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『獣の皇帝陛下に溺愛されています ~無能と捨てられた元王女ですが、隣国で最強でした~』  作者: てん
第7章「新たな、皇統の、誕生、と、真実の、愛の、永遠の、定着」

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# 第58話 最後の、欠片



***


 第57話の刻から——約二週間後。


***


 ご懐妊から——約八ヶ月半の刻。


***


 出産まで、あと、約一ヶ月、ござる、はず——


***


 けれど、闇の揺らぎは、穏やかに、しかし、確実に、続いていた。


***


 帝城の皇妃の執務室。


***


 セレスティア+ジークリンデ+ヴェレナ大司祭(=ヴェネシア聖印国から、帝城に滞在中)が、絶望的な探索を、続けていた。


***


 三大神話の、すべての記述を、何度も、何度も、再確認。


***


 大魔女エルメリンダの千年の神話。


 大聖女ヴェネシアの千年の神話。


 初代ヴァルガルド皇帝の千年の歴史。


***


 けれど、『最後の、欠片』の記述は——どこにも、無かった。


***


 セレスティアのお腹は——もはや、本格的に、大きく、膨らんでいる。


***


 お腹の中の命の魂の奥の闇は——穏やかに、しかし、確実に、揺らぎ続けている。


***


 第57話の対話の通り、闇は、お腹の中の命を、侵食、致さない。


***


 けれど、封印が、出産前に、崩壊、致せば——『分離』は、不可能。


***


 ヴォルフラムも、穏やかに、対策会議に、参加。


***


 彼の『夜空の瞳』に、絶対零度の、深い、焦燥。


***


「——『最後の、欠片』は——どこに、隠されているのだ——」


***


 その刻——


***


 ハルトムートが、穏やかに、皇妃の執務室に、入って、来た。


***


 彼の手には——帝城の古い文書庫の、千年の、古文書。


***


 彼の瞳には、穏やかな、けれど、深い、希望の光。


***


「——皇帝陛下——皇妃殿下——」


***


「——わたくしどもの、千年の古文書を、再調査致しました結果——」


***


「——『最後の、欠片』、では、ござりませぬが——」


***


「——千年前——三人の契約の刻に——『四人目』の人物が、立ち会った、と、いう、記述を、発見致しました」


***


 セレスティア+ヴォルフラム+ジークリンデ+ヴェレナの瞳が、瞬時に、見開かれる。


***


「——『四人目』、と——?」


***


 ハルトムート、穏やかに、頷く。


***


「——左様で、ござります」


***


「——千年前——三人の契約の刻に——お三人の、最も信頼の置ける、お一人の証人——『契約の、口伝の、護り人』が、立ち会われた、と——」


***


「——その人物が——『契約の根幹の、最後の、欠片』を——神話には、書き残さず——口伝で、ある一族に、継承、致した、と——」


***


 ヴェレナの瞳が、穏やかに、見開かれる。


***


「——『口伝の、護り人』——大聖女ヴェネシアの千年の神話には——『護り人』の存在は、記述、ござりません」


***


「——けれど——それは——お三人が、敢えて、書き残さなかったから——?」


***


 セレスティア:「——その『護り人』の血筋は——今、どこに——?」


***


 ハルトムート、穏やかに:「——千年の古文書には——『北方の、最も、古き、血筋』、とだけ——」


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』が、瞬時に、見開かれる。


***


「——『北方の、最も、古き、血筋』——」


***


「——アルテンブルク——?」


***


 ハルトムート、穏やかに、頷く。


***


「——左様で、ござります」


***


「——アルテンブルク公爵家は——千年——『獣化の、現場の、護り人』、として、知られて、参りました」


***


「——けれど——古文書の記述によれば——アルテンブルク公爵家は——『獣化の、護り人』だけでなく——」


