簡単な二択
今回は説明みたいなもんですので短いです。
「あいつが生まれたのは僕と同じ村です」
男が独白を始めた。
「僕よりも一つ年下で昔はよく遊んでいました」
しみじみとそのころを思い出すように。
その横顔が妙に綺麗に見えた。
「うちの村は大体の人が美しく生まれるんですがそいつは多分村の中でも一番の美しさを持った女だと思います」
「女?そいつは女なのか?」
てっきり男だと思っていた。
「はい、女です」
「そいつがいったい何をした?」
そう聞くと少し目を細めた。
「あれはあいつが12になり始めたころです」
重い声質で話し始める。
そのことになぜか緊張してしまった。あまりこういう空気に慣れていないからかもしれない。
「その時村の近くで魔物が大量に群れ出したんです」
「魔物?」
「ええ、被害はなかったんで逃げる準備をしながらとりあえずは普通に過ごしていたんです」
それまでは何の問題もなく生活していたようだ。
そう、それまでは。
「その魔物がいきなり村に向かって近づいてきました」
数は大体100体ほどだったらしい。
それが分かった時村は迷いなく村から出て行こうとした。
しかしそれに待ったをかけるやつがいた。
「大丈夫だからと、あいつが僕たちにそう言ったんです」
なんてことが無いように言ったらしい。
だけどそんなことは誰も信じない。
だから親はその女を連れて遠くの村に避難をしようと連れて行こうとしたらしい。
するとそいつは大きく反抗した。
「その時は子供のわがままと思われて無理やり連れて行ったんです」
そいつは泣きながら喚いたそうだ。
逃げちゃダメ、と。
その様子が鬼気迫る感じで不吉に感じたらしい。
それでもその娘を連れて行った。
「悲劇はそこからです」
なんといきなり移動し始めた村人に向かって魔物が襲い始めたらしい。
そんなものに慣れていない村人たちはもうパニックになって何が何だか分からなくなった。
そして、その娘はこう言った。
だからダメだって言ったのに、と。
「みんなはそいつに問い詰めましたよ」
なぜ、そんなことを言うのだと。
みんな、その娘に問い詰めた。
その娘は泣いて答えたそうだ。
「私を友達から離さないで、って」
それはすぐに魔物のことだとみんな分かった。
だから、恐れた。
そして、その娘だけを置いて村から出て行った。
すると、魔物は追いかけてくることを辞めた。
「だからもうみんなあいつのことは忘れて、避難してきた村で暮らしてきたんです」
親ですらも。
置いてきたやつのことなんて忘れて。
「だけどあいつは追いかけてきた」
それから6年後突然そいつはやって来た。
多くの魔物を率いて。
「びっくりするように綺麗な笑顔で来たんです」
それは復讐だろうか?
自分を置いてきた村人たちに対しての報復なのか。
「みんな、そいつの魔物に襲われました」
あるものは腕を失い、あるものは足を失い、あるものは命を失った。
「そしてあいつは死ななかった」
誰かが隙を見てそいつにナイフを突き刺したらしい。
普通は即死だ。
しかし、その時全くと言っていいほど手ごたえがなかった。
「今も魔物に襲われています」
―――だから助けてください。
僕は目を瞑ってどうするか考える。
捨てるか、救うか。
それはとても簡単な二択だった。
書いているうちにどんどん混乱していった。
近々直したいと思います。




