# 第38話 最後の、契約の、完成
# 第38話 最後の、契約の、完成
## 第5章「完全解呪、と、命の対価」
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そ、の瞬間が、完全に越えた。
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月の表面の赤さが——完全な『血の月の満ち』の刻に到達した。
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『——ぎし、ぎし、ぎしぎし、ぎしぎしぎしぎし……バリバリッ!!』
『——ごり、ごり、ごりごり、ごりごりごりごり……バキッ!!』
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『呪詛の間』の岩盤が——凄まじい音を立てて、わずかに、崩れ落ち始めた。
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『最後の抵抗』の『大きな波』の本格的な爆発、の瞬間、だ、っ、た。
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千年の『契約』の物理的な構造の『自己保存の本能』の完全な爆発、だ、っ、た。
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『銀の獣』の身体の『獣化』の凶暴が——更に、更に、更に、凶悪に、『最後の侵食』を、発動、し始める。
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彼の凶悪な爪が、凄まじい質量で、岩盤を、引き裂く——『——ガリガリッ!! ガガガガッ!!』。
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『——無……の……魔……食、わせ、ろ……食、わせ、ろ……命を……愛を……魂を……ッ!』
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『無の魔』の『黒い霧』の『食欲』が——凶悪に、凶悪に、『再侵食』を、発動。
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『呪詛の間』の空気が——『獣の呪い』の『最後の抵抗の爆発』+『無の魔』の『食欲の再侵食』+『二人の融合する魂の光』+『四つの魔導具』の『最大の脈動』+『三重の魔法陣』の脈動=『五つのエネルギー』の完全な『最終決戦の戦場』、に変容、した。
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二重の『追加の圧力』が——セレスティアの魂を、更に、更に、更に、『流転型魔力』に『吸い込み』、始める。
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彼女の『魂の光』が——身体か、ら、完全に『離脱』の寸前に至る。
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彼女の青の瞳の奥の光が——完全に、『消えかける』、状態に至る。
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彼女の呼吸が——『——ハ……ッ……ハ、ッ……ハ、ッ……』の今にも、完全に途切れそうな状態。
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彼女の唇の端の青みが、頬まで、滲み出して、い、る。
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彼女の身体が——完全に、崩れ落ち始める。
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イザベラと、エミリアの腕の中で——セレスティアの身体は——凄まじく、凄まじく、軽くなって、いた。
「——セレスティア様!!」
「——皇妃殿下、お気を、おお、おお確かに!!」
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け、れ、ど——ヴォルフラムの『獣』の姿の『前足』と——セレスティアの『細い手』、の繋がり、だ、け、が——
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『四つの魔導具』の『最大の脈動』で——穏やかに、穏やかに——繋ぎ止められて、いた。
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『手』だ、けが『生』の繋がり、の最後の状態、だ、っ、た。
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そ、の刻——
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『獣』の姿の内側のヴォルフラムの『人間の意志の残滓』、が——『絶望の慟哭』を越えて——『完全な愛の執念』の形で、『魂』の完全な投入を、発動、した。
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「——セレスティア——わ、たくしの魂のす、べ、て、を——お、前の魂と、完全に、融合させる、の、だ……ッ!!」
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「——お、前を『お離れ』させるの、ではな、く——わ、たくしの魂で、お、前を『お引き戻す』の、だ……ッ!!」
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「——お、前と並んで生きる『未来』を、諦めない、の、だ……ッ!!」
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ヴォルフラムの『獣』の姿の身体か、ら——青と金の『魂の光』の総量、が——完全に、完全に、流出、し始めた。
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『——セレスティア——わ、たくしの魂のす、べ、て、を——捧げる、の、だ……ッ!!』
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二人の『魂の光』が——穏やかに、穏やかに、穏やかに——完全に、融合、し、た。
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『青と金』の二色の光=セレスティアの『魂』+ヴォルフラムの『魂』=『一つの完全な魂の光』、に、融合、し、た。
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『お、並びの愛』の『最終の形』、の顕現、の瞬間、だ、っ、た。
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そ、の、『最高の純度』の刻に——
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『鍵』と『入れ物』、が、完全に、噛み合った。
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千年前の『魔術回路』、が——真の起動を、果たした、の、だ、っ、た。
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『呪詛の間』の岩盤の奥か、ら——穏やかな、穏やかな『金色の光』、の気配が、顕現、し始めた。
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『大魔女エルメリンダ』の『魂の残響』、だ、っ、た。
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同時に——セレスティアの薬指の金色の指輪か、ら——穏やかな、穏やかな『金色の光』、の気配が、顕現、し始める。