***


「——『千年の、契約の、口伝の、護り人』——でも、いらっしゃった、可能性が、ござります」


***


 セレスティアの青の瞳が、穏やかに、見開かれる。


***


「——ゲオルク様+アネリーゼ様——?」


***


 ヴォルフラム、穏やかに、立ち上がる。


***


「——アルテンブルク公爵領に——緊急の使者を、送る」


***


「——ゲオルクとアネリーゼに——『千年の、口伝の、護り』を、お聞き致す」


***


 緊急の使者が、北方へ、送られた。


***


 二日後——アルテンブルク公爵領=ゲオルクとアネリーゼが、帝城に向かって、馬車で、急ぐ。


***


 千年——アルテンブルク公爵家が、隠してきた、千年の沈黙の奥の真実が、明かされる刻が、近づいた。


***


 三日後=帝城。


***


 ゲオルクとアネリーゼが、穏やかに、帝城に、到着。


***


 二人とも、穏やかに、深く、頭を、垂れる。


***


 ゲオルクの灰色の瞳の奥に——千年の、深い、覚悟の光が、宿っていた。


***


 ゲオルク、穏やかに:「——皇帝陛下——皇妃殿下——」


***


「——わが家の、千年の、口伝のお話で、ござりますな」


***


 彼の頬の、古い刀傷が、穏やかに、震える。


***


「——アルテンブルク公爵家は——千年——『獣化の、護り人』、として、知られて、参りました」


***


「——けれど——その『護り』の本質は——もう一つ、ござります」


***


 アネリーゼも、穏やかに、続けた。


***


 彼女の冷たい翠玉の瞳に——千年の、凛とした、覚悟の光。


***


「——千年前——三人の契約の刻に——わが家の、初代のご祖先が——『契約の根幹の、最後の、欠片』を、お三人から、口伝で、託されました」


***


 彼女の声に、震えは、無い。


***


 千年の血の重みを、背負った、凛とした響き。


***


「——『神話に、書き残しては、ならぬ』、と——」


***


「——『千年——その欠片を、口伝で、継承、致せ』、と——」


***


 ヴェレナが、穏やかに、瞳を、見開く。


***


「——なぜ——神話に、書き残しては、ならなかったのですか——?」


***


 ゲオルクが、穏やかに、彼女を、見据える。


***


 彼の灰色の瞳の奥に——千年の、深い、孤独の重みが、宿っていた。


***


「——もし——紙に、書き残せば——」


***


「——千年の間に——『無の魔』の残滓や——外側からの脅威に——その知恵を、検知される、危険が、ござりました」


***


「——『結界の、張替え手法』が——外側に、知られれば——」


***


「——『無の魔』は——千年の間に——その手法への、対策を、致す、可能性が、ござりました」


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』が、穏やかに、見開かれる。


***


 千年——アルテンブルク公爵家が、なぜ、千年の沈黙を、守り続けたか。


***


 その理由が——今、明かされた。


***


 書き残せば、検知される。


***


 検知されれば、対策される。


***


 千年——『一子相伝の口伝でしか、守れなかった』、知恵。


***


 その重みを——千年——アルテンブルク公爵家が、一族の、孤独の中で、背負い続けた。


***


 獣化の現場で、血を流しながら——同時に、口伝の重責を、千年、お護りし続けた。


***


 千年の、二重の、孤独。


***


 ゲオルク、穏やかに、続ける。


***


「——わが家の初代のご祖先以来——千年——わが家は——口伝で——『最後の、欠片』を、継承、致して、参りました」


***


「——わたくしが、父から、口伝を、頂いたのは——わたくしが、二十歳の刻——」


***


「——アネリーゼが、わが家に、嫁いだ刻——わたくしは、彼女にも——口伝を、継承、致しました」


***


 アネリーゼの冷たい翠玉の瞳から、穏やかな涙が、滴る。


***


「——千年——わが家が、お護りして参った、口伝——」


***


「——今——皇妃殿下に、お、継承、致す刻が——参りました」


