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『獣の皇帝陛下に溺愛されています ~無能と捨てられた元王女ですが、隣国で最強でした~』  作者: てん
第6章「真実の愛、と、新たな帝国の刻」

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# 第46話 母の、最後の、手紙



***


 戴冠式まで——あと、五日。


***


 帝都の街には——戴冠式の祝賀の、花環+音楽+穏やかな歓喜の、声が、満ちて、いた。


***


 け、れ、ど——皇妃の執務室の、セレスティアの、青の瞳の奥には——穏やかな、深い、覚悟が、宿って、いた。


***


 彼女は、ヴォルフラム+ハルトムート+イザベラ+ジークリンデの前で、穏やかに、宣言した。


***


「——陛下——皆様」


***


「——わたくしは——ヴィルヘルム様、本人に——お、お手紙を、お、送り致したい、の、です、わ」


***


 ヴォルフラム、穏やかに:「——セレスティア。お前は——既に、アネリーゼ様に、二通の、お手紙を、送り致した」


***


「——ヴィルヘルム本人に——本人に、直接、お手紙を、送る——それは——」


***


 セレスティアの青の瞳に、穏やかな、深い、決意の光が、宿る。


***


「——『国母として、の、最後の、救済の、試み』、で、ござ、り、ま、す、わ」


***


「——ヴィルヘルム様は——『一族の未来を、お、憂う、若い、息子』、なのです、わ」


***


「——ガルバート公爵に——『道具』として、呑み込まれた、若い、魂、なのです、わ」


***


「——『国母』として——わたくしは——『最後まで』、お、救う、努めを——お続け致したい、の、です、わ」


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』が、穏やかに、彼女を、見つめる。


***


「——よかろう、セレスティア」


***


「——お前の『愛』の領域を——わたくしは、お、守る」


***


「——け、れ、ど——『戴冠式の当日』までに——ヴィルヘルムが『一線を、越えて、しまえば』——わたくしの『影』が——容赦せぬ」


***


 セレスティアは、穏やかに、頷いた。


***


 ハルトムートが、低く、お報告。


***


「——皇妃殿下。ヴィルヘルムは——現在、ガルバートの命令で——帝城近郊の、廃れた、教会跡に、潜伏、致して、お、り、ま、す」


***


「——影部隊が、密かに、彼の潜伏先を、把握、致して、お、り、ま、す」


***


「——お手紙を、密かに、お届け致す、こと、は、可能で、ござ、り、ま、す」


***


 視点は、帝城近郊の、廃れた、古い教会跡に、移る。


***


 屋根が半ば崩れ、月の光が——石床に、静かに、射し込んで、いる。


***


 欠けた、十字架の影が——祭壇の上に、穏やかに、伸びて、いる。


***


 ヴィルヘルムは——一人——古い、石の祭壇の、傍らに、座って、いた。


***


 数日後の、戴冠式の当日——


***


 ガルバートの独自の魔導士団が、密かに、帝城の聖堂に、忍び込み——『致死の魔法』を、執行する。


***


 ヴィルヘルム自身の役目——戴冠式の当日に、アルテンブルクの古き紋章の盾を掲げて——『新たな皇統』の擁立を、公的に、宣言する。


***


 彼は——廃れた、石の祭壇の、欠けた、十字架を、見上げた。


***


 彼の翠玉の瞳の奥には——既に、後戻りのできない、計画の重みが、宿って、いた。


***


 (——わたくしは——『新たな帝国の頂点』に、立てる)


***


 (——け、れ、ど——その刻の、わたくしの足元には——『お、お、皇妃殿下の、血』が——流れて、いる、ことに、なる)


***


 彼の翠玉の瞳が、穏やかに、揺らぐ。


***


 け、れ、ど——彼は、首を、振った。


***


 (——いや——アルテンブルクの未来の為だ——『母の心』を、捨てなければ——わたくしは——『新たな帝国』を、お、築け、ない——)


