# 第48話 償いと、結婚式への、刻
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戴冠式の翌朝。
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帝城の皇帝の寝室に——穏やかな、穏やかな秋の朝の光が、射し込んで、いた。
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セレスティアが、ヴォルフラムの腕の中で、穏やかに、目覚める。
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彼女の頭上の枕元には——昨日、戴冠したばかりの『青の皇妃の冠』が、穏やかに、置かれている。
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ヴォルフラム、穏やかに:「——セレスティア。お目覚め、か」
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「——昨日のお戴冠の刻——お見事、で、ござ、っ、た、な」
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「——わたくしの、最愛の、『国母』、なのだ」
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セレスティアの青の瞳に、穏やかな感動の涙が、滲む。
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「——陛下——お、有難く、存じます、わ」
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二人は、穏やかに、昨日の戴冠式の刻を、振り返った。
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ヴィルヘルムの泥まみれの懺悔。
アネリーゼ+ゲオルクの千年の涙。
ガルバートの『知の敗北』の静寂。
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セレスティアは、穏やかに、ヴォルフラムに、お話。
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「——陛下——本日、ガルバート様の、正式な、お裁きの、刻、で、ござ、り、ま、す、わ」
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「——わたくしも——お立ち会い、致します、わ」
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ヴォルフラムは、穏やかに、頷く。
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「——よかろう、セレスティア」
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「——け、れ、ど——ヴィルヘルムの、処遇は——お前の、『国母としての、慈悲』に——お任せ致す」
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セレスティアは、穏やかに、頷いた。
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帝城の正式な大広間。
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穏やかな金色の朝の光が——大理石の柱+磨き上げられた床に、満ちて、いる。
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諸国の立会人(ヴェレナ大司祭+レオンハルト王太子)+帝国貴族+アルテンブルク公爵家=穏やかに、立ち会う。
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大広間の中央に——ガルバート公爵が、捕縛のま、ま、立って、いた。
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彼の冷たい琥珀色の瞳=昨日の『静かなる世界の崩壊』のま、ま——色が、戻って、いない。
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漆黒の髪は、穏やかに、乱れ——顔の傷一つ無い肌が、穏やかに、青白い。
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ヴォルフラムが、穏やかに、皇帝の玉座から、宣告した。
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「——ガルバート公爵」
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「——お、貴方の罪状=皇妃殺害未遂+新たな皇統の偽造+帝国転覆の陰謀」
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「——三つの大罪、で、ござ、る」
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「——本日、この場で、正式な、お裁きを、致す」
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ガルバートは、穏やかに、頭を、垂れた。
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彼は、もはや、抗弁し、無、か、っ、た。
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千年の計算の、化け物の——『知の、敗北』の、後の——穏やかな、受容の、姿、だ、っ、た。
***
ヴォルフラム、穏やかに、続ける。
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「——お、貴方を——『極刑』、に、致す——『お考え』も、ござ、っ、た」
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「——け、れ、ど——」
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彼の『夜空の瞳』が——ガルバートを、見据える。
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その『夜空の瞳』には——一切の、感情が、無、か、っ、た。
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絶対零度の、冷徹さ、だ、け、が、宿って、いる。
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「——わたくしは——お、貴方に——『生』、を——お、お課し、致す」
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その、瞬間——
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ガルバートの冷たい琥珀色の瞳が、僅かに、揺らいだ。
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彼の唇が、穏やかに、震える。
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「……『生』、と——?」
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その呟きは——千年、彼が、東方の安全圏で、計算を、続けて、参った、声、では——無、か、っ、た。
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これまでに、無いほど——細く——掠れた、声。
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彼自身の、声、ではない、声、だ、っ、た。
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知性の、化け物の、アイデンティティが——根底から、削がれ始めた、最初の、一音、だ、っ、た。
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ヴォルフラム、穏やかに:「——お、貴方は——千年——『計算』、だ、け、を、続けて、参った」
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「——東方の、安全圏で——他者の、お、お、苦しみを——『お、お駒』として——お、お数えに、なられて、参った」
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「——わが、ヴァルガルド皇家の、千年の、『獣化』の、苦しみ——アルテンブルクの、千年の、血の、重み——」
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「——す、べ、てを——『他人事』として、お、嘲笑、致して、参った」
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「——お、貴方に——『生』、の中で——『計算+愛』の、本当の、重みを——お知り、頂く」
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彼の声には——一切の、揺らぎが、無、か、っ、た。
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「——ガルバート公爵家=爵位の、完全な、剥奪」
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「——お、貴方=北方の、ヴァルガルド辺境警備の、最果ての要塞——千年の『獣化』の、お護りの、現場——にて——『囚われ』の、お身の上で——『生』を、お続け、致す」
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「——お、貴方は——『獣化』の、現場の、お墓守——として——」
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「——アルテンブルクが、千年、お護りに、なられて、参った——『獣化の、狂気』の、現場で——余生を、過ごす」
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「——千年——お、貴方が、安全圏で、『計算』、致して、参った——『他人事』の、現場——で、ある」
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ガルバートの冷たい琥珀色の瞳が——穏やかに、穏やかに、震えた。
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彼の、千年の、計算の、化け物としての、矜持が——
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一秒ごとに、削がれ始める。
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(——獣の、咆哮——血の、臭い——千年、わたくしが——『他人事』として——お、計算、致して、参った、現場——)
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(——その、場所で——余生を、過ごす——?)