***


 千年の沈黙の奥の——本格的な、開示の刻、だった。


***


 ゲオルク、穏やかに、深く、息を、吸う。


***


 彼の灰色の瞳の奥に、千年の、深い、覚悟。


***


「——『最後の、欠片』、とは——」


***


「——『母の魂が、闇に、慈悲を捧げる、その瞬間に——母の魂の中の、最も尊い誓いを——闇と、命の魂の、間の、結界として、注ぎ込む』、知恵で、ござります」


***


 セレスティアの青の瞳が、穏やかに、見開かれる。


***


 アネリーゼ、穏やかに、続ける。


***


「——『母の魂の中の、最も尊い誓い』——」


***


「——それは——母が——『この命の為に——わたくしの生涯のすべての誓いを、捧げる』——その誓いで、ござります」


***


「——その誓いの力が——闇と、命の魂の、間の、絶対的な、結界に、なります」


***


「——闇は、その結界を、超えて、命の魂に、近づくことが、出来ません」


***


「——出産の刻に——闇が、内側から、崩壊、致しても——命の魂は——結界の中で、お護りされる、刻」


***


 セレスティアの青の瞳から、穏やかな涙が、滴った。


***


 彼女は、穏やかに、深く、頷く。


***


「——アネリーゼ様——ゲオルク様——」


***


「——千年の口伝の継承を——お、有難く存じます」


***


 彼女の細い手が、穏やかに、自分のお腹に、置かれる。


***


 その瞬間——彼女の声に、たった一度——震えが、走った。


***


 恐怖の震え、では、無い。


***


 千年の母の、魂の根幹の、誓いの、震え。


***


「——わたくしの、生涯の、最も尊い誓い」


***


「——それは——」


***


「——このお腹の中のお子様の、ご無事と——お、お幸せ」


***


 たった一度の『お、』。


***


 本話の、すべての刻を通じて——この、一打のみ。


***


 千年の母の、最も尊い、誓いの、震え。


***


「——ただ、それだけでございます」


***


 吃音は、一切、無い。


***


 千年の沈黙の奥の知恵が——今、セレスティアの、絶対的な、母の誓いの中に——本格的に、宿った刻、だった。


***


 けれど——その瞬間——


***


 セレスティアが、穏やかに、お腹を、押さえた。


***


「——あ——」


***


 鈍い、けれど、確かな、痛みの兆し。


***


 陣痛の、本格的な開始の、最初の合図。


***


 出産まで、まだ、約一ヶ月、ござる、はず。


***


 けれど——闇の揺らぎが、出産の刻を、前倒し致した。


***


 陣痛が、本格的に、開始、致した、刻、だった。


***


 ヴォルフラムが、瞬時に、彼女の傍らに、寄る。


***


「——セレスティア——!」


***


 ジークリンデが、穏やかに、彼女のお腹を、見守る。


***


 彼女の瞳に、穏やかな、深い、緊張。


***


「——皇妃殿下——本格的な陣痛で、ござります」


***


「——出産まで——おそらく、四十八時間以内——」


***


 同じ刻——


***


 帝都の上空に、再び、『色の、無い、光』が、現れた。


***


 『色の、無い、光』が、穏やかに、ヒトに、似た、輪郭を、なす。


***


 その声には——感情の、痕跡が、一切、無い。


***


 淡々と、響く——絶対零度の、色の無い、声。


***


 「——お見事でござりました」


***


 「——貴方たちは、『最後の、欠片』を、発見、致しました」


***


 「——わたくしどもの、予測演算を、再々、致しました」


***


 「——成功確率——五十一パーセント」


***


 「——失敗確率——四十九パーセント」


***


 ヴォルフラム+セレスティアの瞳に、穏やかな、僅かな、希望の光。


***


 けれど——『色の、無い、光』の声は、続いた。


***


 「——貴方たちのお腹の中のお子様の、陣痛が、本格的に、開始、致しました」


***


 「——出産の刻の、内側からの崩壊までの、残り時間=約四十八時間」


