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『獣の皇帝陛下に溺愛されています ~無能と捨てられた元王女ですが、隣国で最強でした~』  作者: てん
第6章「真実の愛、と、新たな帝国の刻」

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# 第44話 古き、母の、答え



***


 北方の凍てつく晩秋の、朝の刻、だ、っ、た。


***


 アルテンブルク公爵領の、古城の、アネリーゼの自室。


***


 彼女は——一夜を、セレスティアの書簡を、胸に抱きしめて、過ごした。


***


 冷たい翠玉の瞳の、奥に——穏やかな、深い、決意の光が、宿って、いる。


***


 千年の『古き血筋の母』としての、答えが——彼女の魂の奥で、結晶した。


***


 彼女は、穏やかに、自室の鏡台の前に座り——銀色の髪を、丁寧に、結う。


***


「——皇妃殿下に——お応え、致します、わ」


***


「——わたくしどもの、千年の、お、お、お護りを——『お、引き継いで』、くださる、皇妃殿下の——『覚悟』に——」


***


「——わたくしも——『古き血筋の、母』として——『お、応え』、致します、わ」


***


 彼女は、夫ゲオルクの執務室に、穏やかに、向かった。


***


 ゲオルクの執務室=石造りの重厚な部屋+古き刀+先祖の肖像画。


***


 彼は、窓辺で、灰色の空を、見つめて、いた。


***


 扉が、穏やかに、開く。


***


 アネリーゼが、穏やかに、入って、来る。


***


「——あなた」


***


 彼女は、セレスティアの書簡を、ゲオルクに、穏やかに、差し出す。


***


「——皇妃殿下から——わたくし一人、宛に——お便りを、お、お、頂き、致しましたのよ」


***


 ゲオルクの灰色の瞳が、穏やかに、書簡を、読む。


***


 彼の頬の、古い刀傷が——穏やかに、疼く。


***


 書簡の、丁寧な、セレスティアの筆跡が——彼の灰色の瞳に、穏やかに、流れ込む。


***


 『皆様の、千年の、お、お、お護りは——世界からは、決して、お、報われる、こと、の、なかった——『お、孤独な、番人』の、お、お務め、で、ございました、わ』


***


 『その、千年の、お、孤独を——わたくしは——「お、無駄では、ご、ざ、り、ま、せ、ん、で、し、た」と——お、申し上げ、致したい、の、です、わ』


***


 ゲオルクは——書簡を、読み終えた——その、瞬間——


***


 彼の灰色の瞳の、奥に——長年、頑なに、保ってきた『冷徹な現実主義』の、壁が——穏やかに、穏やかに、崩れた。


***


「——『お、孤独な、番人』、と——『最も、尊い、お務め』、と——」


***


 彼の、低い、低い声が、震える。


***


「——千年——誰も——」


***


「——我ら、アルテンブルクの、『血の、重み』を——『そう』、認めて、くださ、っ、た方は——いらっしゃ、ら、な、か、っ、た」


***


「——帝国の、貴族たちは——我らを、『北方の、お、護衛』として——お、見下しに、なられた」


***


「——皇家ですら——我らの『血』を——『当然の、お務め』として、お、受け入れて、こられた」


***


「——け、れ、ど——皇妃殿下は——」


***


 彼の灰色の瞳から——穏やかに、穏やかに——


***


 千年——頑なに、流すことを、許してこなかった、涙が——一筋——滴り、落ちた。


***


「——わたくしどもの——千年の——『孤独』を——『見て』、くださ、っ、た、のだ、な」


***


 それは——『降伏』では——な、か、っ、た。


***


 『敗北』でも——な、か、っ、た。


***


 千年——『獣の爪』に、肉を、削がれ——血を、流し——誰にも、報われずに、生きてきた、老貴族の——


***


 『千年の、呪縛』、か、ら、の——『解放』、の——勝鬨、だ、っ、た。


***


 (——我が一族の——千年の、苦闘は)


***


 (——この、聖女を——迎え入れる、為に——あ、っ、た、のだ)


