# 第37話 命の、対価
# 第37話 命の、対価
## 第5章「完全解呪、と、命の対価」
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そ、の瞬間が——完全に越えた。
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『——ぎし、ぎし、ぎしぎし、ぎし、ぎしぎしぎし……ッ!』
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『呪詛の間』の岩盤の奥の軋みが——本格的な『最後の抵抗』の本格化、に至った。
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『——ごり、ごり、ごりごり、ごり、ごり……!』
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千年の『契約』の物理的な構造の『自己保存の本能』、の発動、だ、っ、た。
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『獣の呪い』は——完全に解かれる事を、拒否し始めた。
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一度和らぎ始めた『獣化』の凶暴が——『最後の抵抗』の形で——更に、凶悪に、『再侵食』、を試みる。
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『銀の獣』の赤く染まり切った二つの瞳が——『——ぎろっ……ぎろっ……ぎろり……ッ!』と、『獣の本能』の『噛み殺す衝動』を、再び、強く、発動し始める。
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彼の凶悪な爪が、凶悪に岩盤を、引っ掻く——『——ガリッ……ガリガリッ……ッ!』。
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そ、の、『同じ刻』、に——
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『呪詛の間』の岩盤の『更に更に奥』から——微かに滲み出していた気配が——本格的な『姿』、を帯び始めた。
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『——無……の……魔……』
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『黒い霧』、だ、っ、た。
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岩盤の奥から、穏やかに、穏やかに、滲み出す『黒い霧』。
名状しがたい凍るような気配+『——食、わせ、ろ……食、わせ、ろ……命を……愛を……魂を……』の微かな『呟き』の気配。
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それは単なる『煙』では、な、か、っ、た。
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明確な『食欲』と『悪意』を持った『意志』、だ、っ、た。
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『魂を喰い、愛を喰い、命を喰う』存在の『食欲』、が——『呪詛の間』の空気を、穏やかに、穏やかに、染め始める。
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周囲の諸国の立会人——完全に、凍り、つい、た。
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ヴェレナ大司祭の聖印を握る手が、凄まじく震える。
「——『無の魔』が……ッ! 大魔女エルメリンダ様のおお語りにな、っ、た『古き闇』が……ッ!」
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レオンハルト王太子の凛とした表情が、完全に、崩れる。
「——皇妃殿下! 皇帝陛下! お身が——お危険、でござります……ッ!」
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ジークリンデは——蒼白の顔で、セレスティアを見つめる。
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『獣の呪い』の『最後の抵抗』の『再侵食』+『無の魔』の『黒い霧』の『食欲』=二つの『追加の圧力』が——セレスティアの魂を、更に、更に、更に、『流転型魔力』に『吸い込み』始めた。
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セレスティアの身体が——わずかに、崩れ落ち、始める。
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彼女の呼吸が——
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『——ハ、ッ……ハッ、ッ……ハ、ッ……ハ、ッ……ハ、ッ……』
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完全に、浅く、短く——今にも、途切れそう、な状態に至る。
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彼女の顔色が——蝋のよ、うな白さを『通り越して』、青みを帯び、始めた。
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彼女の唇の端から——完全に、生気が失われて——微かな青みが滲み出す。
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彼女の青の瞳の奥の光が——徐々に、徐々に、徐々に——『消えかける』状態に至る。
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『——あ、の、青い光が——お消えに、な、ら、れ、る……ッ』の周囲の戦慄、だ、っ、た。
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物理的な『死の近接』、の顕現、だ、っ、た。
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そ、して——
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セレスティアの身体か、ら——青と金の『魂の光』、が——穏やかに、穏やかに、滲み出し、始めた。
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『魂』が——『身体』か、ら——徐々に、徐々に、『離れ』始めて、い、る『徴候』、だ、っ、た。
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『魂の離脱』、の徴候、だ、っ、た。
