# 第50話 永遠の、誓い、千年の、円環
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結婚式の、当日の、朝。
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帝城の皇妃の控えの間に——秋の穏やかな、深い、金色の光が、満ちて、いた。
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セレスティアは——アネリーゼ+エルザベート+イザベラ+エミリア+ジークリンデに、穏やかに、囲まれて、結婚式の支度の刻。
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純白のシルクの花嫁衣装+穏やかな金色の刺繍+大魔女エルメリンダ+母エレオノーラの『穏やかな金色の光』+ヴァルガルド皇家の、千年の、紋章。
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銀色の長髪に——アネリーゼが、穏やかに、純白の花の冠を、置く。
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「——皇妃殿下——お、美しゅうござ、り、ま、す、わ」
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彼女の冷たい翠玉の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
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千年の、『古き血筋の、母』の、頑なな、誇りが——今、穏やかな、新たな母の、お、お、慶びの、涙に、変わって、いた。
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帝城の、別の場所の、皇帝の控えの間。
***
ヴォルフラムは——黒の、皇帝の、礼装+銀色の長髪+夜空の瞳。
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彼の前に——ゲオルク・フォン・アルテンブルク公爵+ハルトムートが、穏やかに、立って、いた。
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ゲオルクの灰色の瞳に——穏やかな、深い、感動の光が、宿っている。
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「——皇帝陛下——」
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「——千年——わが家の、お、お護りが——本日、お、お、円環の、お、完成に——お、お、至ります、わ」
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「——お、心からの、お祝いを——お、捧げ、致します、わ」
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ヴォルフラムは、穏やかに、ゲオルクの前に、進む。
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彼の『夜空の瞳』が、ゲオルクの灰色の瞳を、見据える。
***
「——ゲオルク」
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彼の声には——『公爵』、の、お、お呼びかけは、無、か、っ、た。
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千年の、お、お護りの、お、お、お、お役目を、超えた——一人の、男の、名で、の、お、呼びかけ、だ、っ、た。
***
「——お、貴方は——千年——わが家の、『獣化の、狂気』を——お、お、お止めに、なられて、参った」
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「——お、頬の、刀傷——お、肉を、削がれた、傷——血を、流し、続けた、千年——」
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「——『お、お護りの、お、義務』として——わが家は——お、貴方に——す、べ、てを——お、お、お背負わせて、参った」
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彼の『夜空の瞳』から——穏やかな涙が、滴る。
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「——本日——わたくしは——お、お、お、申し上げたい」
***
「——お、貴方たちの、千年の、お、お呪縛は——」
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「——今日——わたくしが——す、べ、て——お、お、終わら、せる」
***
ゲオルクの灰色の瞳が——大きく、見開かれる。
***
千年——『お、お、お護りの、お、義務』、として——お、お、お、当然のように、お、お、お背負って、参った、刻が——
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今——皇帝陛下の、お、口、か、ら——『お、お、終わらせる』、と、お、告げ、られた。
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「——皇帝陛下——?」
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ヴォルフラム、穏やかに、続ける。
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「——明日からは——『お、お護りの、お、義務』、では——な、い」
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「——『一人の、臣下』、として——」
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「——『一人の、友人』、として——」
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「——共に——『お、お、新たな、帝国』を——お、歩もう」
***
その、瞬間——
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ゲオルクの灰色の瞳から——
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千年——『お、お、お護りの、お、義務』の、お、冷たい、お、鉄の、お、重みに、お、お、押し潰されて、参った——その、お、重みが——
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穏やかに——音もなく——崩れ落ちた。
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彼の灰色の瞳から——涙が、止まらなく、なる。
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千年——『お、お護りの、お、お、お、お、お、役目』、で、しか、無、か、っ、た、男が——
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今、初めて——『一人の、男』、として——皇帝に、お、迎え、入れられた、刻、だ、っ、た。