***


 千年の、『獣化』の、狂気を、抑え込み——千年の、『孤独』を、耐え抜いた——その全てが——


***


 今——『一人の、聖女』を、この、帝国に、お、お、迎え入れる、為の——『お、お、千年の、お、お、お務め』、だ、っ、た、の、だ。


***


 ゲオルクの、灰色の瞳に——千年——失っていた、深い、深い、誇りの光が——穏やかに、穏やかに、戻った。


***


 アネリーゼは、穏やかに、夫の手に、自らの手を、重ねる。


***


「——あなた——わたくし——皇妃殿下に、お応え、致したい、の、です、わ」


***


 ゲオルクは——穏やかに、深く、頷いた。


***


「——アネリーゼ——共に、お答え、致そう」


***


「——アルテンブルク公爵家=戴冠式に——お、参列、致す」


***


「——『古き血筋の貴族会議』の、結論を——『改める』」


***


 夫婦の、本格的な決断、の、瞬間、だ、っ、た。


***


 千年の、頑なな、誇りが——『聖女を、お迎え入れる、千年の、お、お務め』として——美しく、解き放たれた、瞬間、だ、っ、た。


***


 同じ刻——城の、北の塔の、最上階。


***


 ヴィルヘルムは——影の侍従の、報告で——父母が、共に、決断を、下す、刻が、近いことを、知った。


***


 彼の翠玉の瞳が——冷たく、燃える。


***


 (——父も——母も——皇妃の、光に——完全に、絆された)


***


 (——アルテンブルク公爵家は——『護衛』として——千年の、お、お、護衛として、終わる)


***


 (——わたくしが——『新たな、道』を——お、開かねば)


