要塞の城壁の上——
***
ヴィルヘルム・フォン・アルテンブルクが、北方辺境警備の精鋭部隊を、率いて、立っていた。
***
彼の翠玉の瞳に——絶対的な、騎士の覚悟の光。
***
彼の胸の上には——セレスティアから頂いた、銀色のペンダント。
***
第48話以来——彼が、誠実な騎士として、お護りし続けた、母のペンダント。
***
「——わたくしの命を、賭けて——」
***
「——漆黒の船団を、帝都に、近づけませぬ——!」
***
北方辺境警備の精鋭部隊が、漆黒の船団に、本格的な、迎撃を、開始。
***
けれど——漆黒の船団は、未知の文明の力で、通常の魔力攻撃を、無効化、致してしまう。
***
矢が、剣が、魔力の波が——すべて、漆黒の船体に、吸い込まれて、消えた。
***
ヴィルヘルムの精鋭部隊は、穏やかに、絶望に、晒される。
***
けれど——ヴィルヘルムは、絶望、致さなかった。
***
彼の細い手が、穏やかに、胸の銀色のペンダントを、握る。
***
(——お母様——)
***
(——お、お、お、お、お母様の、お、慈悲を——)
***
(——わたくしに、お貸しくださりませ——!)
***
その瞬間——
***
銀色のペンダントの中央の、青の小さな宝石が——穏やかに、深い、金色の輝きを、放ち始めた。
***
母の慈悲の結晶。
***
セレスティアの流転型魔力の、結晶。
***
北方で、ヴィルヘルムが、命を、賭けて、戦う、その刻に——
***
結婚式の聖堂で、セレスティアが、お腹の中の命の為に、誓いの結界を、編み始める、その刻と——
***
遠隔で、本格的に、共鳴し始めた。
***
穏やかな金色の光が——ヴィルヘルムの剣に、宿る。
***
彼の剣が、漆黒の船団の一隻の船体に——本格的に、届いた。
***
漆黒の船体が、穏やかに、震える。
***
絶対零度の、色の無い、声が、再演算を、始めた。
***
「——母の慈悲の、結晶が——わたくしどもの、観測を——超えております」
***
「——再々演算、致します——」
***
漆黒の船団の前進が、穏やかに、しかし、確実に、鈍り始めた。
***
結婚式の聖堂内——
***
セレスティアの陣痛が、最高潮に、近づいていく。
***
ジークリンデが、穏やかに、彼女のお腹を、見守る。
***
「——皇妃殿下——本格的な出産の刻が、近づいて、おります」
***
「——けれど——お腹の中の命の魂の奥の闇が——封印を、本格的に、押し破ろうと、しております」
***
セレスティアは、穏やかに、深く、頷く。
***
「——今で、ござります」
***
彼女は、流転型魔力の根幹を、お腹に向かって、穏やかに、注ぎ込み始める。
***
お腹の中の命を、穏やかに、流転型魔力の、温かさで、包む。
***
同時に——彼女は、自分の魂の根幹で——『最後の、欠片』を、本格的に、発揮し始めた。
***
母の魂の中の、最も尊い誓い。
***
『この、お腹の中のお子様の、ご無事と、幸せ』。
***
第58話で、彼女が、千年の口伝の継承者(ゲオルク+アネリーゼ)から、お預かりした、千年の知恵。
***
彼女の魂が——その誓いを、闇と、命の魂の、間に、結界として、注ぎ込む。
***
流転型魔力の温かさが——誓いの結界に、変わっていく。
***
結界が、穏やかに、お腹の中の命の魂の周りに、本格的に、張られていく。
***
同時に——ヴェレナ大司祭が、青の祈祷石の前で、穏やかに、千年前の祈祷の言葉を、唱える。
***
ゲオルク+アネリーゼも、穏やかに、千年の口伝の知恵を、結界に、捧げる。
***
ヴォルフラムも、ヴァルガルド皇家の千年の魔力を、青の祈祷石に、捧げる。
***
三人の魔力が、穏やかに、青の祈祷石を、媒介に、結集。
***
そして——
***
お腹の中の命の本能的な力も——穏やかに、応える。
***
第55話と同じく——四つの力の、結集の刻。
***
大魔女エルメリンダの『穏やかな金色の光』。
大聖女ヴェネシアの『穏やかな金色の光』。
初代ヴァルガルド皇帝の『穏やかな金色の光』。
そして、お腹の中の命の——『誰よりも純粋な、金色の光』。