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千年の、冷たい、鉄の、お、お、重みから、の——解放の、刻。
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「——皇帝陛下——!!」
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彼は、穏やかに、深く、深く、頭を、垂れる。
***
「——お、有難く、お、有難く——存じ上げます、わ——!!」
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ヴォルフラムは、穏やかに、彼の肩に、手を、置いた。
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「——お、お、新たな、帝国を——共に、お、歩もう、ゲオルク」
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ハルトムートも——穏やかに、深く、頭を、垂れて、いた。
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彼の影部隊が、千年、お、お、お、お、見守って、参った——『獣化の、狂気』の、お、お、千年が——
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今——『お、お、新たな、帝国の、お、お、刻』へ、と——穏やかに、繋がる、刻、だ、っ、た。
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帝城の中央の、結婚式の聖堂。
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戴冠式の『黄金の大聖堂』とは、異なる——皇帝家の、伝統的な、結婚式の、聖堂。
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穏やかな金色の朝の光+純白の花環+穏やかな金色の祭壇。
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諸国の王侯=ヴェネシア聖印国大司祭ヴェレナ+エルディオ王国王太子レオンハルト+諸国の代表=順番に、穏やかに、入場。
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帝国貴族=北方+南方+東方+西方=ほぼ、全員、穏やかに、入場。
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アネリーゼ+ゲオルク=帝国貴族の最前列に、穏やかに、立つ。
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ゲオルクの灰色の瞳は——もはや、千年の冷たい鉄の重みは、無、く——穏やかな、深い、慶びの光が、宿って、いる。
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ヴェレナ大司祭が、穏やかに、結婚の祭壇の前に、立つ。
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彼女の聖印が、穏やかに、輝き始める。
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聖堂の大扉が、穏やかに、開いた。
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ヴォルフラムが、穏やかに、入場する。
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彼の黒の、皇帝の、礼装+銀色の長髪+夜空の瞳。
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彼の歩みが、穏やかに、聖堂の大理石の床に、響く。
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彼の『夜空の瞳』には——穏やかな、深い、慶びの光+穏やかな、深い、覚悟の光。
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千年の、孤独の、獣の皇帝の、姿は——既に、無、く——
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『一人の、生涯の、夫』、として、の、姿、だ、っ、た。
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諸国の王侯+帝国貴族=穏やかに、深く、頭を、垂れる。
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ヴォルフラムは、穏やかに、結婚の祭壇の前に、立つ。
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彼の『夜空の瞳』が、穏やかに、聖堂の大扉を、見つめる。
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千年の、孤独の、刻、を、生きた、獣の皇帝が——『一人の、生涯の、妻』を、お、迎える、刻の、心、だ、っ、た。
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聖堂の大扉が、再び、穏やかに、開いた。
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帝都の、穏やかな、朝の、金色の、光が、聖堂の大扉から、射し込む。
***
一瞬の、穏やかな、沈黙。
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そして——セレスティアが、穏やかに、入場した。
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純白のシルクの花嫁衣装+穏やかな金色の刺繍。
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彼女の歩みが、穏やかに、聖堂の大理石の床に、響き始める。
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諸国の王侯+帝国貴族+アネリーゼ+ゲオルク=穏やかに、息を、呑む。
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彼女の歩みの中で——
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彼女の青の瞳が、穏やかに、瞬く。
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その、瞬き、の、奥で——
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50話の、長い、長い、お道のりが——五感の、洪水と、して——穏やかに、彼女を、襲った。
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(——あ、の、夜の、雨の、匂い——)
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冷たい、雨の、匂い、だ、っ、た。