***


 「——わたくしどもは、『分離』の刻に、立ち会う許可を、求めます」


***


 「——失敗の刻に、貴方たちのお子様を、強制的に、回収、致す為で、ござります」


***


 ヴォルフラム、絶対零度に:「——立ち会うことは——許さぬ——!」


***


「——わたくしどもの出産の刻に——『未知の文明』の介入は——絶対に、許さぬ——!」


***


 『色の、無い、光』、平坦に:「——お考えくださりませ」


***


 「——五十一パーセント——わたくしどもの観測の精度では——『無視できる、僅差』、で、ござります」


***


 「——『分離』が、失敗、致した、刻——『無の魔』が、お腹の中の命の魂を、占拠、致します」


***


 「——その刻には——貴方たちのお子様は——『無の魔』の、新たな、入れ物に、なられます」


***


 「——わたくしどもは、その『刻』の回避の為に、参ります」


***


 漆黒の船団=三十隻が、北方の海から——本格的に、帝都の方角に、進み始めた。


***


 観測者から——介入者へ。


***


 千年の沈黙の、観測の刻が——終わった。


***


 三重の絶望が、同時に、襲い始めた。


***


 一つ——セレスティアの肉体。


***


 予定日を、一ヶ月、前倒し致した、本格的な陣痛。


***


 残り、四十八時間という、絶対的な、制限時間。


***


 二つ——内側の闇。


***


 陣痛の痛みの、奥で——封印が、物理的に、限界を迎え、軋み始めている。


***


 精神世界からの——崩壊の予兆。


***


 四人目の純粋な金色の光が——穏やかに、しかし、確実に——闇に、押されつつ、ある。


***


 三つ——外側の脅威。


***


 漆黒の船団=三十隻が——北方の海から——帝都の方角に、本格的に、進んでいる。


***


 『失敗確率四十九パーセント』を掲げ——赤子の強制回収の為に——


***


 絶対零度の、観測者が——


***


 今——本格的な、介入者として——直進してくる。


***


 ヴォルフラムが、穏やかに、しかし、絶対的な、覚悟で、立ち上がった。


***


 彼の『夜空の瞳』に——千年の、絶対零度の、最大限の、決意の炎。


***


「——セレスティア——」


***


「——結婚式の聖堂に、移る」


***


「——千年の契約のお円環の完成の、聖なる場所で——出産の刻を、迎える」


***


「——『四人の契約』の、本格的な、最後の刻、なのだ」


***


 彼は、穏やかに、セレスティアを、抱き抱える。


***


 彼女は、穏やかに、彼の腕の中に、収まる。


***


 陣痛の痛みに、震えながら——けれど、彼女の青の瞳には、絶対的な、母の、決意の光。


***


「——ええ、陛下——」


***


「——わたくしは——『最後の、欠片』を——お腹の中のお子様に、捧げ致します」


***


 ヴォルフラムは、穏やかに、セレスティアを、抱いたまま、結婚式の聖堂に向かう。


***


 ゲオルク+アネリーゼ+ヴェレナ+ジークリンデ+ハルトムート+腹心たちが、穏やかに、続く。


***


 帝城の中央の、結婚式の聖堂——


***


 千年の契約のお円環の完成の、聖なる場所。


***


 第50話の結婚式の刻——


 第55話の祈祷の刻——


 第57話の母の魂の呼びかけの刻——


***


 そして、今——


***


 世界の命運を、賭けた、最終防衛線、として——


***


 その聖なる場所が、本格的に、立ち上がった。


***


 セレスティアは、穏やかに、聖堂の中央の、寝台に、横たわる。


***


 寝台は、エルザベートが、出産の刻の為に、特別に、用意した、純白の寝台。


***


 穏やかな金色の刺繍が、施されている。


***


 ヴォルフラムが、穏やかに、彼女の手を、握る。


***


 「——セレスティア——」


***


 「——わたくしは——お前と、わが子を——絶対に、お護り致す」


***


 セレスティア、穏やかに、彼の手を、握り返す。


***


 「——ええ、陛下——」