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(——日々——獣化の、現場の、血の、臭いを、嗅ぎ、ながら——)
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(——『わたくしが、千年、軽んじて、参った』、その『苦しみ』を——毎日、毎秒——お、突きつけ、られる——?)
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それは——『極刑』、よ、り、も——遥かに、深い、罰、だ、っ、た。
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処刑、という、一瞬の、終わりでは——無、い。
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『自分が、何に、敗北し——何を、軽んじていたのか』を——
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死ぬまで——毎秒——突きつけられる、地獄、だ、っ、た。
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千年の、計算の、化け物の——精神の、完全なる、去勢の、刻、だ、っ、た。
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ガルバートが、穏やかに、深く、頭を、垂れた。
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彼の冷たい琥珀色の瞳の、奥の——千年の、計算の、光が——完全に、消えた。
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「——皇帝陛下——」
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彼の声は——もはや——『計算の、化け物の、声』では——無、か、っ、た。
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千年、続けて、参った、知性の、終焉の、声、だ、っ、た。
***
「——お、お、お受け、致します、わ」
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千年の、ガルバート家の、千年の、計算の——完全な、終焉の、刻、だ、っ、た。
***
ハルトムートが、穏やかに、ガルバートを、連れ出す。
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ガルバートの足取りは——穏やかに——けれど、千年、初めて——『計算では、ない、刻』を、歩み始めて、いた。
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帝国軍が、ガルバート公爵領を、完全に、包囲+制圧。
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ガルバートの私兵+独自の魔導士団=完全な、解体。
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『偽の皇統』の若者=ガルバート家の養子+血筋の無い若者=身分を、白状した、後——地方の、修道院に、お送り。
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第23話の異母妹アンジェリカと、同じ、修道院送りの処遇、だ、っ、た。
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ガルバート公爵領の財産=帝国の国庫に、お没収+一部=東方の民の、お復興の為に、お配分。
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千年の、ガルバート家の、野心の——完全な、無効化、の、刻、だ、っ、た。
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ハルトムートが、穏やかに、ヴォルフラム+セレスティアに、お報告。
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「——陛下——皇妃殿下——」
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「——ガルバート公爵領=完全な、お制圧、致しました」
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「——『古き血筋』の、千年の、お、野心の、源泉が——完全に、無効化、致しました」
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場面は、皇妃の執務室に、移った。
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セレスティアの前に=アネリーゼ+ゲオルク+ヴィルヘルムが、穏やかに、立つ。
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ヴィルヘルムは、貴族の正装+けれど、髪は、まだ、戴冠式の刻の、泥の余韻+翠玉の瞳=穏やかな、深い、悔恨。
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セレスティアの青の瞳には、穏やかな、深い、慈悲の光。
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「——アネリーゼ様+ゲオルク様+ヴィルヘルム様」
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「——本日、ヴィルヘルム様の、お処遇を——お決め、致したく、ござ、り、ま、す、わ」
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アネリーゼとゲオルクが、穏やかに、深く、頭を、垂れる。
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「——皇妃殿下——わが息子の罪——」
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「——どのような、お罰、で、あろうとも——お受け、致します、わ」
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セレスティアは、穏やかに、微笑む。
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「——アネリーゼ様+ゲオルク様——お顔を、お上げ、くださりませ」
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「——ヴィルヘルム様」