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『四つの魔導具』の『魂の繋がりの命綱』の脈動だ、け、が——穏やかに、穏やかに——『身体』に『魂』を、繋ぎ止めて、いる、危うい状態。
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彼女の身体が——わずかに、わずかに、崩れ落ち始める。
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イザベラと、エミリアが——涙ながらに、彼女の背後を、両側から、支える。
「——セレスティア様!!」
「——皇妃殿下!!」
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二人の腕の中のセレスティアの身体は——凄まじく、軽くなって、いた。
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彼女の『魂』が——物理的に、『身体』か、ら、『離れ』始めて、いる、事の証、だ、っ、た。
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ジークリンデが——蒼白の顔で、完全に凍った声で、宣告した。
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「——セレスティア様のお魂が——お身体か、ら——『お離れに』な、り、か、け、て、お、り、ま、す……ッ!」
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「——『命の対価』の完全な顕現、でござります……ッ!」
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「——このままでは——皇妃殿下は——お、命を、お落としに、な、ら、れ、ま、す!!」
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『呪詛の間』の空気が——完全に、『取り返しのつかない深淵』の絶望、に、包まれた。
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ヴェレナ大司祭——完全に、崩れ落ち、涙ながらに、祈り始める。
「——大聖女ヴェネシア……おおお護り、くださりませ……ッ!」
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レオンハルト王太子——凍りついたまま、呟く。
「——これは……本当に皇妃殿下を、おお失う、の、か……ッ!」
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『本当に、このまま、死ぬ』の絶望で——諸国の立会人す、べ、て、が、完全に凍りつい、た。
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『取り返しのつかない深淵』、だ、っ、た。
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そ、の、瞬間——
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『銀の獣』の姿の内側のヴォルフラムの『人間の意志の残滓』が——
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完全な『絶望の慟哭』の形で——応答した。
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『——ぐおおおおおおおおおおおおおおぉ……ッ!!』
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それは——『獣の咆哮』では、な、か、っ、た。
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『獣の喉』を『破る』ほどの、『執念の咆哮』、だ、っ、た。
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地響きのよ、うな低音と——引き裂かれるほどに哀しい『人間の魂の慟哭』、の混じった『咆哮』、だ、っ、た。
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『呪詛の間』の岩盤を、微かに、揺らす質量、を持って、いた。
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『銀の獣』の身体が、凶悪に、震える。
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『——セレ、ス、ティア!! お、前のお魂が——お身体か、ら——『お離れに』な、っ、て、い、る……ッ!!』
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『獣』の唸りの中に、混じった『人間の魂の声』、だ、っ、た。
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『——わ、たくしの魂で——お、前のお魂を——もっと——もっと——もっと——抱きしめる、の、だ……ッ!!』
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『獣の本能』の『噛み殺す衝動』が——凶悪に発動しよう、とする。
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け、れ、ど——ヴォルフラムの『人間の意志の残滓』が——内側からの『圧倒的な愛の執念』で——強引に、強引に、強引に——『噛み殺す衝動』をねじ伏せた。
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『——お、前を噛み殺すなど——わ、たくしは——させない……ッ!!』
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『——『獣』の本能より——わ、たくしの『愛』が——『勝る』の、だ……ッ!!』
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『——お、前を——『お離れに』——させ、な、い……ッ!!』
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運命に抗う男の『狂気的なまでの愛』、の発露、だ、っ、た。
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そ、の、瞬間——ヴォルフラムの『獣』の姿の『懐の皇帝の宝玉』、が——
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完全な、完全な、完全な、『最大の脈動』、を発動、した。
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『カッ……!!』
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『——お、前の魂を、わ、たくしの魂で、完全に、抱きしめる』、の誓いの『最終形態』、の本格的な発動の瞬間、だ、っ、た。