***
四筋の金色の光が——結婚式の聖堂の天井に、降り注ぐ。
***
四人の契約の——本格的な、最後の発揮の、刻。
***
お腹の中の命の魂の奥で——封印が、本格的に、崩壊し始めた。
***
千年前の『無の魔』の最後の断片の、闇が、本格的に、姿を、現わす。
***
漆黒の、深い、深い闇。
***
けれど——
***
その闇は——もはや、第55話の刻の、闇では、無かった。
***
第57話の対話の刻に——セレスティアの母の慈悲によって、『一つの、魂』として、認められた、闇。
***
闇の声が——穏やかに、お腹の中で、響いた。
***
(——セレスティア——)
***
(——わたくしは、約束、致しました——侵食、致しません——)
***
(——けれど——『分離』の刻が、参りました——)
***
(——母の誓いの結界を——しっかり、お護りくださりませ——)
***
セレスティアの青の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
***
彼女の魂の中で——母の誓いの結界が、本格的に、完成した。
***
四筋の金色の光と——母の誓いの結界が——
***
お腹の中の命の魂を、完璧に、包み込む。
***
そして——
***
千年前の『無の魔』の最後の断片の、闇が——穏やかに、命の魂から、剥離し始めた。
***
結界の中で、命の魂は——穏やかに、お護りされる。
***
闇は、穏やかに——穏やかに——命の魂と、分離していく。
***
千年の闇の——千年の孤独の——終焉の刻、だった。
***
同じ刻——北方の海上。
***
ヴィルヘルムの銀色のペンダントの中央の、青の小さな宝石が——
***
穏やかに、深い、深い、金色の輝きを、最大限に、放ち始めた。
***
セレスティアの『最後の、欠片』の発揮の刻と——本格的に、共鳴。
***
ヴィルヘルムの剣が——穏やかな、深い、金色の光に、包まれる。
***
いや——剣だけ、では、無い。
***
北方辺境警備の精鋭部隊の、すべての武具が——穏やかに、母の慈悲の光に、包まれた。
***
千年——アルテンブルク公爵家が、お護りして参った『獣化の現場』が——今、母の慈悲の光に、包まれている。
***
ヴィルヘルム、穏やかに、深く、息を、吸う。
***
「——母の、慈悲、を——」
***
「——絶対に——あの、漆黒の船団に——」
***
「——超えさせませぬ——!」
***
彼の剣が、穏やかに、漆黒の船団の一隻に、振り下ろされる。
***
穏やかな金色の光が——漆黒の船体を、穏やかに、貫いた。
***
漆黒の船体が、穏やかに、揺らぎ、沈み始める。
***
精鋭部隊の、すべての武具が、穏やかに、漆黒の船団に、本格的な、迎撃を、開始。
***
絶対零度の、色の無い、声が——再々演算を、続ける。
***
「——母の慈悲の、結晶——」
***
「——わたくしどもの観測の精度では——『説明、不能』——」
***
「——成功確率——再々々演算——」
***
「——再々々々——」
***
漆黒の船団=三十隻のうち、三隻が——穏やかに、しかし、確実に、沈み始める。
***
残りの船団の前進が——穏やかに、本格的に、停止した。
***
ヴィルヘルム、絶対的な、騎士の覚悟で:「——お母様——お父様——」
***
「——わたくしは——絶対に——お護り致しております——!」
***
要塞の最奥の、囚われの部屋——
***
ガルバートの冷たい琥珀色の瞳が、穏やかに、震えた。
***
千年——彼が、軽んじて参った『計算+愛』——
***
その『愛』の力が——銀色のペンダントを、通じて、千年の北方の最果ての海で、漆黒の船団を、止めている。
***
千年の計算の、化け物の——千年の敗北の、最後の、確信の刻、だった。
***
結婚式の聖堂——
***
セレスティアの陣痛が、最高潮を、超えた。
***
彼女の細い手が、ヴォルフラムの手を、強く、握る。
***
「——陛下——!」
***
ヴォルフラム、穏やかに、彼女の額の汗を、拭う。