***


 矮小な英雄願望と、本能的な、人間としての、怯えの——せめぎ合い、だ、っ、た。


***


 同じ刻——帝城の、皇妃の執務室。


***


 セレスティアが、穏やかに、ヴィルヘルム宛の、手紙を、認める。


***


 手紙の冒頭=


***


 『ヴィルヘルム・フォン・アルテンブルク様——わたくしの、お、お、お、お、息子様へ』


***


 『息子様』——


***


 その文字は——個人の親愛の情、では——な、か、っ、た。


***


 第44話で、アネリーゼに『お母様』と書いた——『国母としての、神聖なる宣誓』、と——同じ、深い、構造の、宣誓、だ、っ、た。


***


 帝国、す、べ、て、の、民の、『お、息子』、として——


***


 ヴィルヘルムを——『国母』として、抱きとめる、決意の、宣誓。


***


 手紙の中身:


***


 戴冠式の刻まで、お、戻りを、お、待ち、致しておりますこと。


***


 お、貴方が、ガルバート公爵の、密約に、お加わりになられたこと、を、わたくしは、お、知り致したこと。


***


 わたくしは、お、貴方を、お、責めません——『一族の未来を、憂う、若い、息子』として、お、貴方の、お、苦しみを、深く、感じておりますこと。


***


 お、母様アネリーゼ様+お、父様ゲオルク様は、お、貴方を、お、信じて、お、待ちでいらっしゃること。


***


 わたくしも——『お、お、お、お、お母様』として——お、貴方の、お、戻りを、お、待っておりますこと。


***


 もし、お、貴方が、お、戻りに、なられた、その刻——わたくしは、お、貴方を、お、責めず、お、抱きしめます、こと。


***


 お、貴方の、お、選択を、お、信じておりますこと。


***


 そして——


***


 『あなたが、もし、お、心の奥の、本当の声を、お、聞き直す、なら——その声は、わたくしどものところへ、お、戻ってこい——と、お、告げているはずです』。


***


 セレスティアは、手紙を、穏やかに、封蝋で、閉じた。


***


「——ハルトムート様——どうか、ヴィルヘルム様、本人に——直接、お、お渡し、致しくださりませ」


***


「——畏まりました、皇妃殿下」


***


 ヴォルフラムが、穏やかに、セレスティアの肩に、手を置く。


***


「——セレスティア——お前の『国母としての愛』が——若い、迷える、魂を——救う、ことを、わたくしも、信じておる」


***


「——け、れ、ど——『救えなかった』、刻の、覚悟も——わたくしは、既に、できておる」


***


 セレスティアは、穏やかに、頷いた。


***


 視点は、東方ガルバート公爵領の、黒い城に、移る。


***


 ガルバートの執務室。


***


 独自の魔導士団の長=黒衣の老魔導士が、ガルバートに、報告。


***


「——ガルバート公爵——『致死の魔法』の、お、準備、整って、お、り、ま、す」


***


「——『心臓を、瞬時に、停止させる』、魔法陣=完成、致して、お、り、ま、す」


***


「——魔導士団=三十名=既に、帝城近郊に、密かに、潜伏、致して、お、り、ま、す」


***


「——戴冠式の、当日の、夜明け前に——聖堂の、地下に、密かに、侵入、致します」


***


 ガルバートが、穏やかに、頷く。


***


「——よろしい」


***


 け、れ、ど——黒衣の老魔導士は、低く、補足。


***


「——ガルバート公爵——け、れ、ど——皇帝陛下の、影部隊が——既に、わが、ガルバートの、私兵+魔導士団の、お、お動きを——密かに、お、監視、致して、お、り、ま、す、わ」