***


 「——わたくしも——『最後の、欠片』を——必ず、お腹の中のお子様に、捧げ致します」


***


 同時——帝城の外で——大陸全土の、本格的な、臨戦態勢が、整い始めていた。


***


 帝国軍が、帝都の周辺の防衛線を、最大限に、強化。


***


 影部隊が、結婚式の聖堂の周辺を、徹底的に、警備。


***


 ヴェネシア聖印国の聖騎士団=ヴェレナの命令の下、結婚式の聖堂の聖なる結界の補強。


***


 エルディオ王国の軍が、レオンハルト王太子の指揮の下、帝都の南方の防衛線に、参陣。


***


 諸国の代表+帝国貴族の軍も、続々と、参集。


***


 第50話の結婚式に、参列した、大陸全土の同盟が——今、本格的な、戦時の同盟として、立ち上がった。


***


 そして——


***


 北方辺境警備の要塞——


***


 ヴィルヘルムが、穏やかに、銀色のペンダントを、胸に、抱きしめる。


***


 第48話以来、彼が、誠実な騎士として、お護りし続けた、母のペンダント。


***


 彼の翠玉の瞳に——絶対的な、騎士の、覚悟の光。


***


 「——お母様——お父様——」


***


 「——弟様、もしくは妹様——」


***


 「——わたくしが——北方の、盾、として——」


***


 「——『未知の文明』の、漆黒の船団を——絶対に——帝都に、近づけませぬ——!」


***


 ヴィルヘルムの指揮の下、北方辺境警備の精鋭部隊が、漆黒の船団の進路を、阻むべく、本格的な、迎撃の体制を、整える。


***


 大陸全土の——絶対的な、臨戦態勢。


***


 帝城の窓の外——


***


 穏やかな、冬の夜の月が、満ちている。


***


 その月の光が——北方の海上の漆黒の船団の周りで——穏やかに、しかし、確実に——侵食されつつ、あった。


***


 漆黒の船団=三十隻——


***


 絶対零度の、観測者から——


***


 絶対的な、介入者へ——


***


 穏やかに、しかし、確実に——帝都の方角に、進んでいる。


***


 残り、四十八時間。


***


 セレスティアの肉体の、陣痛——


***


 お腹の中の命の魂の奥の、闇の、本格的な崩壊の予兆——


***


 漆黒の船団=三十隻の、本格的な接近——


***


 三重の、絶対的な、絶望が——


***


 結婚式の聖堂に向かって——


***


 穏やかに、しかし、確実に、収束していく。


***


 ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアの額に、口づける。


***


 彼の『夜空の瞳』に——千年の獣の皇帝の、絶対零度の最大限の、覚悟の炎。


***


 「——わが、最愛の妻——」


***


 「——わが、最愛の、子——」


***


 「——わたくしは——絶対に——お前たちを、お護り抜く」


***


 セレスティアの青の瞳から、穏やかな、深い、決意の涙が、滴る。


***


 「——ええ、陛下——」


***


 「——わたくしも——絶対に——お腹の中のお子様を——お護り致します」


***


 お腹の中で——お腹の中の命が、穏やかに、応える。


***


 トン——


***


 その小さな、けれど、確かな、生命の合図。


***


 四人の契約の——本格的な、最後の刻が——


***


 穏やかに——けれど、絶対的な、決意の中で——本格的に、始まろうとしていた。


***


 『次の刻』=出産の本格的な刻+四人の契約の最後の発揮+『最後の、欠片』の本格的な発揮+『無の魔』との『分離』+漆黒の船団との本格的な対峙——の、刻が——


***


 大陸全土の、絶対的な、臨戦態勢の中で——


***


 結婚式の聖堂に、収束しつつ、あった。


***


 全編を通じて、最も重厚な——


***


 絶対零度の——


***


 最終決戦の——


***


 幕が——


***


 穏やかに、しかし、確実に——上がろうとしていた、のだった。

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