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ファルネーゼ王国の、宮殿の、扉の、外で——お、薄い、外套を、纏った、お、お、お、お、お、わたくしの、頬を、打った——あ、の、冷たい、お、雨の、匂い。
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(——馬車の、お、お、お、暗闇——)
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ヴァルガルド帝国へ向かう、馬車の、揺れ。
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お、暗い、馬車の、中で——お、お、震えて、いた、『お飾り皇妃』+『お、生贄』の、わたくし。
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(——あ、の、刻、わたくしは——『お、お、自分の、お、生』が——『価値の、無い』もの、と——お、お、信じて、お、り、ま、し、た——)
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彼女の歩みは、止まらない。
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穏やかに、結婚の祭壇に、向かって、続く。
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(——獣の、お、お、皇帝陛下の、お、お、初めての、お、夜——)
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千年の、孤独の、銀の獣の、姿の、ヴォルフラム。
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あ、の刻、彼の『夜空の瞳』には——飢えたような、孤独の光が、宿って、いた。
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(——わたくしは——あ、の、お、お、瞳に——『お、お、自分の、お、お、孤独』を——お、お、見つけ、ま、し、た、わ——)
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彼女の青の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
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(——異母妹アンジェリカに——お、お、踏みにじられた、お、悔しさ——)
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第1〜23話の、ファルネーゼ王国での、無数の、お、お、お、屈辱の、お、お、刻。
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継母ベアトリスの、お、嘲笑。
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婚約者ライナルトの、お、無視。
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お、お、自分の、価値を——『無』、と、お、お、お、信じ込まされた、お、お、刻。
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(——あ、の、お、悔しさが——わたくしの、魂の、奥に——お、お、深く、お、刻まれて、お、り、ま、し、た——)
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彼女の歩みは、続く。
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(——『流転型魔力』の、初めての、お、覚醒——)
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第3章の、暗殺者から、ヴォルフラムを、お、お護り致した刻。
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(——諸国会議の、『青の聖女』の、お、お、お、立ち振る舞い——)
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第3章の最終話の、本物の聖女としての、お、お、お、お、お、お、お初めての、お、立ち姿。
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(——『血の月の、夜』の、命の、対価——)
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第33〜38話の、千年の契約の、お、最後の、刻。
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ヴォルフラムの、完全な、人の姿の、お、復活。
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(——完全な、人の姿の、ヴォルフラム様の、お、プロポーズの、再演——)
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第40話の、樫の木の下の、永遠の、お、誓いの、刻。
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(——『国母』として、の、お、覚醒——)
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第44話の、アネリーゼ様への、『大切な、お、お、お、お、お母様へ』、の、お手紙。
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(——アルテンブルク公爵家との、千年の、絆——)
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第43〜44話の、千年の、孤独からの、救済。
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(——ガルバートの、千年の、計算の、完全な、崩壊——)
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第45〜47話の、千年の、野心の、お、お、終焉。
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(——ヴィルヘルム様の、泥まみれの、懺悔——)
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第47話の、聖堂への、乱入。
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彼女の魂の奥で——49話の、すべての、刻が——穏やかに、穏やかに、流れる。
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冷たい、雨の、匂いが——
今——
穏やかな、金色の、朝の光に、包まれて、いる。
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獣の、皇帝の、飢えた、夜空の瞳が——
今——
穏やかな、慶びの光に、包まれて、いる。
***
異母妹に、踏みにじられた、悔しさが——
今——