***
「——セレスティア——わたくしは——お前と、わが子を、お護り致しておる——」
***
「——一緒に——お、お、お、お、お、迎え致そう——!」
***
ジークリンデ+ヴェネシアの聖女たちが、穏やかに、出産を、お助け。
***
お腹の中の命の魂は——母の誓いの結界の中で——穏やかに、完璧に、お護りされている。
***
闇は——穏やかに、命の魂と、完全に、分離し始めた。
***
そして——
***
セレスティアの——絶叫、では、無い——
***
千年の母の、絶対的な、生命の、誕生の、声が——
***
結婚式の聖堂に、響き渡った。
***
その刻——
***
穏やかな、深い、新たな命の、産声が——
***
結婚式の聖堂に、響き渡った。
***
新たな、皇統の、誕生の刻。
***
同時に——
***
お腹の中の命の魂から、完全に、分離した、『無の魔』の最後の断片の、闇が——
***
穏やかに——穏やかに——
***
結婚式の聖堂の天井に向かって、立ち昇る。
***
そして、聖堂の天井から——外側に——再び、追放される。
***
千年前の、三人の契約の刻と、同じく——外側に、追放される、闇。
***
けれど——その闇の声には——
***
もはや、千年の、孤独の、震えは、無かった。
***
穏やかな、救済の、響き、だった。
***
(——セレスティア——)
***
(——お護り——お、有難く——)
***
(——わたくしは——千年——『絶対的な、悪』、と、呼ばれて、参った——)
***
(——けれど——貴方は——わたくしを——『一つの、魂』、として——お、認めてくださった——)
***
(——千年——初めて——わたくしの孤独を、お、認めて、頂いた——)
***
(——貴方の、お、お腹の中の、お子様——)
***
(——お、お、お、お、お、健やかに——お、お、お、お、お、お、お幸せに——)
***
闇は、穏やかに、外側に、戻っていく。
***
千年の闇の、千年の孤独の、終焉。
***
セレスティアの腕の中に——
***
穏やかに——
***
新たな命が、お渡しされた。
***
純白の布に、包まれた——小さな、小さな、命。
***
深い、青の瞳——母譲り。
***
穏やかな、銀色の髪の、僅かな兆し——父譲り。
***
お腹の中で、千年の闇と、対峙し続けた、命。
***
母の誓いの結界に、お護りされ続けた、命。
***
新たな皇統の、誕生。
***
セレスティアの青の瞳から、穏やかに、穏やかに——涙が、止まらなくなる。
***
彼女の魂の根幹で——千年の母の、絶対的な、震えが、宿った。
***
歓喜と、慶びと、深い、深い、生命の、奇跡の、震え。
***
「——お、お会いできました——」
***
たった一度の『お、』。
***
本話の、すべての刻を通じて——この、一打のみ。
***
千年の母の、最も尊い、初めての、邂逅の、震え。
***
「——わが子——」
***
「——本当に——本当に、お会いできました、わ」
***
吃音は、一切、無い。
***
ただ——千年の慈悲の母の、最初の、絶対的な、愛の、響き、だけが、宿っていた。
***
ヴォルフラムが、穏やかに、彼女と、新たな命を、抱きしめる。
***
彼の『夜空の瞳』から——穏やかに、深い、感動の涙が、滴る。
***
「——セレスティア——」
***
「——わが子——」
***
千年の獣の皇帝の——千年の孤独の系譜の——最も深い、慶びの刻、だった。
***
結婚式の聖堂に=穏やかな、深い、新たな命の、息吹が、満ちている。
***
四筋の金色の光が——穏やかに、新たな命の上に、降り注いでいる。
***
大魔女エルメリンダ+大聖女ヴェネシア+初代ヴァルガルド皇帝+お腹の中で千年の闇と、対峙し続けた、お子様——
***
四位一体の、金色の光の、本格的な、定着。
***
帝都の市民+大陸全土が——新たな皇統の誕生に、穏やかに、歓喜の声を、上げ始める。
***
北方の海上——
***
ヴィルヘルムの北方の盾が、漆黒の船団の前進を、本格的に、停止させた。
***
大陸全土の同盟軍が、穏やかに、勝利の歓喜を、上げ始める。