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ヴィルヘルムが、穏やかに、顔を、上げた。
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「——皇妃殿下——わたくしの、罪は——『皇妃殿下殺害の、陰謀』への、お加担——」
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「——どのような、お罰、で、あろうとも——お受け、致します、わ」
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セレスティアは、穏やかに、彼の前に、歩み寄った。
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彼女の細い手が、穏やかに、彼の頬に、触れる。
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「——ヴィルヘルム様」
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「——お、貴方の罪は——確かに、ござ、り、ま、す、わ」
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「——け、れ、ど——お、貴方は——『戻ってこられた』、の、です、わ」
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「——『母の心』を、選んで——『新たな帝国の頂点』の、矮小な、英雄願望を、捨てて——」
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「——泥まみれの、必死さで——わたくしの、戴冠の刻に——『お、お止めくださりませ』、と——叫んでくださ、っ、た」
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「——その、お、お、勇気を——わたくしは——『お認め』致します、わ」
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「——わたくしは——お、貴方を——『極刑』、に、致しません」
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「——お、貴方を——『お赦し』、致します、わ」
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ヴィルヘルムの翠玉の瞳から、涙が、滴る。
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「——皇妃殿下——!!」
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セレスティア、穏やかに、続ける。
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「——け、れ、ど——『お赦し』、と——『お罪の、無効』、は——別の、ことで、ござ、り、ま、す、わ」
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「——お、貴方の罪を——『お償う』、お、道を——お、用意、致します、わ」
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「——ヴィルヘルム様」
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「——お、貴方を——『ヴァルガルド帝国の、北方辺境警備の、副将』——として、お、命じ致します」
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「——千年——アルテンブルクが、お護りに、なられて、参った——『獣化の、現場』の、辺境警備に——お就き、致します」
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「——そして——同じ、辺境警備の、最果ての、要塞には——ガルバート公爵が——『お囚われ』の、お身の上で——余生を、過ごされて、お、り、ま、す」
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「——お、貴方は——ガルバート公爵の、お見張り——を、お、執り、致します」
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「——千年、お、貴方が、お憂いに、なられて、参った——『一族の未来』の、為に——『獣化の現場』で、新たな、お護りを、お、執り、致します」
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「——その、お務めを——『お、新たな、アルテンブルクの、誇り』として——お、築き致して、くださりませ」
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ヴィルヘルムの翠玉の瞳が、大きく、見開かれた。
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(——千年、わたくしが、軽んじて、参った——父上の、『獣の爪の、刀傷』——母上の、千年の、孤独——アルテンブルクの、千年の、血の、重み——)
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(——その、現場で——わたくしが——新たな、アルテンブルクの、誇りを——築く——?)
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彼は、穏やかに、深く、深く、頭を、垂れた。
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「——皇妃殿下——!!」
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「——お有難く、存じます、わ——!!」
***
「——わたくしの、お命を、賭けて——お務め、致します、わ——!!」
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アネリーゼ+ゲオルクの瞳から、穏やかな、感動の、涙が、滴る。
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ゲオルクの古い刀傷が、穏やかに、震えた。
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「——皇妃殿下——」
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「——わが息子に——『お、新たな、アルテンブルクの、誇り』を——お与え、くださ、っ、た——お、覚悟——」