純白の、花嫁衣装の、金色の刺繍の、お、輝きに、包まれて、いる。
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(——わたくしは——50話の、お、お、お、刻を——本当に——歩んで、参りました、の、です、わ——)
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彼女の青の瞳から——涙が、止まらなく、なる。
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諸国の王侯+帝国貴族=穏やかに、彼女と共に、涙を、流して、いる。
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ヴェレナ大司祭の聖印が、穏やかに、輝き続ける。
***
そして——
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彼女は、結婚の祭壇の前に——穏やかに、辿り着いた。
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ヴォルフラムが、穏やかに、彼女を、迎える。
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彼の『夜空の瞳』からも——穏やかな、感動の涙が、滴って、いる。
***
二人の手が、穏やかに、繋がれる。
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50話の、長い、長い、旅路の——魂の、繋ぎ目の、刻、だ、っ、た。
***
ヴェレナ大司祭が、穏やかに、誓いの儀式の、執行。
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彼女の聖印が、穏やかに、最大限に、輝く。
***
「——お、お、二人の、ご結婚の、誓いを——お、お、執り、致しましょう」
***
ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアの細い手を、両手で、包む。
***
彼の『夜空の瞳』が、彼女の青の瞳を、見つめる。
***
「——わたくし、ヴォルフラム・ヴァルガルドは——」
***
「——お、貴方、セレスティアを——生涯の、妻、として——」
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「——お、健やかな、刻にも——お、病める、刻にも——」
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「——お、富める、刻にも——お、貧しき、刻にも——」
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「——お、互いを、お護り——お、愛し合い——」
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「——『お、永遠に』、お、共に、ある、ことを——お、誓い、致します、わ」
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セレスティアの青の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
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「——わたくし、セレスティアは——」
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「——お、貴方、ヴォルフラムを——生涯の、夫、として——」
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「——お、健やかな、刻にも——お、病める、刻にも——」
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「——お、富める、刻にも——お、貧しき、刻にも——」
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「——お、互いを、お護り——お、愛し合い——」
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「——『お、永遠に』、お、共に、ある、ことを——お、誓い、致します、わ」
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その、瞬間——
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聖堂の天井から、穏やかな、深い、金色の光が、降り注いだ。
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いや——一筋、では、無、か、っ、た。
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三筋の、金色の、光、だ、っ、た。
***
大魔女エルメリンダの『穏やかな金色の光』。
大聖女ヴェネシアの『穏やかな金色の光』。
初代ヴァルガルド皇帝の『穏やかな金色の光』。
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三位一体で——二人の上に——穏やかに、穏やかに——降り注ぐ。
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千年前——大陸に、刻まれた、三人の、契約が——
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今——本日——この聖堂の中で——
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『お、お、円環の、完成』を、お、迎えた、刻、だ、っ、た。
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諸国の王侯+帝国貴族=穏やかに、息を、呑む。
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ヴェレナ大司祭の聖印が、穏やかに、最大限に、輝く。
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「——お、お、二人の、ご結婚の、誓いに、より——」
***
「——大魔女エルメリンダ+大聖女ヴェネシア+初代ヴァルガルド皇帝の、千年の、契約の、お、円環が——」
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「——お、完成、致しました、わ——!」
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「——『大陸の、千年の、契約』が——」
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「——『お、永遠の、お、愛』、と、して——」
***
「——お、定着、致しました、わ——!」
***
ヴェレナ大司祭が、穏やかに、宣言。
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「——お、二人——」
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「——お、誓いの、お、口づけを——お、執り、致しましょう」