***


「——『戴冠式の当日』、皇帝陛下が、本格的な、お、お、反撃を、お、お、お、お執り致す、可能性が、ござ、り、ま、す」


***


 ガルバートの冷たい琥珀色の瞳が——穏やかに、微笑む。


***


「——うむ。お、お、その、お、お通り、で、ご、ざ、る、な」


***


 彼の声には——一切の、動揺が、無、か、っ、た。


***


「——け、れ、ど——」


***


「——皇帝陛下が、お、お動きに、なられる、その刻——わが、ガルバートの『第二の罠』が、起動、致す」


***


 黒衣の老魔導士の眉が、僅かに、上がる。


***


「——『第二の罠』、と、お、お、っ、しゃ、い、ますと——?」


***


 ガルバートは、冷たい琥珀色の瞳で、穏やかに、語る。


***


「——皇帝陛下の『影部隊』が、わが、ガルバートの、私兵+魔導士団を、お、囲んで、いる、こと、を——わたくしは、千年、わが家が、計算、致して、参った、上で——既に、想定済み、なのです、わ」


***


「——『致死の魔法』の、お、執行=単なる、第一の、罠で、ご、ざ、る」


***


「——『第二の罠』は——皇帝陛下、ご自身が、お、お、お、お、皇妃殿下の、お、お、お死を、目の前で、お、ご、覧、に、なられた、その瞬間に——お、お、起動、致す」


***


「——わが家の、千年の、計算は——『流転型魔力』も、『国母としての覚醒』も、『アルテンブルクの絆』も——『皇帝陛下の影部隊の包囲』も——全て、計算済み、で、ご、ざ、る」


***


 彼の冷たい琥珀色の瞳の奥には——絶対的な、確信が、宿って、いた。


***


 (——千年——わが家の、計算は——完璧、なのだ)


***


 冷酷な、極限の、合理主義の——絶対的な、自信の、再確認の、刻、だ、っ、た。


***


 視点は、再び、ヴィルヘルムの潜伏先に、戻る。


***


 夜——ヴィルヘルムは、廃れた、教会跡で、穏やかに、眠ろうとして、いた。


***


 そ、の、刻——影部隊の密偵が、密かに、現れた。


***


「——ヴィルヘルム様」


***


 ヴィルヘルムは、瞬時に、身構える。


***


「——お、お、貴方は——?」


***


 密偵:「——わたくしは——皇妃殿下の——お、お遣い、で、ござ、り、ま、す」


***


「——皇妃殿下から——お、お手紙、を——お、貴方、本人、宛に——お、お預かり、致しました」


***


 ヴィルヘルムの翠玉の瞳が、大きく、見開かれる。


***


 (——皇妃殿下が——わたくし、本人、宛に——?)


***


 彼は、震える指で、手紙を、受け取った。


***


 廃れた、教会跡の、月明かりの下で——彼は、手紙を、開く。


***


 書簡の冒頭=


***


 『ヴィルヘルム・フォン・アルテンブルク様——わたくしの、お、お、お、お、息子様へ』


***


 (——『息子様』——?)


***


 彼の魂が、震えた。


***


 (——皇妃殿下は——わたくしを——『暗殺』を、お企てる、わたくしを——『息子様』、と——お、呼びくださ、っ、た——!?)


***


 彼は、穏やかに、手紙を、読み進めた。


***


 セレスティアの、丁寧な、筆跡が——彼の魂に、穏やかに、流れ込む。


***


 『お、貴方を、お、責めません』


***


 『お、貴方の、お、苦しみを、深く、感じております』


***


 『お、母様+お、父様は、お、貴方を、お、信じて、お、待ちでいらっしゃる』


***


 『わたくしも、お母様として、お、貴方の、お、戻りを、お、待っております』


***


 『あなたが、もし、お、心の奥の、本当の声を、聞き直すなら——その声は、わたくしどものところへ、戻ってこい——と、告げているはずです』


***


 ヴィルヘルムの翠玉の瞳から——千年——『古き血筋』の、誇りを、背負って、生きてきた、若者の——魂の奥が、震えた。


***


 涙が、滴り、止まらなくなる。


***


 (——皇妃殿下——あ、な、たは——わたくしを——『道具』、では、なく——『一人の、息子』、として——お、見てくださっているのですか——!?)


***


 (——わたくしの、矮小な、英雄願望を——見抜いて——その上で——『抱きしめる』、覚悟で——わたくしを、お、待ってくださっているのですか——!?)