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「——我ら、アルテンブルクは——『お護りの、千年』を——『お、新たな、千年』として——お、お築き、致します、わ」
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三人の家族が、穏やかに、頭を、深く、垂れた。
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場面は、皇妃の執務室の、別の刻に、移る。
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イザベラ+エミリア+ジークリンデ+エルザベートが、穏やかに、揃って、いた。
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エルザベート:「——皇妃殿下——お戴冠の、お祝い、申し上げ、ます、わ」
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「——本日、ご結婚式の、花嫁衣装の、最終完成を、お、お見せ、致します、わ」
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エルザベートが、完成した『純白の花嫁衣装』を、披露。
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純白のシルク+穏やかな金色の刺繍+大魔女エルメリンダ+母エレオノーラの『穏やかな金色の光』+ヴァルガルド皇家の、千年の、紋章。
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戴冠式の『青の皇妃の衣装』とは異なり——『純白の、慶び』の、刻の、お衣装、だ、っ、た。
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セレスティアの青の瞳に、穏やかな、感動の光が、宿る。
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「——エルザベート——美しい——本当に、美しい、で、ござ、り、ま、す、わ」
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イザベラが、穏やかに、お確認。
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「——セレスティア様。ご結婚式の、お参列者の、お確認、で、ござ、り、ま、す、わ」
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「——諸国の、王侯+帝国貴族+アルテンブルク公爵家三人+東方の、新たな、お貴族家=全員、お参列、ご予定で、ござ、り、ま、す」
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「——ご結婚式の、刻は——三日後で、ござ、り、ま、す、わ」
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ヴォルフラムが、穏やかに、皇妃の執務室に、入って、来る。
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「——セレスティア」
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「——三日後——お、わたくしの、生涯の、妻——として——お、結婚式を——お、執り致す」
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セレスティアの青の瞳から、穏やかな、感動の涙が、滴る。
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二人の、穏やかな、抱擁の、刻、だ、っ、た。
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帝城の客間。
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アネリーゼ+ゲオルク+ヴィルヘルム+セレスティア+ヴォルフラム。
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ヴィルヘルムは、翌朝、北方辺境警備の、要塞へ、出発する予定。
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セレスティアが、穏やかに、ヴィルヘルムに、銀色の小さな、ペンダントを、お渡し致す。
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ペンダントの中央に——穏やかな金色の光を、宿した、青の、小さな、宝石。
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「——ヴィルヘルム様——お餞別、で、ござ、り、ま、す、わ」
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「——わたくしの、流転型魔力の、お護りの、お力を——少し、お込めて、お、り、ま、す、わ」
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「——お辛い、刻に——お、貴方を、お護り、致します、わ」
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ヴィルヘルムが、穏やかに、ペンダントを、受け取る、その瞬間——
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彼の翠玉の瞳が——大きく、見開かれた。
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ペンダントは——軽い、はず、だ、っ、た。
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け、れ、ど——
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彼の手のひらの中の、その小さな銀は——
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彼の——『お命』、よ、り、も——遥かに、重、か、っ、た。
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(——わたくしを、お、お、害そう、と、致した——わたくしを——お、お、許し——『お息子様』、と——お、呼びくださった——お、国母の——『お、お、慈悲の、重み』——)