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『母エレオノーラ』の『魂の残響』、だ、っ、た。
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そ、して——ヴォルフラムの懐の皇帝の宝玉か、ら——穏やかな、穏やかな『銀色の光』、の気配が、顕現、し始める。
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千年前の『初代ヴァルガルド皇帝』の『魂の残響』、だ、っ、た。
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千年前——『無の魔』を封じる『大陸の大魔導儀式』を執行した『三者』、の『魂の残響』が——
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今、二人の『生死を越えた絶対愛』、の『最高の純度』、に『鍵』と『入れ物』を完全に噛み合わせて——『真の起動』の形で、顕現、した、の、だ、っ、た。
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単なる『奇跡』では、な、か、っ、た。
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『千年の因果の格付け』の完全な結実、だ、っ、た。
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『——セレスティア——ヴォルフラム……』
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『大魔女エルメリンダ』の声が——穏やかに、穏やかに、け、れ、ど、『千年の世界の重み』を背負った『歴史の意志』の重厚さで、響く。
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『——わ、たくしたちが——おお助力、致します、わ……』
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『——母様……?』
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セレスティアの揺らぐ魂が、気づく。
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『母エレオノーラ』の穏やかな声が——薬指の指輪か、ら、穏やかに、響く。
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『——セレスティア——わ、たくしも——おお助力、致します、わ……』
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そ、して——『初代ヴァルガルド皇帝』の穏やかな声が——皇帝の宝玉か、ら、低く、穏やかに、響く。
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『——ヴォルフラム——わ、たくしの千年後の血の末裔——『契約の入れ物』の完成を、共に執行、致そう……』
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『歴史の意志』、の重厚さ、だ、っ、た。
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『——『最後の契約』の完成を——大陸の救済の完成を——共に、お執行、致しましょう……』
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三者の『穏やかな光』が——二人の『融合した魂の光』に穏やかに、穏やかに、合流、し、始めた。
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『五つの魂の融合の光』の顕現、だ、っ、た。
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完全な『救済の光』、の完成、だ、っ、た。
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『救済の光』が——『無の魔』の『黒い霧』に、完全に流入、し始めた。
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『——無……の……魔……食、え……な、い……完全に……封じ、られ、る……ッ!』
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『黒い霧』の『食欲』の『意志』が——完全に、完全に、『封印』に至る。
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『——無……ぐ、あ、ぁ、ぁ……ッ!』
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『黒い霧』が——岩盤の奥に、完全に、完全に、『封じ込まれて』、いく。
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岩盤の奥の『更に更に奥』に——完全に封じられた『無の魔』の姿、だ、っ、た。
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『大陸の救済』、の完成、の瞬間、だ、っ、た。
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周囲の諸国の立会人——『——『無の魔』が、完全に、封じ、られ、ま、し、た……ッ!!』の歓喜の涙。
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そ、して——同時に——
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『獣の呪い』の『契約の入れ物』の機能が——完全に、『完了』に至る。
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『獣の呪い』が——完全に、完全に、『引き剥がされる』の刻、だ、っ、た。
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『最後の契約』の完成の刻、だ、っ、た。
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『——バリッ……バリバリッ……バリッ!!』
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『銀の獣』の身体か、ら——『銀の毛皮』が、凄まじい音を立てて、剥落、し始める。
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『——バリッ……バリッ……ボロッ……ボロボロッ!!』
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猛烈な速度で生えた『銀の毛皮』が——今、猛烈な速度で剥落、して、いく。
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『——ぐにゃっ……ぐにゃっ……ぐにゃ、ぐにゃ……ッ!』
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彼の『獣』の『骨』が——『人間の形』に、戻り始める。
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『——ボキッ……ボキ、ボキ、ボキ、ボキッ……ッ!』
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背骨が『元の方向』に、戻り始める。
肩の骨が『人間の形』に、戻り始める。
顎の骨が『人間の顎』に、戻り始める。
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『——ぐにゃっ、ぐにゃっ、ぐにゃ、ぐにゃ……』
