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イケメンってイラつくよね

「それに僕は関わらない。勝手に解決しといてくれ」


それが僕の結論だ。

あまり関わり合いたくはない。

そう言った時に目の前の男の顔が歪んだ。


「なぜですか!」

「なぜ……ね」


さてなんと言おうか。

ただ面倒だったからと言っても納得はしてくれないだろう。


「僕だって命は大事だからね」

「だからあなたは何もしなくていいんです」


僕はわざとらしく間を置いた。


「じゃあ、あいつはどうなる」


出来るだけ悲壮を込めて言う。


「僕にあいつを危険なところに行かせると思っているのか」

「それは」


よし、もう何も言えないだろう。

自分でもよく思ってもいないことを言えるものだと感心してしまう。


「いったい何を言っているんですか。あなたは」


そう、後ろから思いもしなかった声が聞こえてギョッとしてしまった。


「なんでお前がここにいるんだよ」


確か宿で寝ると言っていたはずだ。

それがなぜこんなところにいる。


「まだ行為の真っ最中だったんですよ」


そりゃお盛んなことで。

出来るなら周りのことを考えて欲しい。


「だからってどうしてこんなところにお前がいるんだよ」

「こっちも近付きたくはありませんでしたが、あなたが気持ちの悪いセリフを吐いていたからですよ」


気持ちの悪いとはこっちだって傷つく。

こっちだって苦渋の決断だったんだ。


「まあ、どんな話だったかは大体わかりましたがそれぐらいなら何の問題もないですよ」

「そりゃ、まあな」


そんな心配はもとからない。

多分こいつはあっさりとその女を殺れるだろう。いつものように音もなく。


「ああ、渋っているのはそう言うことですか」

「ん、そうだな」


今、僕が関わりたくないのはもちろん面倒くさいというのもあるが気持ち悪さというものを感じたからだ。

確かに大きな被害は出ている。何人か死んでしまえば恨みだって持つだろう。

だからこれは僕の同情のようなものだ。


「それは引き受けてくれるということで?」


どこでそう思ったか背の高い男はそう聞いてきた。


「はい、そうです」


僕が何か言う前にアウルムがそう答えた。

なぜ?

こいつはそう言う面倒くさそうなものは引き受けることはないだろうと思っていたのに。


「本当ですか!ありがとうございます」


背の高い男はアウルムにしきりに感謝の言葉を述べた。大げさすぎると思うくらいに。


「それでは今すぐ」


そう言ってアウルムの手を取って走り出そうとする。

なんだかイラっとした。

もちろん嫉妬ではない。イケメンがそんな行動をすると無性に腹が立つ。ちなみそれは僕がそれをひがんでいるとかそう言う理由ではない。決してだ。


そんなことを思っていると目の前からナイスガイが消えた。多分、アウルムが消したのだろう。その光景を見るのは2度目だがもう慣れてしまったのか動じない。それよりも清々してしまった。


「なんで消した?」

「いきなり手を引くとかありえません」


ざまぁ。

イケメンがそんな風に拒絶されるのを見るとそんな感想が出てくる。

もうずっとこのままもとに戻さなくてもいいんじゃないだろうか。


「まあ、私は何でもいいんですがね」

「じゃあ、なんで受けたんだよ」

「暇つぶしです」


嘘だな。

顔に出ているわけでもないがなんとなく分かる。


「じゃあ、もういいか」


消えた奴の存在は忘れることにしよう。

そう思ったがふと思った。

これって殺したことになるのだろうか?

もちろん手を下したわけでもないが確かに消えている。

元にも戻るが確かに消えた。

そう思うと不安になって来た。


「おい、あいつ戻してくれ」

「面倒くさいです。別に死んでいようが生きていようがどっちでもいいじゃないですか」

「僕は日本人なんだよ。だからこういうのには慣れていない」

「はあ、しょうがないですね」


今度は予備動作が無く、気付いたときにそこにいた。

本当にいったいどういう原理だ?

まあ、少しの予想は立っているが。


「あれ?」


目の前のこいつは混乱しているようだ。

さっきまで手を引いていた女が少しだけ離れているからだろう。


「どうしたんですか?」

「いや、何でもない」

「それじゃあ、行きましょう」


また、手でも引くつもりではないかとヒヤッとしたがそんなことはないようだ。

そしてなんだか気が付いたら同行することになっている。

もう何か言うのも疲れるのでおとなしくついていくことにした。


「はあ」


なんでこんな面倒臭いことになるかね。

出来るのなら大きな胸に囲まれるようなそんな生活を送りたいものだ。

そう思った時に隣から蔑まれたような目で見られても何も知りません。

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