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ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアの頬を、両手で、優しく、包む。
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「——セレスティア——」
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「——お、お、わたくしの、生涯の、妻——」
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セレスティアの青の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
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「——陛下——お、お、わたくしの、生涯の、夫——」
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二人の唇が、穏やかに、穏やかに、近づく。
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そして——
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穏やかな、永遠の、誓いの、口づけが——穏やかに、お、執り行われた。
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第40話の『新たな夜明け』の、誓いのキスとは——別の、刻の、お、誓いのキス、だ、っ、た。
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あ、の、刻、は——『新たな、刻の、お、始まり』、の、お誓い。
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今、の、刻、は——『お、永遠の、契約』の、本格的な、定着の、お誓い。
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聖堂の天井からの、三筋の、金色の光が——二人を、穏やかに、包む。
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諸国の王侯+帝国貴族+アネリーゼ+ゲオルク=穏やかに、穏やかに、感動の涙を、流す。
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帝都の鐘が——一斉に、穏やかな、祝祭の音色で、響き始めた。
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本作前半戦の、最終的な、カタルシスの刻。
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結婚式の聖堂の、お外=帝城の中央広場。
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帝都の民が、穏やかに、お祝いの声を、捧げる。
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「——皇妃殿下——!!」
「——皇帝陛下——!!」
「——お、祝い、申し上げ、ます、わ——!!」
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セレスティアとヴォルフラムが、穏やかに、中央広場のバルコニーに、立つ。
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帝都の民の、穏やかな、お、祝いの声が、一斉に、響く。
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穏やかな、祝祭の、音楽+穏やかな、歓喜の声。
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50話の、長い、長い、お道のりの——最終的な、お祝いの刻、だ、っ、た。
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同じ刻——
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帝国北方の、辺境警備の、要塞。
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深夜——いや、結婚式の刻は、まだ昼間だ、っ、た——けれど、北方の要塞では、既に、空が、暗い。
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北方の冷たい、星空が——穏やかに、要塞の上に、広がって、いる。
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要塞の、高い、塔の上で——ヴィルヘルム・フォン・アルテンブルクが、穏やかに、立って、いた。
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彼の翠玉の瞳は——もはや、矮小な英雄願望は、無、く——
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穏やかな、深い、慶びの光が、宿って、いる。
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彼の胸の上には——銀色の、小さな、ペンダント。
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セレスティアから、お、お頂いた、流転型魔力の、お、お護りの、ペンダント。
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彼は、穏やかに、ペンダントを、胸に、抱きしめる。
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その瞬間——
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ペンダントの中央の、青の、小さな宝石が——穏やかな、金色の光を、宿す。
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帝都の結婚式の聖堂の、千年の契約の、お、円環の完成の、金色の光が——
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遠く、北方の、要塞の、彼のペンダントの中にも——穏やかに、穏やかに、響いて、いた。
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(——皇妃殿下——お、お、お、お、お、お母様——)
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彼の魂の奥に——『お、お、お、お、お息子様へ』、の、お、お言葉の、残響が、穏やかに、響く。
***
あ、の、廃れた、教会跡で、お、お、読んだ——あ、の、お手紙の、お、文字。
***
『お、お、お、お、お息子様へ』——
***
彼は——もはや、孤独な、反逆者では、無、か、っ、た。
***
遠く、離れて、いても——
***
自分を、『お、お、お、お、お息子様』、と、お、お、呼びくださった、お、お、母の——お、幸せを、心から、お、お、祈る——
***
一人の、お、お、誠実な、騎士、と、して——穏やかに、生まれ変わって、いた。