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肥大化した筋肉が——穏やかに、穏やかに、『人間の男の筋肉』の大きさに、戻り始める。
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『——ぐぐっ……ぐぐっ……』
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凶悪な爪が——穏やかに、穏やかに、『人間の爪』の形に、戻り始める。
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『——ぎちっ……ぎち、ぎちっ……』
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『獣の牙』が——穏やかに、穏やかに、『人間の歯』に、戻り始める。
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『呪い』が、彼の肉体を『書き換える』過程の『逆再生』、だ、っ、た。
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『苦痛』と『解放』の混じった肉体的な『戻り』、だ、っ、た。
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彼の喉の奥から——『——あ……ぐっ……ぁぁ……うぅ……』の『獣の唸り』か、ら『人間の苦痛』、の混じった声、が、徐々に、徐々に、『人間』の声、に変じて、いく。
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そ、して——『獣化』の凶暴の顔が——穏やかに、穏やかに——『人間の顔』に、戻り始める。
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赤く染まり切った二つの瞳の『赤さ』が——穏やかに、穏やかに——『退いて』、い、く。
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『——夜空の瞳』=穏やかな、穏やかな『青と黒の混じった夜の瞳』、が——徐々に、徐々に、戻り始める。
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そ、して——『銀の毛皮』の『剥落』の完了の瞬間に——『銀の長髪』が、穏やかに、穏やかに、流出、し始める。
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『——サラ……サラ……サラ……』
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月の光に、穏やかに、揺れる『銀の長髪』、の完成。
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第2話か、ら——『獣の皇帝』、として姿を顕したヴォルフラムが——今、千年ぶりに——完全な『一人の人間の男』、の姿に、戻った、の、だ、っ、た。
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『夜空の瞳』+『銀の長髪』+『穏やかな顔』、の『ヴォルフラム』、の完成。
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『本当に呪いが解けた』、の『強烈な実感』、が——『呪詛の間』の空気を、完全に包んだ。
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『最後の契約』、の完成、の瞬間、だ、っ、た。
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ヴォルフラムの『夜空の瞳』、が——穏やかに、穏やかに、セレスティアを、見つめる。
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「——セレスティア……わ、たくしの呪いが——完全に、引き剥がれた、な……」
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彼の唇に——『人間の男』の穏やかな微笑み、が、宿る。
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千年ぶりの『穏やかな微笑み』、の顕現、だ、っ、た。
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周囲の諸国の立会人+魔導士団の長老たち+イザベラ、エミリア——完全に、完全に、涙ながらに、二人を見つめる。
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「——完全解呪、の完成、でござります……ッ!」
「——『無の魔』も、完全に、封じ、られ、ま、し、た……ッ!」
「——大陸の救済、の完成、でござります……ッ!」
「——皇帝陛下が、完全な『人間のお姿』に、戻られま、し、た……ッ!」
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ヴェレナ大司祭——涙ながらに、崩れ落ちる。
「——大聖女ヴェネシア——有難く、存じます……ッ!」
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レオンハルト王太子——凍りついたまま、静かな涙を流す。
「——大陸の救済、の完成、を——公的に、証言、致す……ッ!」
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『——皇妃殿下、皇帝陛下が、大陸をおお救いくださ、い、ま、し、た!!』
「——歴史に、永遠に、刻まれるおおお二人、でいらっしゃいま、す……ッ!」
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諸国の立会人す、べ、ての『歓喜の涙』の『最高潮』、の瞬間、だ、っ、た。
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『大陸全体』が、二人の『お、並びの愛』に『救われた』、歴史的な刻、だ、っ、た。
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け、れ、ど——
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そ、の『歓喜の最高潮』の、『同じ刻』に——
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『最後の契約』の完成の『最大の代償』、が——二人の身体に、完全に、完全に、顕現、し始めた。
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セレスティアの『魂』の『身体』への『戻り』の完了の寸前——
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彼女の身体が——穏やかに、穏やかに、崩れ落ちる。
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「——陛下……わ、たくし……」
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彼女の声、が——完全に、消えそうに、な、る。
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彼女の意識が——穏やかに、穏やかに、遠のいて、いく。
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ヴォルフラムの『夜空の瞳』、が——穏やかに、セレスティアを見つめる、け、れ、ど——
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彼の意識も——穏やかに、穏やかに、遠のいて、い、た。