***


 彼は、影の侍従に、密かに、命じる。


***


「——馬を、整えよ」


***


「——本日中に、お、城を、出る」


***


「——目的地は——『あの方』の、ところ、だ」


***


「——畏まりました、若様」


***


 彼は——父母に、別れの言葉も告げず——密かに、城を出た。


***


 北方の凍てつく晩秋の空の下を——彼の馬が、東へ、向かう。


***


 父ゲオルクと、母アネリーゼ=ヴィルヘルムが、密かに、城を、出たことを——夕方になって、初めて、知った。


***


 ゲオルクの灰色の瞳に——深い、悲しみが、宿る。


***


「——ヴィルヘルム——お前は——」


***


 アネリーゼは——息子の不在を、自室で、知った時——穏やかに、涙を、流した。


***


「——あの子——」


***


「——千年の、わが一族の、誇りを——『別の、お、道』、として——お、求めた、のね」


***


 父母の、決断の、輝かしい瞬間が——息子の暴走の、暗い影に、覆われた。


***


 同じ刻——帝城のヴォルフラムの執務室。


***


 ハルトムートが、影部隊からの、新たな報告。


***


「——陛下。アルテンブルク公爵領で——大きな動きが、ござり、ま、し、た、わ」


***


「——当主ゲオルク+夫人アネリーゼ=本日、共に、決断、致されました」


***


「——『古き血筋の貴族会議』の結論を——『改める』、意向、で、ござ、り、ま、す」


***


「——アルテンブルク公爵家=戴冠式に、参列、致す、お考え、で、ござ、り、ま、す」


***


 セレスティアの青の瞳に——穏やかな、深い、安堵が、宿った。


***


「——本当——本当、ですか、ハルトムート様」


***


「——アネリーゼ様——ゲオルク様——」


***


 彼女は、穏やかに、涙を、滴らせる。


***


 ヴォルフラムも、穏やかに、彼女の手を、握る。


***


「——セレスティア。お前の『言葉と心』が——千年の、『古き血筋』の、頑なな、誇りを——『本当に』、揺らした、のだ、な」


***


 け、れ、ど——ハルトムートの表情は、穏やかながら、暗かった。


***


「——け、れ、ど——陛下——皇妃殿下——」


***


「——同じ刻に——もう一つの動きが、ござり、ま、し、た」


***


「——継嗣ヴィルヘルムが——本日中に——密かに、城を、お、出に、なられました」


***


「——目的地は——影部隊が、追跡中で、ござ、り、ま、す」


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』の奥に——冷徹な牙が、再び、宿った。


***


「——ヴィルヘルム、か」


***


「——『一線』を——越えに、向かう、のだ、な」


***


 セレスティアは、穏やかに、け、れ、ど、深い決意の声で。


***


「——陛下——ヴィルヘルム様も——『古き血筋』の、お、お、お息子、なのです、わ」


***


「——アネリーゼ様の——『お、お、お息子』、なのです、わ」


***


「——『討つ』、ことだ、け、では——あ、り、ま、せ、ん、わ」


***


「——『お、母様』としての——『お、心』を——『救う』、こと、を——わたくしは、忘れたく、ご、ざ、り、ま、せ、ん、わ」


***


 彼女の青の瞳に——新たな『母の役割』の自覚の光が——穏やかに、宿る。


***


 ヴォルフラムは、穏やかに、彼女を、見つめる。


***


「——セレスティア——お前の、『流転』は——『若い、世代』にも——届く、と——お前は、信じておる、のだ、な」


***


「——よかろう。け、れ、ど——」


***


 彼の『夜空の瞳』の、奥に——底冷えの、する、冷徹さが、宿る。


***


「——『一線』を、越えた、その瞬間——わたくしの『影と牙』は——『容赦、致さぬ』」


***


「——お前の『愛』が、間に合わぬ、場合は——わたくしが、彼を——『根絶やし』に、する」


***


 二人の二段構えが——ヴィルヘルムにも、適用された。


***


 セレスティアは、皇妃の執務室に、戻り——穏やかに、新たな書簡を、認める。


***


 イザベラが、穏やかに、お尋ね。


「——セレスティア様。アネリーゼ様、宛、で、いらっしゃい、ますか?」


***


 セレスティアは、穏やかに、頷く。


***


「——ええ、イザベラ。け、れ、ど——今度は——」


***


 彼女は、穏やかに、筆を、止め——遠く、北方の空を、見つめた。


***


 (——わたくしは——『ヴァルガルド帝国』の——『皇妃』、で、ある)


***


 (——『大陸全体の、聖女』、で、ある)


***


 (——そして——今——わたくしは——『この、帝国の、す、べ、て、の、民』の——『母』、と、して——立たねば、なら、ぬ、の、です、わ)


***


 彼女の魂の、奥で——


***


 『ファルネーゼの、生贄の、娘』、か、ら——『ヴァルガルド帝国、す、べ、て、の、民、そして、歴史をも、包み込む、国母』へ——


***


 精神の、覚醒、の、刻、だ、っ、た。


***


 彼女は、穏やかに、筆を、進める。


***


 書簡の、冒頭=


***


 『アネリーゼ・フォン・アルテンブルク様——大切な、お、お、お、お、お母様へ』


***


 『お、お、お、お、お母様』——


***


 その言葉は、もはや、個人の、親愛の、情では——な、か、っ、た。


***


 帝国、す、べ、て、の、民の、『お、母様』、として——


***


 アルテンブルク公爵家の、千年の、母を、お、お、お、抱きとめる——『国母』、と、して、の、神聖なる、宣誓、だ、っ、た。


***


 書簡の中身:


***


 アルテンブルク公爵家の、戴冠式への、参列の、お、決断への、深い、感謝。


***


 ヴィルヘルム様が、密かに、城を、お、出に、なられたこと、を、わたくしも、お、知り致したこと。


***


 『お、母様』として、ヴィルヘルム様の、お心を、わたくしも、お、案じて、お、り、ますこと。


***


 ヴィルヘルム様の、『一族の未来を、お、憂う、お、焦燥感』を——わたくしも、深く、深く、感じて、お、り、ま、すこと。


***


 ヴィルヘルム様の、お、心の、根底にある、『お、お、一族への、お、お、愛』を——わたくしは、決して、否定、致しません、こと。


***


 もし、ヴィルヘルム様が、戻られた、その時——わたくしは、ヴィルヘルム様、にも——『お、感謝』を、お、お、お伝え、致したい、こと。


***


 同じ刻——ハルトムートが、ヴォルフラムの執務室で、お報告。


***


「——陛下。影部隊の、追跡の、報告が、ござり、ま、し、た、わ」


***


「——ヴィルヘルムの、馬は——帝国の、東方、ガルバート公爵領の、方角に、向かって、お、り、ま、す」


***


「——ガルバート公爵家=帝国東方の、『古き血筋』の、別系統——」


***


「——北方の、アルテンブルクとは、対極の、『野心系』の、古き貴族家、で、ござ、り、ま、す」


***


「——アルテンブルクの『血の重み』とは、異なる——『国を、お、変える』、お考えの、一族、で、ござ、り、ま、す」


***


 ヴォルフラムの『夜空の瞳』が、冷徹に、曇る。


***


「——ガルバート、か」


***


「——千年——帝国の『古き血筋』の、もう一つの——『陰謀の、源泉』、だ、な」


***


「——ヴィルヘルムは——ガルバートの『野心』と——アルテンブルクの『古き血筋の権威』を——『結合』、させよう、とする、のか」


***


 穏やかな、和解の、ムードの、傍らで——


***


 冷たい、氷水を、浴びせる、ような——政治的、サスペンスの、緊張感が——一気に、立ち上った。


***


 数日後——ガルバート公爵領の、入り口。


***


 帝国の東方=灰色の岩肌の山々に、囲まれた、暗い谷の、奥。


***


 遠景に——黒い、石造りの、巨大な、城のシルエットが、見える。


***


 アルテンブルク公爵領の、灰色の城とは——更に、暗い——黒の、城。


***


 千年——『野心』だ、け、を、燃やし続けて、きた——『古き血筋』の——城、だ、っ、た。


***


 ヴィルヘルムが、馬から下りて、城門の前に、立つ。


***


 城門の守備兵が、穏やかに、彼を、迎える。


***


「——ヴィルヘルム様。お待ち、致して、お、り、ま、し、た、わ」


***


「——ガルバート公爵が、奥の、お部屋で、お待ち、で、ござ、り、ま、す」


***


 ヴィルヘルムの翠玉の瞳が、冷たく、燃える。


***


「——いよいよ、だ」


***


「——アルテンブルクの『古き血筋の、権威』と——ガルバートの『野心』が——『結合』、する、刻、だ」


***


 彼は、城門を、潜った。


***


 城門の奥の、暗い廊下に、消えていく、彼の姿。


***


 ガルバート公爵の、本格的な姿は——黒い、城の、シルエットの、奥に——未だ、見えない。


***


 け、れ、ど——その、見えない、暗い、影こそ——


***


 第6章後半の——『真の毒』、だ、っ、た。


***


 その夜——アルテンブルク公爵領、アネリーゼの自室。


***


 ゲオルクと共に、息子の、不在の悲しみを、抱えながら、穏やかに、過ごして、いた。


***


 ゲオルクの灰色の瞳には——深い、悲しみが、宿って、いる。


***


「——アネリーゼ——わが息子は——」


***


「——わが家の、千年の、誇りを——『別の、道』に——求めて、しまった」


***


 アネリーゼは、穏やかに、夫の手を、握る。


***


「——あなた——わたくしは——『古き血筋の、母』である前に——『ヴィルヘルムの、母』、なのです、わ」


***


「——あの子の、選んだ、お、道が——どんなに、危険、で、あろうとも——」


***


「——あの子を、お、信じて、待ちたい、の、です、わ」


***


「——母として——」


***


 そ、の、刻——侍女が、穏やかに、自室に、入って、来る。


***


「——奥様。皇妃殿下から——再び、お、お便りが、お、届き、致しました、わ」


***


 アネリーゼは、震える指で、書簡を、開く。


***


 彼女の冷たい翠玉の瞳が、書簡の、最初の数行を、読んだ、瞬間——


***


 大きく、見開かれた。


***


 書簡の冒頭=


***


 『アネリーゼ・フォン・アルテンブルク様——大切な、お、お、お、お、お母様へ』


***


 『大切な、お、お、お、お、お母様へ』——


***


 その文字が——彼女の魂を、貫いた。


***


 (——皇妃殿下が——わたくしを——『お、お、お、お、お母様』、と——お、呼び、くださった——!?)