***
彼の翠玉の瞳から——穏やかな、感動の涙が、滴る。
***
「——お、お、お、お、お母様——」
***
「——皇帝陛下——」
***
「——お、お、お、お、おめでとう、ござ、り、ま、す、わ——!」
***
「——お、お、わたくしは——お、お、永遠に——お、お、お、お、お、お、お、護衛の、お務めを——お、執り、致します、わ——!」
***
北方の冷たい、星空が——穏やかに、彼の祈りを、見守って、いた。
***
要塞の、最奥の、お部屋では——ガルバート公爵が、穏やかに、囚われの身で——獣化の現場の、血の臭いの中で、彼自身の罰の刻を、続けて、いる。
***
千年の、計算の、お、化け物が——千年、軽んじてきた『他者の苦しみ』の現場で——『計算+愛』の、本当の重みを、毎秒、お、お、突きつけ、られる、地獄の刻。
***
け、れ、ど——
***
その、地獄の刻、こそが——彼の、千年の、お、お、知の、敗北の、後の——穏やかな、お、罰の、刻、だ、っ、た。
***
遠く、帝都の、千年の契約の、お、円環の、お、完成の刻が——
***
要塞の、お、お護りの、ペンダント+お、お、罰の、要塞の、最奥の、お、お、囚われの身——
***
二つの、対極の、お、お、刻に、穏やかに、波及して、いた。
***
結婚式の祝賀が、穏やかに、夜まで、続いた。
***
夜——帝城の皇帝の寝室。
***
月の光が、穏やかに、二人の寝室に、射し込んで、いる。
***
純白の花嫁衣装+黒の皇帝の礼装=穏やかに、二人で、お、脱ぎ合う。
***
ヴォルフラムの指先が、穏やかに、セレスティアの花嫁衣装の、お、お、絹の紐に、触れる。
***
その指先は——千年の、孤独の、獣の皇帝の、指先、では——無、か、っ、た。
***
穏やかな、穏やかな、人間の男の、優しい、指先。
***
セレスティアの指先も、穏やかに、ヴォルフラムの皇帝の礼装の、お、お、留め具に、触れる。
***
二人の心音が——穏やかに、共鳴する。
***
月の光が、穏やかに、二人を、包む。
***
月明かりの中で——
***
二人は、穏やかに、ベッドに、辿り着く。
***
ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアを、抱きしめる。
***
「——セレスティア——お、お、お、わたくしの、生涯の、妻——」
***
「——陛下——お、お、お、わたくしの、生涯の、夫——」
***
月の光が、穏やかに、二人の寝室を、包む。
***
そして——
***
帝城の窓の外の、月が——穏やかに、穏やかに——雲に、隠れた。
***
二人の、お、お、永遠の、契約の、本格的な、定着の、刻が——穏やかに、月の、優しい、お、お、雲の、お、お、お、お見守りの中で、穏やかに、お、執り行われる。
***
神聖な、お、二人だけの、夜の、刻、だ、っ、た。
***
数日後——あ、る、穏やかな、秋の、朝。
***
帝城の皇妃の執務室。
***
セレスティアは、穏やかに、ジークリンデに、お、お、診察を、お、お依頼。
***
ジークリンデの『流転型魔力』の診断の光が——穏やかに、セレスティアの、お、お、腹部に、宿る。
***
その瞬間——
***
ジークリンデの瞳が、大きく、見開かれた。
***
「——皇妃殿下——!」
***
彼女の声が、穏やかに、震える。
***
「——お、お、お、お、新たな、お、命が——」
***
「——お、お、宿りで、いらっしゃ、い、ます、わ——!」
***
「——大魔女エルメリンダ+母エレオノーラ+母セレスティア様の、お、お、流転型魔力の、お、お、お、お血筋——」
***
「——『お、お、お、新たな、皇統』——」
***
「——の、お、お、お、お始まりで、ご、ざ、り、ま、す、わ——!」
***
セレスティアの青の瞳が——大きく、見開かれる。
***
彼女の細い手が、穏やかに、自分の腹部に、置かれる。
***
その、お、お、内側で——
***
穏やかな、穏やかな——新しい、命の、お、お、息吹が、宿って、いた。
***
「——お、お、お、お、お、わたくしの——お、お、お腹に——」
***
彼女の青の瞳から、穏やかな涙が、止まらなく、なる。
***
ヴォルフラムが、穏やかに、皇妃の執務室に、入って、来る。
***
「——セレスティア——どう、致した、のだ?」
***
セレスティアは、穏やかに、彼の、両手を、自分の腹部に、置く。
***
ヴォルフラムの『夜空の瞳』が——彼女の青の瞳を、見つめる。
***
「——陛下——」
***
「——お、お、わたくしの、お、お、お腹に——」
***
「——お、お、お、お、新たな、お、命——が——」
***
「——お、お、お、お、宿りで、ござ、り、ま、す、わ——!」
***
ヴォルフラムの『夜空の瞳』から——
***
穏やかな、穏やかな——千年、孤独を生きた、獣の皇帝の——『一人の、父』に、なる、刻の、涙が——穏やかに、滴る。
***
「——セレスティア——」
***
彼の声が、震える。
***
「——わたくしは——『お、お、お、父』、に——なる、のだ、な」
***
「——え、え、陛下」
***
「——お、お、お、わたくしも——『お、お、お、母』、に、な、り、ま、す、わ」
***
二人は、穏やかに、抱きしめ合う。
***
穏やかな、新しい、命の、お、お、息吹を、お、二人の、お、お、間で——穏やかに、お、お、感じ合う、刻、だ、っ、た。
***
第7章への——完璧な、橋渡しの、刻、だ、っ、た。
***
第1章の『絶望の、馬車の、夜』、か、ら——
***
第6章の、『結婚式の、永遠の、誓い』、まで——
***
50話の、長い、長い、お道のり、で、ご、ざ、り、ま、し、た。
***
冷たい、雨の、匂いに、お、お、震えていた、『お飾り皇妃』、か、ら——
***
純白の、花嫁衣装の、金色の刺繍に、包まれた——『生涯の妻』+『国母』+『お、お、新たな、皇統の、お、お、母』、まで——
***
千年の、孤独の、銀の獣の、姿の、皇帝、か、ら——
***
穏やかな、お、お、父に、なる、刻に、お、お、震える、『生涯の夫』+『お、お、新たな、皇統の、お、お、父』、まで——
***
二人の魂は——
***
千年の、契約の、お、円環の、お、完成、を、お、迎え——
***
今——
***
『お、お、永遠の、お、お、契約』、と、して——お、お、お、新たな、刻を——お、お、お、迎え始めて、いた。
***
大魔女エルメリンダ+大聖女ヴェネシア+初代ヴァルガルド皇帝の——千年前の、三人の契約は——
***
今——
***
ヴォルフラム+セレスティア+お、お、お、新たな、皇統の、お、お、新たな、命——三人の、お、お、新たな、契約、と、して——
***
お、お、永遠に、繋がる、お、お、円環の、お、お、新たな、お、刻に、入って、いた。
***
第7章=『お、お、新たな、皇統の、お、誕生、と、真実の、愛の、永遠の、定着』への——
***
完璧な、橋渡しの、刻、だ、っ、た。
***
お、お、新たな、命が——
***
お、お、母の、お、お、お、お腹の中で——
***
穏やかに、穏やかに——
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お、お、新たな、刻、に向けて——
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お、お、お、宿って、いた、の、だ、っ、た。
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***——第6章「真実の愛、と、新たな帝国の刻」、完。***
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***——第7章「新たな、皇統の、誕生、と、真実の、愛の、永遠の、定着」へ、続く。***