***
(——わたくしは——この、小さな、銀を——一生——胸に、抱き続ける)
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(——この、慈悲に——お、命を、賭して——お応え、致す)
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彼の魂の奥で——『真の、男の、誇り』が——穏やかに、生まれた、刻、だ、っ、た。
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かつての、矮小な、英雄願望では、無、く——
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国母の慈悲を、胸に、抱き続ける、真の、誇り、だ、っ、た。
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ヴィルヘルムは、穏やかに、ペンダントを、首に、掛けた。
***
彼の翠玉の瞳から、涙が、滴る。
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「——皇妃殿下——お、有難く、存じます、わ」
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「——この、お、お、お小さな、銀を——わが命と、共に——お守り、致します、わ」
***
「——この、お、お、慈悲に——お命を、賭して——お応え、致します、わ」
***
翌朝——ヴィルヘルムは、穏やかに、馬に乗り、北方辺境警備の、要塞へ、出発、した。
***
アネリーゼ+ゲオルク+セレスティア+ヴォルフラムが、穏やかに、見送る。
***
ヴィルヘルムは、穏やかに、振り返り、深く、頭を、垂れて、馬を、走らせた。
***
彼の翠玉の瞳には——もはや、矮小な英雄願望は、無、く——
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胸に、抱いた、銀色のペンダントに——穏やかな金色の光が、宿って、いる。
***
国母の、慈悲の、光、だ、っ、た。
***
彼の背中に——『真の、男の、誇り』の、光が、宿って、いた。
***
結婚式まで、あと、二日。
***
帝城の皇帝の寝室の、夜の刻。
***
セレスティアは、穏やかに、ヴォルフラムの隣に、座って、いた。
***
帝城の窓の外=穏やかな秋の夜空+穏やかな月。
***
セレスティア、穏やかに:「——陛下——」
***
「——明日の、翌日——わたくしは——お、貴方の、『生涯の、妻』に——なります、わ」
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彼女の青の瞳が——穏やかに、窓の外の、月を、見つめる。
***
その瞳の奥に——遠い、遠い、刻の、記憶が、宿る。
***
「——わたくしは——時々——あの刻の、ことを——お、お思い、致します、わ」
***
ヴォルフラムは、穏やかに、彼女の手を、握る。
***
「——『絶望の、馬車の、夜』、か」
***
「——ええ、陛下」
***
彼女の青の瞳から、穏やかな涙が、滴る。
***
「——あの夜——わたくしは——冷たい雨の、降る、暗い、馬車の中で——」
***
「——『お飾り皇妃』、として——『生贄』、として——お、お、お、震えて、お、り、ま、し、た、わ」
***
「——馬車の窓に——冷たい雨が、打ち付け、続けて、お、り、ま、し、た、わ」
***
「——わたくしの、お、お、薄い、外套は——震えを、止め、てくれませ、ん、で、し、た、わ」
***
「——『この、お、お、お、お、暗い、馬車の、お、お、果て』に——『お、お、お、化け物の、皇帝』、が、お、お待ちで、いらっしゃる、と——」
***
「——わたくしは——『お、お、自分の、お、お、生』が——『お、お、終わる、刻』、を——お、お、覚悟、致して、お、り、ま、し、た、わ」
***
ヴォルフラムの『夜空の瞳』にも——穏やかな涙が、滲む。
***
彼も——穏やかに、彼女の手を、強く、握り返した。
***
「——わたくしも——あの刻——」
***
「——『お、お、獣の、皇帝』、として——『誰も、寄せ付け、ぬ』、お、お、孤独の中で——」
***
「——血の臭いを、漂わせ——」
***
「——『お、お、生贄』を、お、お、迎え入れる、刻を——『冷ややかに』、お、お待ち、致して、お、り、ました」
***
「——『お、お、また、一人、お、お、お、捧げ物が、来る』、と——」
***
「——『お、お、心』、を——完全に、お、閉ざして、お、り、ま、し、た」
***
二人の、青の瞳と、夜空の瞳が——穏やかに、お、お、互いを、見つめる。
***
冷たい雨の、暗い馬車。
血の臭いの、孤独な、獣の城。
***
あの刻の、二人の魂は——同じ、絶望の、お、お、両端で——互いを、知らずに——震えて、いた。
***
け、れ、ど——
***
今——
***
二人は——
***
温かい、穏やかな、皇帝の寝室で——
***
穏やかな月の光の下で——
***
お、お、お、互いの、手を、穏やかに、重ねて、いる。
***
お、お、お、互いを——『唯一の、最愛』、と、お、呼ぶ、絶対の、信頼の、刻、だ、っ、た。
***
「——陛下——」
***
「——わたくしどもは——本当に——『遠いところ』、まで——お、お、来ました、の、ね」
***
彼女の青の瞳から、涙が、止まらなく、なる。
***
「——『お飾り皇妃』、と『獣の皇帝』、か、ら——『国母』、と『生涯の夫』、まで——」
***
「——本当に——本当に——遠い、お、お、お、道のり、で、ござ、り、ま、し、た、わ」
***
ヴォルフラムも、穏やかに、彼女を、抱きしめる。
***
「——セレスティア——」
***
「——わたくしは——『絶望の、馬車の、夜』の、お、お前を——『お、お、お護り』致したい、と——願って——」
***
「——わたくしの——千年、閉ざされた——魂が——お、開いて——」
***
「——お、お、ここまで——お、お、来ました」
***
「——お、お前と——『お、お、並んで』——」
***
穏やかな月の光が——二人の魂を、穏やかに、包んで、いた。
***
結婚式まで、あと、二日。
***
ガルバートの千年の計算は、完全に、終焉。
***
ヴィルヘルムの償いの道は、北方の最果てで、新たに、始まる。
***
アネリーゼ+ゲオルクの千年の呪縛からの解放は、完全に、定着。
***
そして——
***
第1章の、『絶望の、馬車の、夜』、か、ら——
***
第6章の、『国母としての、戴冠の、翌日』、まで——
***
二人の魂は——
***
穏やかに、穏やかに、長い、長い、お道のりを、お、歩んで——
***
今——
***
『生涯の、妻と、生涯の、夫』、として——
***
お、お結婚式の、刻を——お、お、迎えよう、と、して、いた、の、だ、っ、た。
***
『次の刻』=結婚式の前夜+二人の穏やかな最後の、お、お、二人だけの、刻+結婚式への、完璧な、お、お、準備、の、刻が——
***
穏やかに、穏やかに、二人を、待って、いた、の、だ、っ、た。