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第31話で——『お、前の魂をわ、たくしの魂で抱きしめる』と誓った誓いの——『生死を越えた』形、の完成、だ、っ、た。
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ヴォルフラムの『獣』の姿の身体か、ら——
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青と金の『魂の光』=セレスティアの『二色の混合の光』と完全に同調する光、が——
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穏やかに、穏やかに、穏やかに——流れ出し、始めた。
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『——わ、たくしの魂を——お、前の魂と——完全に、融合させる、の、だ……ッ!!』
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『——お、前を、『お離れ』させない、の、だ……ッ!!』
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『——『お、前と並んで生きる未来』を、諦めない、の、だ……ッ!!』
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ヴォルフラムの『青と金の魂の光』=セレスティアの『青と金の魂の光』=二つの『二色の光』が——穏やかに、穏やかに、完全に、融合、し、始めた。
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『四つの魔導具』の脈動+『三重の魔法陣』の脈動+『二人の完全に融合する魂の光』=『呪詛の間』を、完全に、包んで、いく。
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セレスティアの揺らぐ魂が——ヴォルフラムの『魂の光』の流入を受けて——穏やかに、穏やかに、応答、し始める。
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彼女の青の瞳の奥の『消えかけた光』が——わずかに、わずかに、戻り始める。
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「——陛下」
「あ、な、たのお魂の光——お受け、致しました、わ」
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「——わ、たくしのお魂と——あ、な、たのお魂が——完全に、融合、致し始めて、お、り、ま、す、わ」
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「『お、並びの愛』の『生死を越えた』完成の形、でござります、わ」
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二人の『魂の光』が——完全に融合、し、た。
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『青と金』の『二色の光』=『お、並びの愛』の『生死を越えた』完成の形、だ、っ、た。
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セレスティアの身体の『魂』が——『流転型魔力』に『吸い込まれる』圧力+『身体』に繋ぎ止められる圧力=『拮抗』の状態が——
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わずかに、わずかに——『身体』に繋ぎ止められる方向に、揺らぎ始めた。
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彼女の呼吸が——わずかに、わずかに、安定を、取り戻し始める。
「——ハ、ッ……ハ、ッ……ハ、ッ……」
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彼女の顔色は——依然として、蝋のよ、うな白さを『通り越した』青み、のまま。
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け、れ、ど——彼女の青の瞳の奥の『消えかけた光』が——わずかに、わずかに、わずかに、戻り始める。
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そ、して——
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『無の魔』の『黒い霧』の『食欲』の気配が——『二人の完全に融合する魂の光』に対して——わずかに、わずかに、『侵食』を止め始めた。
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『——無……の……魔……』の『食わせろ』の『呟き』が——わずかに、わずかに、『——な、ぜ……な、ぜ……喰え、な、い……?』の『戸惑い』の気配に変じる。
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『二人の融合する愛の光』、の前で——『無の魔』の『食欲』は——わずかに、わずかに、『退いた』、の、だ、っ、た。
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け、れ、ど——まだ、完全には、和らがな、い。
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『無の魔』の『黒い霧』は——『呪詛の間』の空気を、依然として、染めて、いた。
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ジークリンデ——涙ながらに、セレスティアの状態を診断、し直す。
「——セレスティア様のおお魂の『お離れ』が——わずかに、わずかに、止まり始めて、お、り、ま、す……ッ!」
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周囲の諸国の立会人——完全に、涙を流す。
「——皇帝陛下のお愛の光、が——皇妃殿下のおお魂を、繋ぎ止めていらっしゃる……ッ!」
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『生死を越えたお、並びの愛』の完成の形、の顕現、だ、っ、た。
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け、れ、ど——
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そ、の『穏やかな拮抗』の『同じ刻』に——
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『獣の呪い』の『最後の抵抗』の『大きな波』、の準備が——静かに、静かに、本格化、し始めた。
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『——ぎし、ぎし、ぎし、ぎしぎし、ぎしぎしぎし……ッ!』