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「——セレスティア……お、前と……並んで……」
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彼の声、も——完全に、消えそうに、な、る。
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二人の身体が、互いに、穏やかに、崩れ落ち始める。
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『魔導具』の脈動も——穏やかに、穏やかに、落ち着いて、いく。
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ヴォルフラムが——完全に、崩れ落ちて、セレスティアの細い身体に、穏やかに、覆いかぶさる。
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二人が——互いの『手』を繋いだまま、『呪詛の間』の床に、静かに、横たわった。
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イザベラ、エミリア——涙ながらに、セレスティアの細い手を、穏やかに、包む。
「——セレスティア様!! お、気を、おお、おお確かに!! お、お目を、お開け、くださりませ!!」
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ジークリンデが——蒼白の顔で、セレスティアの脈拍を、確認、し始める。
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彼女の細い指が——セレスティアの首筋に、穏やかに、触れる。
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『呪詛の間』の空気が——『歓喜の最高潮』か、ら——『何か』を待つ、完全な『静寂』、に、包まれて、いく。
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周囲の諸国の立会人——『歓喜の涙』を流したまま、完全に、凍り、つい、た。
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ヴェレナ大司祭の祈りの声、が、止まる。
レオンハルト王太子の涙、が、止まる。
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ジークリンデの指、が——微かに、微かに、震えて、いる。
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そ、して——ジークリンデの蒼白の唇から——衝撃の宣告、が、響いた。
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「——皇妃殿下のお脈拍が——」
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沈黙、の刻。
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「——『非常に微弱』、でいらっしゃいます……ッ!」
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『呪詛の間』の空気が——一瞬で、完全に、『絶対的な静寂と絶望』、に、叩き落とされた。
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『歓喜の最高潮』、か、ら——『冷酷な現実』、へ、の完全な落差、だ、っ、た。
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『大陸を救った代償』として、『二人の命の灯火が消えかけている』、の『冷酷な現実』、の顕現、だ、っ、た。
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『命の対価』、の代償、だ、っ、た。
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イザベラ——『——セレスティア様……ッ!』の蒼白の声。
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エミリア——完全に崩れ落ちて、涙を、静かに、流す。
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『大陸の救済』の完成の『歓喜』を、完全に、凍りつかせる『微弱な脈拍』、の宣告、だ、っ、た。
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誰一人として、声を発する事が、出来、な、か、っ、た。
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月の表面の『血の月』の『完全な赤さ』が——穏やかに、穏やかに、『元の月の色』に、戻り始めて、いる。
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『呪詛の間』の空気が——『最後の契約』の完成の静謐に包まれて、いる。
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岩盤の奥の軋み=完全に、停止。
『無の魔』の『黒い霧』=完全に、封じ込められて、いる。
『獣の呪い』=完全に、引き剥がされて、いる。
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ヴォルフラムの身体=完全に『人間の姿』に、戻った。
彼の『夜空の瞳』+『銀の長髪』、が——床に、穏やかに、広がって、いる。
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け、れ、ど——彼の意識は——穏やかに、完全に、遠のいて、いる。
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セレスティアの身体=崩れ落ちて、いる。
彼女の意識は——穏やかに、完全に、遠のいて、いる。
彼女の脈拍は——『非常に微弱』、の状態。
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『最後の契約』は——完成、した。
『大陸の救済』は——完成、した。
『獣の呪い』は——完全に、引き剥がされた。
『無の魔』は——完全に、封じられた。
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け、れ、ど——
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セレスティアの『生』は——『非常に微弱』、の状態。
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『命の対価』の代償が——今、完全に、完全に、顕現、して、いる、の、だ、っ、た。
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『大陸の救済』の完成の『歓喜』の刻に——二人の『命の灯火』が、消え入りそう、な、刻、だ、っ、た。
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『二人の『生』の帰還』の刻が——静かに、静かに、『次の刻』の『最後の問い』として、残されて、い、た、の、だ、っ、た。
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『呪詛の間』の空気が——完全な『絶対的な静寂』のまま——『何か』を待ち、続けて、いた。
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『二人の意識が戻る』の、『次の刻』を、静かに、静かに、静かに、待ち続けて、いた、の、だ、っ、た。