***


 け、れ、ど——次の瞬間——


***


 彼女は、その『お母様』という言葉の、本当の重みを——感じ取った。


***


 (——皇妃殿下は——『個人の、親愛の、情』として——『お母様』、と、おっしゃ、っ、た、のでは——な、い)


***


 (——皇妃殿下は——『帝国、す、べ、て、の、民の、お、母様』、として——『ヴァルガルド帝国、す、べ、て、の、歴史を、抱きとめる、国母』、と、して——)


***


 (——わたくしを——『一人の、お、母』、として——『お、お、抱きとめる』、お、覚悟で——『お、お、お母様へ』、と——お、お、書きくださ、っ、た——!)


***


 (——『ファルネーゼの、生贄の、娘』が——『ヴァルガルド帝国の、国母』へ——『お、お、お、お、お覚醒』、なされた、の、です、わ——!)


***


 アネリーゼの、冷たい翠玉の瞳から——涙が、滴り、止まらな、く、なる。


***


 千年——『獣化』の、狂気を、お、抑えながら、お、護りに、なられて、参られた、『古き血筋』の——


***


 千年の、お、お、お、お護りの、対象=『帝国の、未来』そのものが——


***


 今——彼女を、『一人の、母』として、お、お、認め——その懐に、お、お、抱きとめて、くださ、っ、た。


***


 『畏怖』と『救済』の、混ざり合った——衝撃、だ、っ、た。


***


 「——皇妃殿下——」


***


 彼女の声が、震える。


***


「——あ、な、たは——」


***


「——『一人の、若い、お、姫様』、では——な、く——」


***


「——『ヴァルガルド帝国、す、べ、て、の、国母』、で、いらっしゃ、っ、た、の、ですわ——!」


***


 ゲオルクの灰色の瞳も、書簡を、見て——同じ衝撃に、打たれて、いた。


***


「——『国母』——」


***


 彼は、低く、震える声で、呟いた。


***


「——わが、千年の、お、お、お護りの、対象=『帝国の、未来』——」


***


「——皇妃殿下の、お、お、お腹に——いずれ、宿られる——『新たな、皇統』——」


***


「——その、未来を——皇妃殿下、ご自身が、既に、『国母』、として——お、抱きとめる、お、お、覚悟で、いらっしゃる、のだ、な」


***


 夫婦は、二人で、書簡を、胸に、抱きしめた。


***


 千年の、『古き血筋』の、お、お、お護りが——『国母』の、お、お、覚醒に、よって——『お、お、最終的な、お、お、報われ』を、得た、瞬間、だ、っ、た。


***


 北方の凍てつく夜空の月+帝城の穏やかな夜の月+ガルバート公爵領の暗い夜空の月=三つの『刻』が——同じ月の下で、穏やかに、駆動して、いた。


***


 アネリーゼとゲオルクの『千年の呪縛からの解放』=完成。


***


 セレスティアの『国母』としての覚醒=完成。


***


 ヴィルヘルムの『危険な単独行動』=ガルバート公爵領への到着で、本格化。


***


 ヴォルフラムの『影と牙』=ガルバートへの警戒の本格的な始動。


***


 光の、深い、感動と——


***


 影の、深い、毒が——同じ月の下で、完璧に、並走、し始めて、いた、の、だ、っ、た。


***


 『次の刻』=ガルバート公爵の本格的な登場+ヴィルヘルムとの密約+セレスティアの戴冠式の準備の最終局面、の刻が——穏やかに、穏やかに、二人を、待って、いた、の、だ、っ、た。

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