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『岩盤の奥』の軋みが——『波』の準備の気配を、完全に、帯び始める。
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『——ごり、ごり、ごり、ごりごり、ごりごり、ごりごりごり……ッ!』
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千年の呪いが持つ『自己保存』の本能の『カウントダウン』、の本格化、だ、っ、た。
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ヴォルフラムの『獣』の姿の身体が——『最後の抵抗』の『波』の圧力で——わずかに、わずかに、揺れ始める。
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彼の赤く染まり切った瞳の奥の『人間の気高さの光』、が——『最後の抵抗』の圧力で、わずかに、揺らぎ始める。
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「——セレ、ス、ティア——『最後の抵抗』の『大きな波』が——準備、されて、い、る……ッ!」
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「——『最大の刻』が——近づいて、い、る……ッ!」
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月の表面の『血の月』の『満ち』の刻が——完全な完成の刻に向かって、徐々に、徐々に、徐々に、完成して、いる。
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『血の月の完全な赤さ』の完成の刻=『最後の契約』の『最大の刻』の時刻、だ、っ、た。
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あ、とわ、ず、か——月が『完全な血の月』、に染め切る、刻、だ、っ、た。
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セレスティアの穏やかな決意の声、蒼白の顔の中から——穏やかに、穏やかに、響く。
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「——陛下」
「あ、な、たと——『お、並びの愛』の『最後の契約』、を——完成、致しましょう、わ」
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「『最後の抵抗』の『大きな波』を——二人で、共に、越えましょう、わ」
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「『無の魔』を——二人で、共に、お封じ致しましょう、わ」
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ヴォルフラムの『獣』の姿の『人間の意志の残滓』、の涙ながらの応答、『獣』の喉の奥から響く。
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「——セレ、ス、ティア——並んで、越えよう、な」
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「——お、前と——『生死を越えたお、並びの愛』を——完成、致そう、な」
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「——『未来』を——二人で、並んで、歩む、の、だ……ッ!!」
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二人の『手』=『獣』の姿のヴォルフラムの『前足』+セレスティアの細い『手』、が——完全に、完全に、繋がる。
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『青と金の二色の光』が——二人の繋がった手か、ら、穏やかに、穏やかに、更に、更に、流出、し始める。
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『呪詛の間』の空気が——
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『獣の呪い』の『最後の抵抗』の『波』の準備+『無の魔』の『黒い霧』の気配+『二人の完全に融合する魂の光』+『四つの魔導具』の『命綱の脈動』+『三重の魔法陣』の脈動=
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『五つのエネルギー』の『静かな拮抗の刻』、に完全に包まれて、いた。
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月の表面の赤さが——完全な『血の月』の『満ち』の刻に向かって——徐々に、徐々に、徐々に、完成、して、いた。
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『血の月の完全な赤さ』の完成の刻=『最後の契約』の『最大の刻』の時刻が、静かに、静かに、完全に、近づいて、いた。
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『命の対価』は——完全に顕現、した。
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セレスティアの『魂の『離れ』』は——『四つの魔導具』の『命綱の脈動』+『二人の融合する魂の光』で、わずかに、繋ぎ止められて、いる。
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『無の魔』の『侵食』は——『二人の融合する魂の光』で、わずかに、止め始められて、いる。
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『生死を越えたお、並びの愛』の完成の形は——顕現、して、いる。
***
け、れ、ど——
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『獣の呪い』の『最後の抵抗』の『大きな波』の準備が——静かに、静かに、完全に本格化、して、いた。
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あ、とは——『最後の抵抗の波』の本格的な爆発+『最後の契約』の完成の『最大の刻』、を二人で、並んで——越える、だ、け、だ、っ、た。
***
『お、並びの愛』の『生死を越えた』完成の刻が——静かに、静かに、完全に、近づいて、い、た、の、だ、っ、た。
***
『——ぎし、ぎし、ぎし、ぎしぎし、ぎしぎしぎし……ッ!』
『——ごり、ごり、ごり、ごりごり、ごりごりごり……ッ!』
***
千年の呪いの『自己保存の本能』の『カウントダウン』が——完全な『爆発』の刻に向かって——静かに、静かに、静かに、完成して、い、た、の、だ、っ、た。