***


 彼の魂の奥で——母アネリーゼの『涙』+父ゲオルクの『古い刀傷』+セレスティアの『お、お、お、お、お母様』が——一気に、雪崩のように、押し寄せた。


***


 彼は、廃れた、教会跡で——一人——声を、押し殺して、嗚咽した。


***


 欠けた十字架の影が、彼の背中に、穏やかに、伸びて、いた。


***


 け、れ、ど——


***


 彼の魂の奥には——別の、冷たい、震えが——同時に、宿って、いた。


***


 (——『戻る』——?)


***


 (——わたくしは——『戻る』、ことが——出来るのか——?)


***


 彼の翠玉の瞳が、見開かれる。


***


 (——いや——既に——遅い)


***


 (——魔導士団三十名は、既に、帝城近郊に、潜伏、している)


***


 (——『致死の魔法』の、魔法陣は、完成、している)


***


 (——わたくしが、今、『戻る』、と、宣言、しても——)


***


 (——ガルバート公爵は——わたくしの『裏切り』を、瞬時に、察知、する)


***


 (——その瞬間——わたくしと——『アルテンブルク公爵家』の、千年の、血筋は——ガルバートの、私兵に、よって——『一族ごと』、消される——!)


***


 (——母上——父上——す、べ、て、を——消される——!)


***


 絶望的な、『手遅れ感』、だ、っ、た。


***


 彼の翠玉の瞳から、涙が、更に、滴る。


***


 (——皇妃殿下——あ、な、たの、お、お、お、慈愛は——あ、ま、り、に、も——『遅すぎた』、の、です、わ)


***


 (——わたくしは——『戻りたい』——け、れ、ど——『戻れば』、母上+父上の、命が、消される——)


***


 (——わたくしには——もう——この『血塗られた、栄光の、道』を——進むしか——選択肢が、ないのだ——!)