***
千年の獣の皇帝の血を引く、新たな皇統が——今、千年の闇を、超えて、誕生した。
***
千年前の三人の契約の——本格的な、お円環の、最終的な完成。
***
四人の契約の——本格的な、定着。
***
けれど——
***
同じ刻——
***
帝都の上空の『色の、無い、光』が、穏やかに、変化を、見せた。
***
絶対零度の、色の無い、声が、淡々と、響く。
***
「——お見事でござりました」
***
「——『分離』が、成功、致しました」
***
「——『無の魔』の最後の断片は、外側に、追放、致されました」
***
「——けれど——」
***
その声に、僅かな、しかし、絶対的な、変化。
***
「——わたくしどもは、再々々演算、致しました」
***
「——『無の魔』の最後の断片が、外側に、追放、致された、刻——」
***
「——その『闇』の本質が——お子様の魂の、奥に、僅かに、残留、致している、可能性が、ござります」
***
ヴォルフラム+セレスティアの瞳が、瞬時に、見開かれる。
***
「——わたくしどもは——お子様の魂の、奥の——『残留した闇の、痕跡』を——」
***
「——穏やかに、最終的に、回収、致したく、ござります」
***
「——『お子様の、魂の、奥の、痕跡』を、回収、致せば——」
***
「——大陸の、千年の、安全が、確定、致します」
***
ヴォルフラム、絶対零度に:「——許さぬ——!」
***
「——わたくしどもの、お子様を——貴方たちに、触れさせる、ことは——絶対に、許さぬ——!」
***
『色の、無い、光』:「——では——お考えくださりませ」
***
「——『残留した闇の、痕跡』は——お子様のご成長と、共に——穏やかに、影響を、及ぼす、可能性が、ござります」
***
漆黒の船団は、北方の海上で、穏やかに、停止しているが——撤退、していない。
***
ヴィルヘルムの北方の盾が、阻んだ、後の、観測の継続。
***
セレスティアの青の瞳が、穏やかに、わが子の青の瞳を、見つめる。
***
彼女の腕の中で——新たな命は、穏やかに、深い、母の腕の温かさに、抱かれている。
***
その青の瞳の奥——
***
彼女は、穏やかに、見た。
***
深い、深い、青の瞳の、最も奥に——
***
千年前の闇の、最も微かな、痕跡が——穏やかに、宿っている、ことを。
***
けれど——その痕跡は、もはや、邪悪では、無い。
***
千年の闇の、千年の孤独の、最後の、お、置き土産——穏やかな、感謝の、痕跡。
***
セレスティアは、穏やかに、ヴォルフラムを、見つめる。
***
「——陛下——」
***
「——わが子の魂の、奥に——確かに、痕跡が、ござります」
***
「——けれど——」
***
「——その痕跡は——邪悪では、ござりません」
***
「——千年の闇が、最後に、わが子に、お、託した——感謝の、痕跡で、ござります」
***
ヴォルフラム、穏やかに、深く、頷く。
***
「——わたくしも——感じておる、セレスティア」
***
彼の『夜空の瞳』に——絶対零度の、新たな、決意の炎。
***
「——けれど——『未知の文明』は——その痕跡を、回収、致すために——」
***
「——必ず、本格的な、最後の、介入を、致そう」
***
大陸全土の——絶対的な、最終決戦の、刻が——
***
穏やかに——しかし、確実に——近づきつつ、あった。
***
千年前の闇は——分離された。
***
新たな命は——誕生した。
***
けれど——
***
千年の千年の——『真の、平和』を、確立する為には——
***
未知の文明の——絶対零度の、合理性に対する——
***
千年の慈悲の、最後の、答えを——
***
お、お、出さねば、ならぬ。
***
『次の刻』=最終話=未知の文明への、最後の、絶対的な、対峙+残留した痕跡への、お、最終的な、対処+真の平和の、本格的な確立+大団円——の、刻が——
***
結婚式の聖堂の、新たな命の、穏やかな、産声の中で——
***
穏やかに——大陸全土を、待っていた、のだった。