***


 『聖女への愛と懺悔』と——『引けない恐怖と野心』が——


***


 極限まで、拮抗、した。


***


 彼は——セレスティアの手紙を——胸に、抱きしめ——震えながら——廃れた、教会跡の、石床に、突っ伏した。


***


 欠けた十字架の影の下で——若者の、魂が——引き裂かれて、いた。


***


 戴冠式まで——あと、三日。


***


 帝城の客間。


***


 アネリーゼ+ゲオルクが、戴冠式参列の為に、帝城に、到着した。


***


 セレスティアが、穏やかに、二人を、迎える。


***


 三人の、初めての、対面の、刻、だ、っ、た。


***


 アネリーゼが、穏やかに、深く、頭を、垂れる。


***


「——皇妃殿下——アネリーゼ・フォン・アルテンブルク、お初に、お、お、お目に、掛かります、わ」


***


 ゲオルクも、穏やかに、深く、頭を、垂れる。


***


 彼の頬の、古い刀傷が——月明かりに、静かに、映える。


***


「——皇妃殿下——ゲオルク・フォン・アルテンブルク、お、お、お初に、お目に、掛かり、致します、わ」


***


 セレスティアの青の瞳に、穏やかな、深い、感動の光が、宿る。


***


「——アネリーゼ様——ゲオルク様——どうぞ、お、お顔を、お、上げ、くださりませ」


***


 アネリーゼが、穏やかに、顔を、上げた。


***


 その冷たい翠玉の瞳から——穏やかな、感動の、涙が、滴る。


***


「——皇妃殿下——わたくしどもを——『お、お、お、お、お母様』『お、お、お、お、お父様』、として——お、呼びくださ、っ、た、お、言葉——」


***


「——わたくしの、千年の、お、お護りの——『最も、尊い、ご報われ』、で、ござ、り、ま、し、た、わ」


***


 ゲオルクの灰色の瞳から——千年、頑なに、流すことを、許してこなかった、涙が——穏やかに、滴る。


***


「——皇妃殿下——わが家の、千年の、お、お護りを——『お、引き継いで』、くださる——お、覚悟——」


***


「——わたくしも——この、老いた、身を——お、お、お捧げ、致します、わ」


***


 セレスティアは、穏やかに、二人の手を、握る。


***


「——アネリーゼ様——ゲオルク様——」


***


 彼女の青の瞳から、穏やかな、涙が、滴る。


***


「——『お、お、お、お、息子様』——ヴィルヘルム様、が——お、戻りに、なられた、その刻——」


***


「——わたくしどもは——三人で——お、お、お抱きしめ、致しましょう、わ」


***


 三人の魂が、穏やかに、繋がる、刻、だ、っ、た。


***


 け、れ、ど——その、瞬間——


***


 廃れた、教会跡の、ヴィルヘルムは——『戻れない』、絶望の中で——一人——震えて、いた。


***


 物理的な、心理的な、断絶の——切なさの、頂点、だ、っ、た。


***


 戴冠式の、前夜。


***


 帝城+帝都=戴冠式の、お、お、祝賀の、静かな、高揚に、包まれて、いる。


***


 帝城の聖堂=最終的な、お、お清めの儀式が、執行され——セレスティアの『青の皇妃の衣装』+『純白の花嫁衣装』が、聖堂の脇室に、丁寧に、運ばれて、いる。


***


 セレスティアは、皇帝の寝室で——ヴォルフラムと、穏やかに、二人だけの、刻。


***


 彼女の青の瞳には、穏やかな、深い、決意の光。


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』の奥には——『絶対零度の静寂』+『最大限の警戒』。


***


「——セレスティア」


***


「——明日——お前は——『大陸全体の聖女』に——『国母』に——なられる」


***


「——わたくしの『影と牙』は——お前の『戴冠の刻』を——完全に——お、護り致す」


***


 セレスティア、穏やかに:「——陛下——お、有難く、存じます、わ」


***


「——け、れ、ど——わたくしは——『国母』として——『最後まで』、お、信じて、お、り、ます、わ」


***


「——ヴィルヘルム様が——お、戻ってこられる、ことを——お、信じて、お、り、ます、わ」


***


 二人は、穏やかに、抱きしめ合った。


***


 同じ刻——廃れた、教会跡の、月明かりの下。


***


 ヴィルヘルムは——一人——セレスティアの手紙を、胸に、抱きしめて、いた。


***


 彼の翠玉の瞳には——涙の痕。


***


 彼の魂の奥には——『母の心』への、激しい憧憬と——『戻れば一族が消される』、絶望的な恐怖が——拮抗、して、いた。


***


 (——わたくしは——明日——『どちら』を、選ぶのか——?)


***


 (——『戻れない』、絶望の、道——?)


***


 (——それとも——『すべてを、捨てる』、母の心の、道——?)


***


 彼は——欠けた、十字架の影を——穏やかに、見上げる。


***


 月明かりが——彼の翠玉の瞳に、静かに、映る。


***


 彼の魂の選択は——夜明けと共に——訪れる。


***


 戴冠式の、前夜=月が、穏やかに、帝城+ヴィルヘルムの潜伏先+ガルバート公爵領+アルテンブルク公爵領、を、見守って、いる。


***


 セレスティアの『国母としての愛』が——ヴィルヘルムの魂を、揺らした。


***


 け、れ、ど——ガルバートの『完璧な、絶対的自信』+『第二の罠』が——その揺らぎを、覆い隠そう、と、して、いる。


***


 ヴォルフラムの『絶対零度の静寂』が——ガルバートの致死の魔法を、待ち構えて、いる。


***


 アネリーゼとゲオルクの『祈り』が——帝城の客間に、宿って、いる。


***


 ヴィルヘルムの『選択の刻』が——夜明けと共に、訪れる。


***


 『次の刻』=戴冠式の当日+ヴィルヘルムの最終的な選択+ガルバートの致死の魔法の執行+ガルバートの第二の罠+ヴォルフラムの絶対零度の反撃+セレスティアの『国母としての愛』の最終的な発揮、の刻が——


***


 夜明けと共に——二人を、待って、いた、の、だ、っ、た。

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